あらゆる大学入試の対策において重要になってくるのが志望大学の過去問の演習。
当然、難度の高い医学部受験においても志望校対策という意味では過去問演習はとても効果的です。
しかし、過去問演習でただ過去問を解いておおよその点数を出すだけでは、決して過去問を最大限に活かしきれてないことをご存じですか?
今回は各大学の過去問をどのように演習すれば、より効果的な過去問対策になるかを見ていきたいと思います。
医学部大学受験における過去問のおすすめの攻略方法
医学部の大学受験をする上で、過去問を利用して学習することは、効率的に志望校の受験対策ができる手段としてセオリーとなっています。
もちろん、これは各学部や偏差値に限らず同じこと。
なぜなら、大学受験の過去問には、各大学医学部の出題傾向や難易度、偏差値を知る上で必要な情報が載っており、毎年同様の出題がなされるからです。
私立大学医学部の一般入試や国公立大学医学部の2次試験は、試験作成者があまり変わることはなく、また、変わったとしても同じようなフォームで作成されるので、傾向をつかんでおくと似たような問題が出題されることがよくあります。
各大学において、ある分野の知識を重視する内容が表れているのが過去問であり、この過去問を通してのみ大学側が欲している学生像を把握できます。
繰り返し解く
先に説明しましたが、入試問題の作成者はそんな頻繁には変わることはありません。
また、入試問題の作成者が変わったとしても、大学が求める人材自体は変わることはないので、入試問題にはその意向に沿って作られることが多いです。
したがって、入試問題の傾向や形式、時間配分などが大きく変わることはないので、これらを過去問演習から感じ取ることが必要不可欠です。
そのためには各大学の過去問を繰り返し解くとよいでしょう。
繰り返し解くことで入試問題の傾向・形式に慣れることができますし、時間配分はどれくらいなら間に合うかも分かります。
間違えた分野を参考書を使って復習
特に難易度の高い医学部の入試問題で過去問を解いていて全問正解という人はいないでしょう。
過去問演習で重要になってくるのは、間違えた問題を放置せず、いかに自分にプラスにするかです。
過去問で間違えた問題に似た問題や、同じ分野の問題を、今まで使用していた参考書や問題集を通して再度復習することで、自分の「穴」を埋めていけます。
また数学や英語は受験後半になると何をやればいいのかわからなくなる学生も多いので、過去問を通じて自分の苦手ポイントを洗い出して、どんどん苦手をつぶしていくイメージで演習をするとよいでしょう。
各大学の科目ごとの対策を意識する
国公立大学医学部・私立大学医学部のどちらにもいえますが、一般入試の場合は各科目ごとに点数にばらつきがあります。
したがって、大学別に力を入れる科目を分けると効果的といえるでしょう。
また、京都府立医科大学医学部や滋賀医科大学医学部のように数学の難易度が非常に高すぎる場合は逆に差がつかないともいえるので、他の科目で取りに行くようにするのも対策の一つです。
また、国際医療福祉大学医学部のような英語に重きを置いているような大学入試形式では英語が苦手な学生は不利になるので、数学・理科で高得点を狙うなどそういった柔軟な対策も過去問演習を通じて得るべきです。
いつから、何年分問題を解いて対策すればいい?
