医師の仮免許と呼ばれるCBTは臨床実習に参加するために全医学部生が4年次に受験する共用試験で、合格するためにしっかりと対策することが重要です。

医学部の共用試験CBT対策

医学部の基礎知識

医学部の共用試験CBT対策
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医学部に入学して最初のハードルが4年生に受験する共用試験の1つCBTではないのでしょうか。

忙しい大学の勉強と並行してCBT対策が必要になるため、なかには不合格になってしまう医学部生もいます。

そこで今回は、医学部生が受験するCBTの内容とおすすめの対策方法について詳しく解説していきます。

医学部をこれら目指す受験生や医学部生の方はぜひ、こちらの参考にしてCBT対策に役立てて下さい。

臨床実習の登竜門!医学部で受験必須のCBTとは

CBTとは、臨床実習の前に全国の医学部生が受験する共用試験で、出題範囲は1年生から4年生までに勉強した内容と非常にボリュームがあります。

医学部の4年生の時にCBTを受験し、合格すると臨床実習に参加することが可能です

実施時期は大学のカリキュラムによって異なりますが、4年生の8月から2月にかけて実施する大学が多く、なかには3年生後半に実施するところもあります。

医学部に入って医師になるための最初の関門とも言えるくらい重要な試験となっています。

なお、CBTの試験は医学部で実施される通常の試験のような筆記ではなく、パソコン上で受験するのが特徴です。

CBTは単に医学部で臨床実習に参加するだけの試験ではありません。

成績はマッチング試験の際に聞かれるケースもあるので、しっかりと対策を行い好得点を取っておきたいところです。

OSCEとは

医学部ではCBTの他にOSCE(オスキー)と呼ばれる共用試験も実施されています。

CBTが学力判定のテストであるいっぽう、OSCEは実技試験です。

医療面接・診察・外科手技など臨床に必要なスキルの確認が行われます。

CBTとOSCEは医師になるための仮免許のような位置づけであり、両方に合格しないと臨床実習に参加できません。

対策前に知っておく医学部のCBT概要

CBTは全部で6つのブロックに構成されており、1ブロック60分で6時間に及ぶ長時間の試験を1日で受験することになるので、なかなかハードな試験です。

出題形式は五肢択一式、多肢択一式、など全て選択肢を選ぶ出題形式となっています。

ブロック 出題形式 問題数 試験時間
1 5肢択一 60 60分
2 5肢択一 60 60分
3 5肢択一 60 60分
4 5肢択一 60 60分
5 多選択肢択一 40 60分
6 順次解答型4連問 40 60分

なお、CBTでは合計320の問題が出題されますが、そのうち240問が「プール問題」、80問が「新作問題」で構成されています。

プール問題は、以前も出題されたことのある問題のことで、新作問題は今回のCBTで始めて出題される問題です。

採点対象となるのはプール問題となる240問だけなので、しっかりと過去問対策の勉強をしておけば点数が取れる試験となっています。

ブロック1から5までは、制限時間内なら見直しが可能なので、前の問題に戻ってケアレスミス対策を行いましょう。

ブロック6の順次解答型4連問とは、1つの症例に対し、4つの問題が連続で出題される形式のことです。

こちらは、前の問題には戻れないので注意して解いていきましょう。

解き方

CBTは、パソコン上で問題を解いていきます。

出題される問題は医学部生一人ひとり違いますが、難易度は全員が同じになるように調整されているのが特徴

難問が出題される場合もありますが、この場合は新作問題である可能性が高く採点対象外なので心配する必要はありません。

ちなみに正答率に低い新作問題はプール問題の対象とならず、次年度以降は出題されない仕組みとなっています。

良問で採点対象となるプール問題を冷静かつ確実に正答していきましょう。

問題の出題範囲

CBTの出題範囲は、文部科学省が定めた「モデル・コア・カリキュラム」に基づいて問題が出題されます。

項目 内容
A:基礎事項 ”医師たる者”の基本、医療倫理など
B:医学・医療と社会 保健医療、公衆衛生
C:医学一般 いわゆる基礎・生理・生化・薬理など
D:人体各器官の正常構造と機能・病態・診断・治療 各臓器疾患
神経や循環器から産婦、眼、精神まで
E:全身におよぶ生理的変化・病態・診断・治療 全身におよぶ疾患や病態
感染症、腫瘍、救急、小児、法医学など
F:診療の基本 診察・診断の方法や技術

