医学部は様々な推薦入試を設けているので受験機会を増やすことが可能です。

医学部の推薦入試

医学部受験対策

医学部の推薦入試
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現役生や浪人経験が少ない若い受験生を好む医学部は増えていること、そして、地元の医師確保を目的として入試で推薦枠を増やす大学が増加しています。

推薦は、私立・国公立ともに多くの大学で実施されており、難関医学部に合格するための1つの方法です。

ここでは、医学部の推薦入試の概要やおすすめの対策方法など詳しく解説していきます。

当記事の監修者:新美暖

  • 在籍大学:名古屋大学
  • 出身高校:東海高校

現在、名古屋大学医学部医学科3年生で、興味のある科は麻酔科。受験時代は防衛医科大学校、東京慈恵会医科大学、日本医科大学にも合格し、名大模試では全国1位。得意科目は数学・物理。中学受験指導の家庭教師も行っており、生徒を東海、滝、名古屋、愛知、同志社などの難関中学に合格させる。

当記事の監修者:新美暖

  • 名古屋大学
  • 出身高校:東海高校

現在、名古屋大学医学部医学科3年生で、興味のある科は麻酔科。受験時代は防衛医科大学校、東京慈恵会医科大学、日本医科大学にも合格し、名大模試では全国1位。得意科目は数学・物理。中学受験指導の家庭教師も行っており、生徒を東海、滝、名古屋、愛知、同志社などの難関中学に合格させる。

医学部を推薦入試で合格するという選択肢

医学部には他学部と同じように一般入試の他に推薦入試が設けられています。

推薦入試のメリットは、一般入試よりも前に実施されるため合格すれば早期に受験生活を終わらせることが可能です。

また、高校の評定平均が高く設定されており難易度も上がりますが、例え不合格でも一般入試で再度挑戦できるので受験機会を増やすことが可能です。

推薦入試は現役生だけが出願できると思われがちですが、医学部の場合は1浪や2浪まで出願できる大学もあるので、高卒生も積極的に受けることをおすすめします。

特に、国公立なら新潟大学が3浪まで、私立の川崎医科大学なら4浪まで出願資格が与えられているので、高卒生も選択肢の1つとして検討するべきです。

一般的に推薦入試は小論文と面接の試験内容となっていますが、共通テストを取り入れる医学部も国公立を中心に多くあるので、試験内容は早めに確認しておきましょう。

推薦入試の定員が増加傾向

医学部医学科では推薦の定員を増やす大学が増加しているのが最近の傾向です。

これに伴い一般入試の定員が減少しているため、推薦入試に出願できる高校生や浪人1年目などの受験生は積極的に挑戦することをおすすめします。

2021年度入試でも、国公立では弘前大学名古屋市立大学の2大学で推薦入試の定員枠が増加します。

推薦入試の種類

推薦入試としては公募推薦、指定校推薦、AO入試の種類がありましたが、2020年度から名称や入試の仕組みが変わります。

これまでの公募推薦および指定校推薦は「学校推薦型選抜」へ、AO入試は「総合型選抜」へと変更になるので注意しましょう。

また、名称の変更意外にも様々な部分で以前の推薦入試と違いが生じますが、大きな変更点は全ての推薦で学力試験が課されるようになったことです。

医学部医学科の場合はもともと学力試験を実施するのが一般的だったのでそこまで大きな影響はありませんが、それぞれの選抜試験について確認していきましょう。

旧名称 新名称
公募推薦 学校推薦型選抜
指定校推薦
総合型選抜 総合型選抜

学校推薦型選抜(旧公募推薦)

学校推薦型選抜は旧公募型と旧指定校型が一緒になって1つの名称で呼ばれるようになりました。

公募推薦型とは、評定平均など大学が提示する出願条件をクリアしていれば誰でも受験できる推薦入試です。

出願の際は、出身高校の校長から推薦を受ける必要があります。

評定平均は5段階評価で4.3以上は要求されることが多く、一般入試よりも難易度は高いです。

公募推薦の詳細はこちら

学校推薦型選抜(旧指定校推薦)

学校推薦型選抜という名称になっても指定校推薦が無くなるわけではありません。

指定校推薦とは、大学が指定した高校だけが出願できる入試制度です。

大学から高校へ直接情報がいくため、公式サイトなどでは公開されていません。

高校の進路部や担任に確認することでどこの大学が出願できるかを確認できます。

まず、校内で選考があり、通過できれば大学の指定校推薦を受けることが可能です。

公募推薦に比べて合格率が高いのが特徴で、出願できるならぜひ受けておきたいところです。

総合型選抜(旧AO入試)