医学部の大学受験をするにあたって過去問をいつから解き始めればいいのか、というのは誰しも悩むところだと思います。
まず、受験したい医学部が決まっている場合は、その大学の過去問はなるべく早めに目を通しておくと良いでしょう。
早い人だと高校1年生の段階で大学受験の過去問に目を通していた人もいるようです。
なぜ早めに受験したい医学部の過去問に目を通しておいた方がいいかというと、その大学の医学部ではどの科目に何問くらい出題されて、どの分野の問題がよく出題されているかなど、各大学ごとに異なる出題傾向を過去問から読み解くことができるからです。
また、過去問によってはその大学の出題傾向の分析が記載されている場合もあるので、受験したい医学部の分析をするのにも過去問は利用できます。
実際に医学部を受験するのは高校3年の冬なので、早い段階で過去問の問題を見てもわからない問題ばかりだと思いますが、これから学習する内容が試験で出るとわかっていると授業を受ける時や勉強をする時のモチベーションにもなります。
実際に過去問を解き始めるのは高3の春~夏ごろが多い
では、実際に医学部の過去問の問題を解き始めるのはいつ頃が多いのかというと、だいたい高3の春~夏くらいまでには、志望大学の過去問を一度は解いている人が多いようです。
もちろん、国公立大学医学部の場合は、センター試験次第でどの大学を受験できるかが変わってしまいます。しかし、第一志望の医学部や受験する可能性のある大学の過去問は、センター試験の前から少しでも問題を解いておきましょう。
センター試験の後からでは、私立大学の入試もあるので、国公立大学の出願までに医学部の過去問をあまり解くことができません。
最低でも高3の12月くらいまでに志望大学、受験するかもしれない医学部の過去問は一度解いておくと良いでしょう。
受験する医学部の過去問は最低3年分は解いて勉強する
実際に医学部受験をした人たちは、志望大学の過去問は2~3年分は解いていたようです。
東京大学や京都大学、大阪大学などは、過去問を10年分や20年分集めたものを販売していたりしますが、それ以外の国公立大学医学部、特に、地方の医学部では過去問を集めるのはなかなか難しいです。
そのため、そもそも2~3年分しか過去問を解けないというケースもあります。その場合は、受験する医学部以外の大学を比較して出題傾向の似ている問題を解くようにしましょう。
過去問を解いてもその大学で全く同じ問題が出る可能性はほとんどありません。
そのため、他大学で出題傾向の似ている問題を解くことが、試験の本番対策にもなり得ます。
塾や医学部予備校の講師に志望校と問題の出題傾向が似ている大学を教えてもらって、その大学の問題もぜひ解いてみましょう。
過去問を解いて、志望大学や受験する医学部の傾向がつかめたなら、過去問以外でも同じ傾向の問題を多く解くのも良い方法です。
大学によってはホームページで無料で過去の入試問題を掲載しているところがあります。pdf形式でダウンロードできるので、まずは問題傾向だけでも見てみましょう。無料なら見ないと損ですよ。
各大学の偏差値以外に試験科目や配点など入試の特徴も分析
医学部受験において過去問を使用する際は、各大学の偏差値だけではなく、大学ごとの試験科目と配点を確認してください。
国公立大学であれば、2次試験は理科が生物、化学、物理の中から2科目又は3科目必要なところもあれば、数学だけで良い大学もあるので、どのような教科が必要なのか事前に調べることが必要です。
また、軽視しがちな事項ですが、傾斜配点の大学はたくさんあり、例えば、英語100点・数学300点・理科200点の試験内容の場合、どの教科も均等に勉強していては非効率となります。
この場合は、配点が異なることから数学を重点的に行い、英語は苦手科目にならない程度に勉強した方が良いでしょう。
このように、配点の割合も考慮した上で、自分の得意な分野又は苦手な分野をしっかり把握した上で、受験対策をするべきです。
さらに、医学部受験に際して、面接対策も非常に重要となります。これまで面接試験をしてこなかった九州大学医学部も2020年度から面接試験を実施することを決定しました。
面接試験も試験の合否を決定する重要な要素なので、万全の対策をして望むようにしましょう。前期試験だけでなく、推薦や後期試験でも医学部を受験する人は特に面接対策は入念にやっておきましょう。
過去問がダウンロードできる大学別一覧
医学部の過去問は大学によっては公式ホームページで公開しているところも多く、解答付きなので赤本がなくても対策できます。
ただし、全ての大学が公表しているわけではないこと、過年度分の過去問が直近に限定されていることが多いなどの制約もある点には注意が必要です。
また、解答には解説がないことも多いので、不明点は高校の先生や予備校の講師に質問して、不明点はしっかりと理解しておくことが重要となります。
それでは、医学部の過去問が入手できる大学を国公立、私立に分けて一覧でまとめましたので、参考にしてみて下さい。
国公立大学医学部医学科
弘前大学 | 公式サイト |
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秋田大学 | 公式サイト |
