峰岸先生の時事英語の今回は女子のヘディングの危険性に関する記事を解説していきます。

テーマ「最先端科学・医療研究Ⅻ」

『時事英語』特別講義のテーマ「最先端科学・医療研究Ⅻ」一覧

「時事英語」特別講義

テーマ「最先端科学・医療研究Ⅻ」
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第182回 「最先端科学・医療研究Ⅻ」その1

第182回 「最先端科学・医療研究Ⅻ」その1

皆様こんにちは。横浜にある医学専門予備校:エースメディカルみなとみらい代表の峰岸です。よろしくお願いいたします。

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ここでは新聞、雑誌などの時事英語のなかから医学部受験に出題されやすいテーマを取り上げていきます。

今回も「最先端科学・医療研究」の分野を扱います。AFP配信2018年8月1日の記事Heading football more risky for women: study(女子のヘディングは男子より危険:米研究)。今日は冒頭から読んでいきましょう。*注 解説しやすいようにパラグラフに記号や文ごとに番号を入れる場合があります

Heading football more risky for women: report

Study says brain damage from headers 5 times more extensive in women than men
Published: 04:05 August 1, 2018

(1)Tampa: Brain damage from heading a football may be five times more extensive in women than men, said a US study Tuesday based on nearly 100 amateur players.

解説

見出し

Heading football more risky for women: report

今回は見出しの中にVがありません。新聞記事ではよくあることですが、この見出しでもbe動詞が省略されています。主語はHeading(ヘディングすること)ですね。

もちろん Heading a ball なら「ボールをヘディングすること」ですが、a ball の代わりにfootball(サッカーボール)とすることで、「サッカーの競技でヘディングすること」を2単語で簡潔に表しています。more risky for womenはbe動詞(本文の場合はis)を補うと補語に相当します。「女性にとってより危険です」ということです。

もちろん比較相手は男性です。: reportは「論文・報告書からの出典」という意味です。womanは「女性」ですが、「女性サッカー」とは言いません。「女子サッカーです」ね。ですから見出しでも「女子」で良いと思います。

訳:女子のヘディングは男子より危険:米研究

小見出し

Study says brain damage from headers 5 times more extensive in women than men

主語はStudy(論文は)で述語はsays(書いてある)です。その中身はbrain damage from headers(ヘディングによる脳の損傷)が主語で述語のisは見出し同様に省略されています。

5 times more extensive in women than menの部分は、5 times は「5倍」です。more extensive in women than menは「男性より上司の方がより強烈」です。「強烈」ということはその「衝撃・ダメージ」が「強烈」ということです。

訳:研究によると女子の方が男子の5倍のダメージ

第1パラグラフ

Tampa: Brain damage from heading a football may be five times more extensive in women than men, said a US study Tuesday based on nearly 100 amateur players.

Tampaはアメリカ・フロリダ州・タンパで発信地を表しています。

Brain damage from heading a football(サッカーボールをヘディングすることによるダメージ)が主語で述語はmay be five times more extensive in women than men(おそらく女子の方が男子に比べ5倍の強度かもしれません)です。

その発信元はUS study Tuesday(火曜日に発表されたアメリカの研究論文)です。 based on nearly 100 amateur playersの部分は実験の内容で「アマチュア選手約100人に基づく」です。

訳:タンパ発:火曜日に発表された研究によると、サッカーボールをヘディングすることによって脳に与えるダメージは女性の方が男性より5倍高いことが約100人のアマチュア選手に基づく実験からわかりました。

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いかがでしょう。今回から取り上げるトピックスは競技人口が増えている女子サッカーとそこにある危険についての考察です。ヘディングと脳の損傷についての関連性はなんとなくわかりますがどのようなデータが出てくるのでしょう。お楽しみに。

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当校ではレベルの高い英文を基礎から説明していきます。随時無料体験レッスン可能です。お問い合わせください。

2018年9月05日

第183回 「最先端科学・医療研究Ⅻ」その2

第183回 「最先端科学・医療研究Ⅻ」その2

今回も「最先端科学・医療研究」の分野を扱います。AFP配信2018年8月1日の記事Heading football more risky for women: study(女子のヘディングは男子より危険:米研究)。

今日は第2パラグラフから読んでいきましょう。*注 解説しやすいようにパラグラフに記号や文ごとに番号を入れる場合があります

Heading football more risky for women: report

Study says brain damage from headers 5 times more extensive in women than men
Published: 04:05 August 1, 2018

(2)The report in the journal Radiology suggested that sex-specific guidelines may be needed to guard against head injuries in football, or soccer as it is widely called in the United States.