正答率と合格基準

採点対象のプール問題240問から正答率が計算されます。

CBTは正答率90%を超える医学部生もいるので、ちゃんと勉強していれば高得点が目指せる共用テストです。

また、正答率のほかにIRT(Item Response Theory)と呼ばれる項目反応理論の結果が、受験後約2,3週間程度で返却されます。

このIRTが合格基準の指標となっており、平成27年度以降はIRT359(約65%の正答率)以上と定められていますが、医学部によってはIRT359以上の基準を設けている場合もあるようです

ちなみにIRTは、正答率だけでなく問題の難易度や統計理論に基づいて計算された得点方式となっています。

IRT359未満の場合、23.6%の医学部生が医師国家試験に失敗しているというデータもあるので、CBTの結果がいかに重要であるか理解できるかと思います。

不合格だった場合の措置

CBTの共用試験では、医学部によって合格基準は異なりますが、一般的にIRT359以上となっています。

したがって、IRT359に届かなかった場合は通常医学部4年生後半から5年生にかけて始まる臨床実習に参加できません。

この場合、CBTで不合格になると進級できずに留年、または追試のいずれかになります。

ただし、CBTで不合格になる医学部生はほんの一握りであり、ここで合格できないと今後の実習や卒業後の医師国家試験で苦労することになるので、真面目に対策を行い合格基準を満たすようにしましょう。

おすすめの勉強法・対策法

CBTの試験対策をいつから始めるべきか疑問に思っている医学部生や受験生も多いと思います。

個人によって異なりますが、3ヶ月間という期間が一つの目安のようです。

ただし、学力には個人差があるため、半年前から対策を徐々に始めた学生もいれば、1ヶ月前から始めた学生もいるなど様々。

対策時間はあるに越したことはないので、なるべく早く勉強を開始し、落ちることの内容に気をつけましょう。

書籍は「クエスチョン・バンク」シリーズがおすすめ

医学部生の多くがCBT対策で利用する書籍がメディックメディアが販売しているクエスチョン・バンク(QB)という参考書です。

QBの問題集は全部で5冊あり、約4000題と非常にボリュームが多いですが、医学部生はこれを何度も繰り返し解いて勉強するのが主流となっています。

高得点を取る医学部生はQBの問題集を2,3週は繰り返し勉強するのが一般的

また、同社から販売されている「病気が見える」とう参考書も非常に人気で、こちらで不明点や間違えた箇所は確認していくと良いでしょう。

CBT対策は臨床科目の勉強からがおすすめ

CBTの出題範囲は上記でも確認した通り、基礎医学や社会医学など幅広い分野から出題されますが、最も多いのは臨床科目です。

臨床科目だけで63%の出題率を占めているため、CBTの勉強開始が遅れ対策時間が少ないという医学部生は臨床科目の勉強から始めると良いでしょう。

項目 内容 出題率
A:基礎事項 ”医師たる者”の基本、医療倫理など 4%
B:医学・医療と社会 保健医療、公衆衛生 8%
C:医学一般 いわゆる基礎・生理・生化・薬理など 20%
D:人体各器官の正常構造と機能・病態・診断・治療 各臓器疾患
神経や循環器から産婦、眼、精神まで
35%
E:全身におよぶ生理的変化・病態・診断・治療 全身におよぶ疾患や病態
感染症、腫瘍、救急、小児、法医学など
28%
F:診療の基本 診察・診断の方法や技術 5%

上記の項目でいうとDとEが診療科目に該当するので、こちらから対策するのが効率的です。

予備校などの対策講座

クエスチョン・バンクシリーズの勉強がなかなか計画通りに進まない、あるいは抜けている知識が多すぎる場合はCBTの試験対策を指導している予備校に通う医学部生も多いです。

医師国家試験などの受験対策を実施している予備校では、CBTの講座を用意しています。

有名どころだと、MEC(メック)、TECOM、Q-Assist、medu4などです。

通学でなくてもネットで簡単に受講できる映像授業やビデオ講座なら動画を倍速で視聴できるため、学習効率も高くなります。

また、実績豊富な講師がCBT対策を分かりやすく指導してくれるので、短期間で高い正答率を出す医学部生も多いです。

CBT模試で実践経験を積む

最後に模試を受験してCBT本番を想定した環境下で対策可能です。

CBTは筆記ではなく、パソコンで受験するため、問題形式や解き方に慣れておくことが大切。

模試は予備校で実施していることもあれば、QB購入特典やマイナビなど無料で解けるサービスもあるので、上手く活用すると良いでしょう。

 
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