不正入試発覚後の医学部入試の男女比率はどう変わったのかを合格率推移をもとに検証しています。

【女子差別問題】医学部の合格率推移を男女比率で解説

医学部の基礎知識

医学部入試合格率の推移と男女比率を解説!女子差別は改善された?
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医学部受験に向けて情報収集するなかで、各大学の入試合格率が気になる方は多いでしょう。

医学部入試においては近年「女性差別」と捉えられる問題が明るみとなり、文部科学省は入学者選抜の公正を確保するための対応を各大学に明示しました。

ニュースなどでも大きく取り上げられた医学部入試の女性差別は改善されたのでしょうか。

この記事では、過去3年間における医学部入試合格率の推移と男女比率をわかりやすくまとめています。医学部合格を目指している受験生の参考になれば幸いです。

医学部入試合格率の推移

医学部入試合格率の推移
文部科学省が公表している資料をもとに、医学部入試合格率の推移をまとめました。

国立大学

国立大学における過去3年間の医学部入試合格率の推移は以下のとおりです。

大学名 2022年度 合格率(%) 2021年度 合格率(%) 2020年度 合格率(%)
北海道大学 31.5 31.8 28.5
旭川医科大学 32.6 27.7 18.1
弘前大学 27.6 38.9 29.5
東北大学 33.3 29.8 29.8
秋田大学 35.6 34.0 29.2
山形大学 22.5 31.5 27.2
筑波大学 27.5 29.8 30.9
群馬大学 43.4 36.5 33.5
千葉大学 38.6 35.7 34.1
東京大学 29.1 28.7 29.9
東京医科歯科大学 33.8 28.8 31.5
新潟大学 31.9 34.6 28.1
富山大学 44.1 29.5 28.1
金沢大学 47.7 47.7 39.0
福井大学 31.6 34.2 32.1
山梨大学 45.0 33.5 38.4
信州大学 31.3 32.3 33.0
岐阜大学 22.5 23.4 20.0
浜松医科大学 34.6 32.7 33.2
名古屋大学 71.3 31.0 35.0
三重大学 32.1 31.7 36.4
滋賀医科大学 29.9 31.5 32.5
京都大学 43.5 36.2 34.4
大阪大学 37.4 39.6 29.1
神戸大学 42.7 40.7 43.0
鳥取大学 39.8 28.0 16.1
島根大学 19.7 23.1 20.3
岡山大学 27.8 28.5 27.0
広島大学 19.1 24.1 24.8
山口大学 34.6 25.8 24.1
徳島大学 54.0 43.0 59.2
香川大学 30.9 27.8 23.3
愛媛大学 23.1 24.1 19.4
高知大学 27.3 24.9 22.0
九州大学 41.6 42.8 40.9
佐賀大学 31.8 30.7 27.5
⾧崎大学 28.8 29.7 33.5
熊本大学 23.5 31.9 20.3
大分大学 44.2 46.6 22.4
宮崎大学 29.2 27.9 34.6
鹿児島大学 36.0 34.5 28.4
琉球大学 24.8 29.2 30.0

参考:文部科学省『医学部医学科の入学者選抜における公正確保等に係る調査について』
(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/senbatsu/1409128.htm)

国立大学医学部では二段階選抜方式が取られており、二次試験の受験者数を制限する「足切り」がおこなわれる可能性があります。

足切りのボーダーは大学によって異なるものの、60〜80%程度が多く、このラインに届かなければ二次試験に進むことはできません。

さらに国立大学は前期日程・後期日程で1校ずつしか受験できないため、合格難易度は非常に高いといえるでしょう。

公立大学

公立大学における過去3年間の医学部入試合格率の推移は以下のとおりです。

大学名 2022年度
合格率(%)
2021年度
合格率(%)
2020年度
合格率(%)
札幌医科大学 34.6 36.8 28.8
福島県立医科大学 30.8 30.5 38.9
横浜市立大学 44.9 42.4 41.4
名古屋市立大学 57.2 35.2 41.5
京都府立医科大学 38.8 40.1 43.1
大阪公立大学 61.5 36.8 38.0
奈良県立医科大学 22.7 21.0 17.2
和歌山県立医科大学 39.8 41.0 54.2

参考:文部科学省『医学部医学科の入学者選抜における公正確保等に係る調査について』
(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/senbatsu/1409128.htm)