(3)“Researchers and clinicians have long noticed that women fare worse following head injury than men, but some have said that’s only because women are more willing to report symptoms,” said lead author Michael Lipton, professor of radiology, psychiatry and behavioural sciences at Albert Einstein College of Medicine.

解説

見出し

女子のヘディングは男子より危険:米研究
女子の方が男子の5倍のダメージ

第2パラグラフ

The report in the journal Radiology suggested that sex-specific guidelines may be needed to guard against head injuries in football, or soccer as it is widely called in the United States.

主語はThe report in the journal Radiology(レディオロジー誌に掲載された研究)で、述語はsuggested that ~(~を示しています)です。その中身はsex-specific guidelines(性別によるガイドライン)で述語は may be needed(必要かもしれない)です。

to guard against head injuries in footballは「サッカーにおいて頭部の損傷を守るために)です。

or soccer as it is widely called in the United Statesの部分ですが、一般的に日本語でいう「サッカー」は、アメリカ以外では「フットボール」と呼ばれていますので、その混乱を避けるために書かれた文です。

or soccer のorは「言い換え」を表します。「言い換えるとサッカー」となります。as it is widely calledは「それが広く呼ばれるように」です。 in the United Statesは「アメリカで」です。

訳:レディオロジー誌に掲載された研究では、フットボール、言い換えるとアメリカで広く呼ばれているサッカーでは、頭部の損傷を守るために性別によるガイドライン必要かもしれないということを示しています

第3パラグラフ

“Researchers and clinicians have long noticed that women fare worse following head injury than men, but some have said that’s only because women are more willing to report symptoms,” said lead author Michael Lipton, professor of radiology, psychiatry and behavioural sciences at Albert Einstein College of Medicine.

この部分はセリフです。発言者はlead author Michael Lipton, professor of radiology, psychiatry and behavioural sciences at Albert Einstein College of Medicine(論文の主執筆者で、アルベルト・アインシュタイン医学校のマイケル・リプトン放射線医学・精神医学・行動科学の教授)です。

発言内容の主語はResearchers and clinicians (研究者や医師たち)で、述語はhave long noticed (気づいていた)です。「何に気づいていたのか」はthat 以下です。

ここでの主語はwomen(女性)で述語は fare worse(うまくやっていけない)です。 following head injuryは「頭部のけがの後で」です。

than menは「男性に比べ」です。 butの後ろでは主語はsome (何人かは)で述語はhave said(言っている)です。「何を言っているのか」は that’s only because ~で「それは単に~の理由である」です。「~」の部分はwomen are more willing to report symptoms(女性の方がより症状を報告しがちだ)です。

訳:論文の主執筆者で、アルベルト・アインシュタイン医学校のマイケル・リプトン放射線医学・精神医学・行動科学の教授は、「研究者らや臨床医師らは頭部のけがの経過が男性に比べて女性の方が悪いことに以前から気付いていました。しかし、それは単に女性の方が症状を報告する傾向が強いという理由であるという者もいました」と述べています。

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いかがでしょう。「女性の方がけがに対してそれを報告する傾向が強い」という視点は「男性は女性より我慢している」ということでしょうか?

その根拠となるデータはあるのでしょうか?検証が必要ですね。次回この辺りが述べられてきます。次回もお楽しみに。

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2018年9月12日

第184回 「最先端科学・医療研究Ⅻ」その3

第184回 「最先端科学・医療研究Ⅻ」その3

今回も「最先端科学・医療研究」の分野を扱います。AFP配信2018年8月1日の記事Heading football more risky for women: study(女子のヘディングは男子より危険:米研究)。

今日は第4パラグラフから読んでいきましょう。*注 解説しやすいようにパラグラフに記号や文ごとに番号を入れる場合があります

Heading football more risky for women: report

Study says brain damage from headers 5 times more extensive in women than men
Published: 04:05 August 1, 2018

(4)“Based on our study, which measured objective changes in brain tissue rather than self-reported symptoms, women do seem more likely than men to suffer brain trauma from heading soccer balls.”