群馬大学 | 公式サイト |
東京大学 | 公式サイト |
東京医科歯科大学 | 公式サイト |
横浜市立大学 | 公式サイト |
山梨大学 | 公式サイト |
信州大学 | 公式サイト |
富山大学 | 公式サイト |
福井大学 | 公式サイト |
名古屋市立大学 | 公式サイト |
三重大学 | 公式サイト |
京都大学 | 公式サイト |
京都府立医科大学 | 公式サイト |
大阪大学 | 公式サイト |
神戸大学 | 公式サイト |
鳥取大学 | 公式サイト |
島根大学 | 公式サイト |
広島大学 | 公式サイト |
山口大学 | 公式サイト |
徳島大学 | 公式サイト |
香川大学 | 公式サイト |
佐賀大学 | 公式サイト |
長崎大学 | 公式サイト |
熊本大学 | 公式サイト |
大分大学 | 公式サイト |
琉球大学 | 公式サイト |
私立大学医学部医学科
自治医科大学 | 公式サイト |
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北里大学 | 公式サイト |
杏林大学 | 公式サイト |
昭和大学 | 公式サイト |
日本大学 | 公式サイト |
藤田医科大学 | 公式サイト |
関西医科大学 | 公式サイト |
近畿大学 | 公式サイト |
防衛医科大学校 | 公式サイト |
窓口や郵送で過去問が閲覧可能な大学一覧
大学名 | 区分 | 閲覧方法 |
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旭川医科大学 | 国立 | 郵送請求または入試課事務室で入手可能 |
秋田大学 | 国立 | 入試課窓口で閲覧可能 |
福島県立医科大学 | 公立 | 教育研修支援課で事前予約のうえ閲覧およびメモが可能 |
筑波大学 | 国立 | アドミッションセンター窓口で過去3年分の過去問が閲覧可能 |
東京大学 | 国立 | 公式サイトに掲載していない科目は大学広報センターで閲覧可能 |
東京医科歯科大学 | 国立 | 公式サイトに掲載していない問題は入試課窓口で閲覧可能 |
新潟大学 | 国立 | 入試課で閲覧可能 |
富山大学 | 国立 | 公式サイトに非公開の箇所は、入試課窓口で閲覧可能 |
福井大学 | 国立 | 1年分の過去問を郵送請求または学務室入学試験係で入手可能 |
浜松医科大学 | 国立 | 入試課窓口で閲覧可能 |
三重大学 | 国立 | 公式サイトに掲載していない箇所は、学務部入試チーム窓口で閲覧可能 |
滋賀医科大学 | 国立 | 電話予約のうえ、入試課入学試験係窓口で閲覧およびメモが可能 |
島根大学 | 国立 | 公式サイトに掲載していない箇所は医学部学務入試担当で閲覧可能 |
岡山大学 | 国立 | 残部に限り配布、その後は入試課窓口で閲覧可能 |
広島大学 | 国立 | 大学図書館および地域オフィスで閲覧可能 |
香川大学 | 国立 | 広報室で閲覧可能 |
高知大学 | 国立 | 郵送請求または医学部入試室入試係で入手可能 |
九州大学 | 国立 | 入試課窓口で期間限定で配布 |
長崎大学 | 国立 | 公式サイトに掲載していない箇所は入試課窓口で閲覧可能 |
大分大学 | 国立 | 入試課窓口で閲覧可能 |
岩手医科大学 | 私立 | オープンキャンパスや進学相談会で配布(電話申込みも可) |
東京慈恵会医科大学 | 私立 | 例年4月から5月にかけて学事課窓口で閲覧可能 |
東京女子医科大学 | 私立 | 問題集を大学で販売 |
東邦大学 | 私立 | 直近1年分のみ配布 |
金沢医科大学 | 私立 | 資料請求により入手可能 |
愛知医科大学 | 私立 | 郵送請求が可能(解答なし) |
大阪医科大学 | 私立 | 郵送請求が可能(解答なし) |
産業医科大学 | 私立 | 郵送請求が可能 |
久留米大学 | 私立 | オープンキャンパスや進学相談会で配布 |
福岡大学 | 私立 | オープンキャンパスや進学相談会で配布 |
医学部の過去問分析で志望校を選択する
目標としている医学部はみなさんそれぞれあると思いますが、学習の進み具合や偏差値などを考慮すると現実的に行ける大学は絞られてくると思います。
その際、過去問分析を行うことにより偏差値ではなく、現実的に合格できる医学部を探しやすかったりします。
なぜなら、各大学には出題傾向や配点が異なるので、偏差値が同じような大学でも本人にとって入試問題との相性があるからです。
また、医学部の入試では、偏差値通りに問題が構成されている訳ではなく、一般的に偏差値が高めでない大学であっても、入試の出題レベル自体はかなり難しいケースもあります。
過去問を解いてみて、解きやすい問題かそうでないかを確認し、自分にとって出題傾向が相性の良い大学を選ぶだけでも、合格率は高くなります。
特に、私立大学医学部などは、大学ごとに出題傾向がはっきりしているので、自分の得意な分野などを出題している大学を受験することをおすすめします。
代官山MEDICALの公式サイトです。
https://www.daikanyama1999.com/
ウインダムの公式サイトです。
https://windom.jp/