AO入試(アドミッションズ・オフィス入試)とは、私立大学で多く見受けられる推薦入試制度であり、大学独自の基準で合否が決められます。

こちらは、2020年度から総合選抜という名称に変わるので注意しましょう。

AO入試の時は学科試験で合否が決まる一般入試と違い、一芸や自己推薦などで大学側が求める人物像であるかが合否に影響してきます。

しかし、総合選抜では2021年度以降、筆記試験や共通テストなどの学力試験が必須になります。

ただし、医学部医学科の場合、AO入試の時代からセンター試験や筆記試験を取り入れていたことが多いので、大きく変わることはありません。

AO入試の詳細はこちら

地域枠

地方や僻地の医師不足解消を目的に近年積極的に取り入れられている試験方法として、「地域枠」と呼ばれる医学部医学科特有の入試制度があります。

合格すれば学費に相当する修学資金を受給することができる代わりに、卒業後は指定された医療機関で9年間勤務することが条件の入試。

地元出身者枠だけでなく、県外出身者でも出願できる地域枠もあります

私が所属している名古屋大学医学部医学科も地域枠制度があり、地域枠で入った同期たちは夏休みなどに愛知県内の医学部の、同じ地域枠仲間とセミナーに参加したりしています。

地域枠入試の詳細はこちら

利用大学の一覧

推薦入試を実施している医学部を種類別に一覧でまとめて紹介しています。

なお、大学入試情報は変更する場合もあるので、最終的には必ず公式サイトで確認するようにしてください。

私立大学医学部(2021年度入試)

大学名 公募推薦 指定校推薦 AO 地域枠 備考
岩手医科大学医学部
国際医療福祉大学医学部
東北医科薬科大学医学部 一般入試でA・B方式の地域枠あり
自治医科大学医学部 全学生が対象
獨協医科大学医学部
埼玉医科大学医学部
杏林大学医学部
慶應義塾大学医学部 指定校は付属校推薦
順天堂大学医学部
昭和大学医学部 指定校推薦は特別協定校のみ
帝京大学医学部
東京医科大学医学部
東京慈恵会医科大学医学部
東京女子医科大学医学部
東邦大学医学部 指定校は付属校推薦
日本大学医学部
日本医科大学医学部
北里大学医学部
聖マリアンナ医科大学医学部
東海大学医学部
藤田医科大学医学部
愛知医科大学医学部
金沢医科大学医学部
大阪医科大学医学部
関西医科大学医学部
近畿大学医学部
兵庫医科大学医学部 地域枠に就労義務なし
川崎医科大学医学部 指定校は付属校推薦
久留米大学医学部
産業医科大学医学部
福岡大学医学部 指定校は付属校推薦

国公立大学医学部(2021年度入試)

大学名 公募推薦 AO(総合選抜) 地域枠
北海道大学
札幌医科大学
旭川医科大学
弘前大学
東北大学
秋田大学
山形大学
福島県立医科大学
筑波大学
群馬大学
東京医科歯科大学
東京大学
千葉大学
横浜市立大学
山梨大学
浜松医科大学
新潟大学
富山大学
福井大学
金沢大学
信州大学
岐阜大学
名古屋大学
名古屋市立大学
三重大学
奈良県立医科大学
滋賀医科大学
京都大学
京都府立医科大学
大阪大学
大阪市立大学
和歌山県立医科大学
神戸大学
岡山大学
広島大学
鳥取大学
島根大学
山口大学
徳島大学
香川大学
高知大学
愛媛大学
九州大学
長崎大学
佐賀大学
大分大学
熊本大学
宮崎大学
鹿児島大学
琉球大学

※地域枠は一般入試・公募推薦を含む

医学部の推薦入試を受けるメリット


推薦入試は一般入試に比べて難易度が高いと敬遠しがちですが、受験するメリットは意外と沢山あります。

まず、試験科目は一般的に、国公立の場合はセンター試験と小論文、私立の場合は英語・数学・理科1科目・面接で構成されています。

一般入試と比べて試験科目が少なく、対策に充てる負担を軽減できる可能性があります。

特に、小論文や面接が得意な人であれば、学科試験中心の一般入試に比べて高得点を得やすくなっています。

また、推薦入試はたいてい平均評定を4.3以上と高く課しているため、出願する人数が圧倒的に少なく、倍率は一般入試に比べて非常に低いです。

さらに、地域枠であれば地元出身者に限定されていることも多いので更に倍率は低くなるうえ、卒業後の進路が制限されることから一般入試よりも難易度が下がる大学もあります

受験科目が少ない、あるいは倍率が低いからと言って合格が容易になることはありませんが、一般入試と併用させることで合格のチャンスを増やすことが可能です。

まとめ

推薦入試も大きく変わり、今後は学校推薦型選抜と総合型選抜という名称になり実施されます。

学力試験が推薦入試でも必須になりますが、医学部医学科の場合は以前から実施されているので、今後も共通テストや筆記試験対策が合格に大きく影響してくることは言うまでもありません。

医学部の場合は推薦だからと合格するのが簡単という訳ではないので、専門予備校などの講座を活用して質の高い対策を行うことが合格するためには非常に重要になってきます。

 
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