(5)For the study, 49 male and 49 female players were given a form of MRI called diffusion tensor imaging (DTI), which analyses the health of the brain’s white matter by looking at water balance in the tissue.

解説

見出し

女子のヘディングは男子より危険:米研究
女子の方が男子の5倍のダメージ

第4パラグラフ

“Based on our study, which measured objective changes in brain tissue rather than self-reported symptoms, women do seem more likely than men to suffer brain trauma from heading soccer balls.”

この部分もセリフです。発言者はマイケル・リプトン放射線医学・精神医学・行動科学の教授です。Based on our studyは「私たちの研究によると」です。

ここに関係詞がかかってきますが,which~は「そしてそれは~」と訳します。述語はmeasured objective changes in brain tissue(脳の組織の客観的な変化を測定する)です。

rather than ~は「~よりも」です。self-reported symptoms,は「自己申告の症状」です。これは前文で「女性の方が症状を訴える傾向がある」と言っていたものに対応する文です。

この部分までが「前置き」で、主節の主語は women(女性は)です。述語はdo seem (まさに~のように見える)です。「どのように見えるのか」はmore likely than men(男性よりも) to suffer brain trauma(脳の損傷をする) from heading soccer balls(サッカーボールをヘディングすることで)のように続きます。

訳:「我々の研究では、自己申告の症状というよりも脳の組織の客観的な変化を測定していますが、それによると女性はサッカーボールをヘディングすることで男性よりも脳の損傷を実際に引き起こしています」

第5パラグラフ

For the study, 49 male and 49 female players were given a form of MRI called diffusion tensor imaging (DTI), which analyses the health of the brain’s white matter by looking at water balance in the tissue.

文頭のFor the studyは「この研究のために」ですから「この研究のための実験では」という意味です。

49 male and 49 female players were given は「49人の男性選手と49人の女性選手に与えられました」です。

「何が与えられたのか」はa form of MRI(一種のMRI)です。その説明がcalled diffusion tensor imaging (DTI)ですから「拡散テンソル画像【DTI】と呼ばれる」です。ここに関係詞がかかってきます。

, which~ は「そしてそれは~する」と訳します。analysesは「分析する」です。「何を分析するのか」はthe health 「健康状態」です。「どの部位の状態か」はof the brain’s white matter(脳の白質)です。「どのように分析するのか」は by looking at water balance in the tissue(組織の中の水分のバランスを調べることで)です。

訳:この研究では男女それぞれ49人の選手に拡散テンソル画像(DTI)と呼ばれる一種のMRIを実施しました。それは脳の白質組織の水分バランスを調べることで脳の健康状態を分析するのもです。

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いかがでしょう。DTIを使うという客観的な実験の方法が示されました。これによってデータが示されエビデンスとなっていきますね。どのようなデータがしめされるのでしょう。次回もお楽しみに。

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2018年9月19日

第185回 「最先端科学・医療研究Ⅻ」その4

第185回 「最先端科学・医療研究Ⅻ」その4

今回も「最先端科学・医療研究」の分野を扱います。AFP配信2018年8月1日の記事Heading football more risky for women: study(女子のヘディングは男子より危険:米研究)。

今日は第6パラグラフから読んでいきましょう。*注 解説しやすいようにパラグラフに記号や文ごとに番号を入れる場合があります

Heading football more risky for women: report

Study says brain damage from headers 5 times more extensive in women than men
Published: 04:05 August 1, 2018

(6)①Players’ ages ranged from 18-50, and both groups reported a similar number of headings over the previous year. ②Men reported an average of 487 headings and women 469.

(7)The scans showed that “the volume of damaged white matter in women soccer players was five times greater than for male players,” according to the report.