国立大学と同じく、公立大学でも二次試験の受験者数を制限する「足切り」をおこなう大学があります。

公立大学には前期と後期の間に実施する「中期日程」がありますが、残念ながら医学部で中期日程をおこなっている大学はないようです。

公立大学は数が少なく小規模の大学が多いものの、医学部入試の合格率だけを見ると国立大学よりも高い傾向があります。

私立大学

私立大学における過去3年間の医学部入試合格率の推移は以下のとおりです。

大学名 2022年度
合格率(%)
2021年度
合格率(%)
2020年度
合格率(%)
岩手医科大学 12.4 12.0 10.2
東北医科薬科大学 20.5 21.1 20.0
自治医科大学 7.6 7.3 4.7
獨協医科大学 7.0 8.2 7.9
埼玉医科大学 5.8 6.2 5.3
国際医療福祉大学 10.9 11.4 10.3
杏林大学 13.3 12.8 6.1
慶應義塾大学 17.8 19.6 13.9
順天堂大学 9.0 8.6 8.5
昭和大学 7.9 6.9 7.0
帝京大学 3.5 2.9 3.5
東京医科大学 14.3 15.2 12.1
東京慈恵会医科大学 14.7 16.1 21.9
東京女子医科大学 19.0 23.7 23.21
東邦大学 10.9 10.7 5.0
日本大学 9.3 9.8 6.4
日本医科大学 6.8 6.5 14.7
北里大学 17.3 23.1 13.8
聖マリアンナ医科大学 6.4 9.1 8.0
東海大学 7.0 5.9 5.2
金沢医科大学 4.4 6.7 5.5
愛知医科大学 15.8 13.1 10.2
藤田医科大学 14.1 11.8 10.0
大阪医科薬科大学 12.7 11.2 7.9
関西医科大学 11.5 10.1 14.9
近畿大学 8.1 7.0 7.0
兵庫医科大学 14.3 13.6 12.7
川崎医科大学 16.5 16.2 7.9
久留米大学 8.6 6.9 6.5
産業医科大学 11.1 12.0 7.8
福岡大学 10.7 10.0 4.9

参考:文部科学省『医学部医学科の入学者選抜における公正確保等に係る調査について』
(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/senbatsu/1409128.htm)

私立大学の一般選抜では共通テストの受験が必要なく、日程が被らなければ何校でも受験できます。

そのため、私立大学医学部の受験者数は国公立と比べると非常に多く、当然ながら倍率や合格率も高くなります。

合格率だけを見ると私立大学の難易度が高いように感じますが、名目上の競争率が高くなっているだけと考えてよいでしょう。

医学部入試合格率の男女比率の推移

医学部入試合格率の男女比率の推移
文部科学省では各大学の医学部入試情報を取りまとめ、合格率の男女比率を公表しています。

各大学の合格率を参照する際は、全体と男女比率の両方を見ておくとよいでしょう。

過去3年間における医学部入試合格率の男女比率は以下のとおりです。

【男性】医学部入試合格率の推移

大学種別 2022年度
男性合格率(%)
2021年度
男性合格率(%)
2020年度
男性合格率(%)
国立大学 33.2 32.0 30.2
公立大学 39.1 33.8 37.8
私立大学 10.1 9.5 8.6
合計 14.2 13.5 12.6

参考:文部科学省『医学部医学科の入学者選抜における公正確保等に係る調査について』
(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/senbatsu/1409128.htm)

【女性】医学部入試合格率の推移

大学種別 2022年度
女性合格率(%)
2021年度
女性合格率(%)
2020年度
女性合格率(%)
国立大学 29.9 30.3 26.4
公立大学 32.5 32.1 29.4
私立大学 9.8 10.4 8.6
合計 13.1 13.6 11.4

参考:文部科学省『医学部医学科の入学者選抜における公正確保等に係る調査について』
(https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/senbatsu/1409128.htm)

医学部入試合格率における男女比率(男女別合格率)

2022年度・・・男性:14.2%、女性:13.1%
2021年度・・・男性:13.5%、女性:13.6%
2020年度・・・男性:12.6%、女性:11.4%

過去3年間の男女比率を見ると、2022年度は男性、2021年度は女性、2020年度は男性の方がそれぞれ合格率が高くなっています。

どちらかといえば男性の合格率が高いものの、男性もしく女性のどちらか一方に大きく偏ることはないようです。

2021年度入試で男女比率が初めて逆転

2021年度入試で男女比率が初めて逆転
2021年度の医学部入試合格率は、男性13.51%、女性13.60%でした。

データがある2013年以降の医学部医学科入試において、女性の合格率が男性を上回るのは初めてのことです。

医学部入試の女子差別を文科省が調査

2018年に明るみとなった東京医科大学の不正入試問題。

大学側が不当に点数を操作し女子の合格者を抑える「女性差別」がおこなわれていた問題で、文部科学省が医学部医学科を置くすべての大学を対象に緊急調査を実施しました。

問題となった女子差別は改善の傾向あり

不正入試問題を経て、文部科学省は医学部医学科入試における男女別合格率を公開。

性差別的な点数操作を受けた被害者の救済と再発防止を目的とした「医学部入試における女性差別対策弁護団」も結成されるなど、医学部入試で問題となった女性差別は改善の傾向が見られます。

不当な女性差別は決して許されるものではなく、医学部入試の公正確保においては今後も社会から厳しい目が向けられるでしょう。

まとめ

今回は医学部医学科の合格率推移を男女比率で紹介してきました。

不正入試問題で女性差別が発覚しましたが、2021年度は女性の合格率が男性を上回る結果になるど、医学部入試の合格男女比率を直近の推移で確認すると改善傾向にあります。

ただし、いつまでのこの状況が続くかは分かりません。

女子受験生は改善傾向にある今のうちに医学部合格を実現することをおすすめします。

 
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