解説

見出し

女子のヘディングは男子より危険:米研究
女子の方が男子の5倍のダメージ

第6パラグラフ
第1文

Players’ ages ranged from 18-50, and both groups reported a similar number of headings over the previous year.

主語はPlayers’ ages(選手の年齢)です。述語はranged from 18-50(15歳~50歳の範囲に渡ります)です。

andの文の主語はboth groups(どちらのグループも)で述語はreported(報告しました)です。

ここのboth(両方の)は「男女どちらも」という意味です。「何を報告したのか」はa similar number of headings (同じようなヘディングの回数)です。「いつの期間か」はover the previous year(昨年一年間に渡る)です。

訳:選手の年齢は、下は15歳で上は50歳でした。男女どちらのグループも、過去一年間でほほ同じ数のヘディングをしていました。

第2文

Men reported an average of 487 headings and women 469.

主語はMen(男子は)で述語はreported(報告した)です。「何を報告したのか」は an average of 487 headings(平均して487回のヘディング回数)です。

and women 469は省略があるので、元の文はWomen reported an average of 469 headings.(女子は469回のヘディングの回数でした)です。

訳:その回数は、男子は平均して487回、女子は469回でした。

第7パラグラフ

The scans showed that “the volume of damaged white matter in women soccer players was five times greater than for male players,” according to the report.

主語はThe scans(スキャニング)で述語は showed that(表しました)です。「何を表したのか」は引用句(“”)に囲まれた部分です。

引用元はaccording to the report(この報告書によれば)です。この部分の主語はthe volume(量)です。

「何の量か」は damaged white matter(白質の損傷)です。「誰に対するものか」は in women soccer players(女子のサッカー選手)です。

述語は was five times greater(5倍大きかった)です。「誰に比べてか」は than for male players(男子選手に比べて)です。

訳:この報告書によると、スキャニングでは「女子サッカー選手の白質の損傷の程度は男子サッカー選手よりも5倍もひどかった」ことを示しました。

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いかがでしょう。実験の中身が示されました。脳の損傷ついて、男女の差は5倍ということですが、その影響はどのくらいあるのでしょう?次回もしっかり読んでいきましょう。そのお楽しみに。

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2018年9月26日

第186回 「最先端科学・医療研究Ⅻ」その5

第186回 「最先端科学・医療研究Ⅻ」その5

今回も「最先端科学・医療研究」の分野を扱います。AFP配信2018年8月1日の記事Heading football more risky for women: study(女子のヘディングは男子より危険:米研究)。

今日は第8パラグラフから読んでいきましょう。*注 解説しやすいようにパラグラフに記号や文ごとに番号を入れる場合があります

Heading football more risky for women: report

Study says brain damage from headers 5 times more extensive in women than men
Published: 04:05 August 1, 2018

(8)The women had eight brain regions where white matter — which involves communication between different parts of the brain — were affected, compared to three in men.

(9)Researchers said the brain changes were “subclinical,” meaning the players did not report any altered thinking ability.

解説

見出し

女子のヘディングは男子より危険:米研究
女子の方が男子の5倍のダメージ

第8パラグラフ

The women had eight brain regions where white matter — which involves communication between different parts of the brain — were affected, compared to three in men.

主語はThe women(女性は)で述語は had eight brain regions(8つの領域を持っている)です。

ここに関係詞のwhere以下がかかりますが、ダッシュが2か所あるので、ここはいったん飛ばしましょう。するとwhite matter(脳の白質)が主語でwere affected(影響される)が述語であることがわかります。次の部分は分詞構文でcompared to ~で「~と比べて」です。

「何と比べるのか」はthree (3つの領域)です。in menは「男性の」です。

いったん飛ばしたところ— which involves communication between different parts of the brain —を見ましょう

まず関係代名詞whichの先行詞は直前のwhite matter(白質)です。involves communication は「コミュニケーションを含んで」です。between different parts of the brainは「脳の他の部分の間の」です。つまり「白質は脳の他の部位との連携をとる働きがある」ということを述べています。

訳:白質の働きには脳の他の部位と連携をとることを含んでいるのですが、この部位の損傷が男子の場合は3か所であったのに比べ、女子では8か所でした。

第9パラグラフ

Researchers said the brain changes were “subclinical,” meaning the players did not report any altered thinking ability.

主語はResearchers(研究者たち)で述語はsaid(述べている)です。「何を言っているのか」は次に書かれていますが、the brain changes(脳の変化)が主語で were “subclinical,”(「無症状」です)が述語です。 meaning~は「つまり~」です。

「言い換え」に使われます。言い換えの部分は主語がthe players(選手たち)で述語は did not report(報告しなかった)です。「何を報告しなかったのか」は any altered thinking ability(どんな変化した思考力)つまり「思考力の低下などの症状」ということです。

訳:研究者たちはこの脳の変化を「無症状」のものであると述べています。つまり、選手たちは思考力の変化について何の報告もしていません。

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いかがでしょう。脳が損傷を受けることの具体的な悪影響が書かれています。損傷への自覚症状がないことに危険メッセージを発しています。

また、さらなる症状も出てくるのでしょうか。そのあたりを注意して次回以降も読んでいきましょう。お楽しみに。

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2018年10月03日

第187回 「最先端科学・医療研究Ⅻ」その6

第187回 「最先端科学・医療研究Ⅻ」その6

今回も「最先端科学・医療研究」の分野を扱います。AFP配信2018年8月1日の記事Heading football more risky for women: study(女子のヘディングは男子より危険:米研究)。

今日は第10パラグラフから読んでいきましょう。*注 解説しやすいようにパラグラフに記号や文ごとに番号を入れる場合があります

Heading football more risky for women: report

Study says brain damage from headers 5 times more extensive in women than men
Published: 04:05 August 1, 2018

(10)But the changes remain a concern because they could be a precursor to further injury and brain damage, including cognitive decline and behavioural changes.

(11)“Before serious dysfunction occurs, it’s wise to identify risk factors for cumulative brain injury — such as heading if you’re female — so that people can act to prevent further damage and maximize recovery,” said Lipton.

解説

見出し

女子のヘディングは男子より危険:米研究
女子の方が男子の5倍のダメージ

第10パラグラフ

But the changes remain a concern because they could be a precursor to further injury and brain damage, including cognitive decline and behavioural changes.

主語はthe changes (この変化)で述語はremain(残している)です。「何を残しているのか」はa concern(懸念)です。 because以下にその理由が述べられています。precursor to ~は「~への前兆」です。「何への前兆か」はfurther injury and brain damage(さらなる負傷や脳の損傷)です。

次の部分は分詞構文です。including~は「~を含みます」です。 cognitive decline は「認識力の低下」でbehavioural changesは「行動変容」です。

訳:しかし、この変化は懸念材料なのです。それは、こうした変化によって認識力の低下や行動変容といったことも含んださらなる負傷や脳の損傷の前兆となるからです。

第11パラグラフ

“Before serious dysfunction occurs, it’s wise to identify risk factors for cumulative brain injury — such as heading if you’re female — so that people can act to prevent further damage and maximize recovery,” said Lipton.

この部分はセリフです。発言者はLipton(リプトンさん)です。発言の中身をみましょう。Before~は「~の前に」。serious dysfunctionは「深刻な機能障害」です。

次の部分はダッシュが2か所あるので、ダッシュに挟まれた部分を飛ばします。するとit’s wise to identify risk factors for cumulative brain injury so that people can act to prevent further damage and maximize recoveryという文になります。

この文で so that S can Vという「目的構文」を見つけられましたか?「SがVするために」と訳します。その部分を先に見ましょう。

so that people can act は「人が行動できるために」となります。次のto preventは「防ぐために」です。

「何を防ぐのか」はfurther damage(さらなる損傷)です。maximize recoveryの部分は先のtoからつながり「回復を最大限にするために」です。

it’s wise to identify risk factors for cumulative brain injuryの部分をみましょう。ここは仮主語・真主語の文です。to identifyは「認識するために」です。

「何を認識するのか」はrisk factors(危険因子)です・「何の危険因子か」は for cumulative brain injuryは「累積した脳の損傷」です。

あとはダッシュで囲まれた部分を見ましょう。 such as ~は「~のような」です。if you’re femaleは「もしあなたが女性なら」です。

訳:リプトン教授は「もしあなたが女性なら、さらなる損傷を防ぎ回復を最大限にするためにはヘディングのような脳への累加的な損傷に対する危険因子を、機能障害が起きる前に認識することが賢明です」と述べています。

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いかがでしょう。危険な行為に対して無自覚であれば、それを放置してさらなる危険が降りかかる可能性が高いということです。単なるヘディングから脳損傷・機能障害という流れは怖いですね。次回もこの続きをよみましょう。お楽しみに。

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2018年10月10日

第188回 「最先端科学・医療研究Ⅻ」その7

第188回 「最先端科学・医療研究Ⅻ」その7

皆様こんにちは。横浜にある医学専門予備校:エースメディカルみなとみらい代表の峰岸です。よろしくお願いいたします。

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ここでは新聞、雑誌などの時事英語のなかから医学部受験に出題されやすいテーマを取り上げていきます。今回も「最先端科学・医療研究」の分野を扱います。

AFP配信2018年8月1日の記事Heading football more risky for women: study(女子のヘディングは男子より危険:米研究)。今日は第12パラグラフから最後まで読んでいきましょう。

*注 解説しやすいようにパラグラフに記号や文ごとに番号を入れる場合があります

Heading football more risky for women: report

Study says brain damage from headers 5 times more extensive in women than men
Published: 04:05 August 1, 2018

(12)The study gave no formal reasons for the differences, but some experts suggest that neck strength, sex hormones or genetics could be to blame.

(13)About 30 million women and girls play soccer worldwide, according to the International Federation of Association Football, known as FIFA.

解説

見出し

女子のヘディングは男子より危険:米研究
女子の方が男子の5倍のダメージ

第12パラグラフ

The study gave no formal reasons for the differences, but some experts suggest that neck strength, sex hormones or genetics could be to blame.

主語はThe study (この研究)で、述語はgave no formal reasons(公式な理由を示していない)です。「何に対する理由か」は for the differences(この違い)です。but以下にもう一文ありますが、ここの主語はsome experts(何人かの専門家)です。

述語はsuggest that~(~を示している)です。

「示しているものは何か」は、この部分の主語がneck strength(首の強度), sex hormones(性によるホルモンバランス) or genetics(または遺伝的なもの)で、述語がcould be to blame(悪いのかもしれない)です。be to blameは「~が悪い」と訳しますがここでは「悪い結果の原因」という意味で使っています。

訳:今回の研究ではその原因を正式には示していませんが、専門家のなかにはその原因として首の強度の違いや性によるホルモンバランスの違い、または遺伝的なものであることを示唆する者もいます。

第13パラグラフ

About 30 million women and girls play soccer worldwide, according to the International Federation of Association Football, known as FIFA.

主語はAbout 30 million women and girls(およそ3千万人の成人女性や女子)です。述語は play soccer worldwide(世界中でサッカーをします)です。

次のaccording to ~「~によると」です。the International Federation of Association Footballは「国際サッカー連盟」です。known as FIFAは「FIFAとして知られている」です。

訳:FIFA(国際サッカー連盟)によると、女子のサッカー競技人口は世界中で約3千万人であるということです。

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いかがでしょう?今回でこの記事はおしまいです。ヘディングによる潜在リスクが明らかになりました。興味深い考察ですね。次回も入試で狙われそうな最新トピックスを読んでいきましょう。お楽しみに。

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2018年10月17日

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プロフィール

峰岸敏之

早稲田大学大学院法学研究科卒業後、大手新聞社で記者を経験し、講師へ転向する。大手予備校の河合塾をはじめとした有名予備校や医学系予備校などで、英語科責任者などを担当。

15年以上に渡って高校生や高卒生を指導した経験を活かし、2013年に「絶対合格」を合言葉に医学部専門予備校、エースメディカルみなとみらいを横浜に開校。代表を務めながらも自ら英語・小論文を指導し、毎年多くの医学部合格者を輩出している。

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