留年は経済的にも精神的にも辛いですがネットワークが広がる利点もあります。

医学部で留年すること

医学部の基礎知識

医学部で留年すること
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医学部はヒトの命を預かる職業である医師を養成する学部であるため、授業は高度で勉強量も膨大。

したがって、医学部に合格できた優秀な学生でも留年してしまうことが多いです。

今回は、医学部の留年事情について詳しく解説していきますので、受験生の方も入学後に覚悟できるよう確認してみて下さい。

医学部の特徴は留年率の高さ

医学部では、留年することが多く見受けられます。

特に私立大学医学部は進級判定が厳しいことで有名で、学費などの面からも留年は学生生活に大きな影響が出てしまいます。

私立大学医学部は学費も高いので、留年を機に中退してしまう学生も少なくありません。

また、単位制ではなく、学年制を採用している医学部では、1つでも単位を落とすと、一年間で取得した他の単位も無効になってしまう大学もあるので注意が必要です。

ただし、医学部は多浪生や再受験生も多いのが特徴であり、少しのブランクがあってもさほど問題になりません

1年ほどの留年であれば、マッチングや就職活動をはじめ、今後のキャリア形成上そこまで大きな影響はないでしょう。

医学部の留年率が高い理由

医学部医学科はなぜ留年する学生が多いのか。

大学によって進級判定の厳しさには差があり、一概には言えないですが、下記のような理由が考えられます。

医学専門科目の難易度が高い

医学部医学科の勉強は非常にハードで受験勉強以上だと表現する学生も少なくありません。

膨大かつ細かな暗記と専門性の高い知識の理解が求められるため、試験を合格するには日々の勉強が非常に重要となってきます。

医師国家試験の合格率は弁護士や会計士に比べて非常に高く8割を超えていますが、それは6年かけて大学の難しい単位を取得してきたからこその結果であり、留年する学生は「このままでは国家試験に合格できない」という大学側からのメッセ―ジとなります。

入学後のギャップ

医学部受験ブームによって、本気で医師という職業に憧れて入学を目指したのではなく、腕試し感覚や安定した地位と報酬を求めて安易な理由で合格してくる学生がも多いです。

そのため、本格的に医学教育が始まると、入学前のイメージと違ったり、医師という厳しい仕事を目の当たりにしてモチベーションが下がってしまう学生がいます。

この場合、勉強に身が入らず単位を落として留年してしまうケースが多く見受けられます。

留年で済めばいいですが、せっかく合格して入学したのに退学・放校というかたちで医学部生活を終えてしまう学生もいるのが現状です。

医学部6年ストレート卒業ランキング【2020年】


2020年に文部科学省が公表した「各大学の医学部医学科の入学状況及び国家試験結果等」によると6年ストレート卒業率は国立85.2%、公立87.5%、私立81.1%と、私立大学では約2割の学生が留年を経験していることになります。

しかも、大学間での6年卒業率の差が大きいのが特徴。

したがって、ここでは、6年ストレート卒業率(2014年入学2020年卒業)をランキングでまとめていますので留年率が気になる方は参考にしてみて下さい。

なお、6年ストレート卒業率が低い医学部は、留年を経験する学生が多い、つまり留年率が高い医学部となります

留年率の低い医学部ランキング(国公立)

順位 大学名 6年ストレート卒業率
1 大分大学 100.0%
2 愛媛大学 99.0%
3 和歌⼭県⽴医科⼤学 97.6%
4 三重大学 96.0%
5 名古屋大学 95.7%
6 浜松医科大学 94.2%
7 札幌医科大学 92.7%
8 神⼾⼤学 92.3%
9 東京大学 92.0%
10 ⿅児島⼤学 91.5%
11 富山大学 91.0%
11 京都大学 91.0%
13 秋田大学 90.6%
14 名古屋市⽴⼤学 90.5%
15 福島県⽴医科⼤学 90.0%
16 ⾦沢⼤学 89.7%
17 千葉⼤学 89.5%
18 岐阜大学 88.8%
19 東北⼤学 88.1%
20 広島大学 87.5%
21 佐賀大学 86.8%
22 北海道⼤学 86.6%
22 九州大学 86.6%
24 ⻑崎⼤学 86.0%
25 横浜市⽴⼤学 85.6%
26 東京医科⻭科⼤学 85.2%
27 大阪大学 85.2%
28 香川大学 85.1%
29 京都府⽴医科⼤学 85.0%
30 旭川医科大学 84.0%
31 山口大学 83.8%
32 弘前大学 83.5%
33 福井大学 83.5%
34 筑波大学 83.3%
35 山形大学 82.4%
36 新潟大学 82.0%
37 信州大学 81.7%
38 ⼤阪市⽴⼤学 81.1%
39 岡山大学 80.0%
39 宮崎大学 80.0%
41 熊本大学 79.3%
41 奈良県⽴医科⼤学 79.3%
43 琉球⼤学 78.6%
44 鳥取大学 78.2%
45 群馬大学 77.2%
46 高知大学 76.5%
47 滋賀医科大学 76.1%
48 ⼭梨⼤学 75.2%
49 徳島大学 72.8%
50 島根大学 67.9%

国公立大学医学部は6年ストレート卒業率は高いほうで、2020年は大分大学は100%という結果になり、2014年入学者は全員が留年することなく卒業を実現

いっぽう、島根大学医学部においては6年ストレート卒業率は67.9%なので、3割以上の学生が留年をどこかの年で経験していることになります。

留年率の低い医学部ランキング(私立)

順位 大学名 6年ストレート卒業率
1 東邦大学 100.0%
2 順天堂大学 96.1%
3 自治医科大学 92.7%
4 東京⼥⼦医科⼤学 92.0%
5 獨協医科大学 91.7%
6 久留⽶⼤学 90.4%
7 慶應義塾大学 90.3%
8 東京慈恵会医科大学 90.1%
9 ⾦沢医科⼤学 84.3%
10 藤田医科大学 83.6%
11 北⾥⼤学 83.3%
12 昭和大学 83.1%
13 大阪医科大学 81.8%
14 産業医科大学 81.0%
15 兵庫医科大学 80.7%
16 関⻄医科⼤学 80.4%
17 東京医科大学 79.2%
18 埼玉医科大学 78.1%
19 愛知医科大学 77.4%
20 日本医科大学 77.2%
21 東海大学 76.5%
22 聖マリアンナ医科大学 75.7%
23 岩手医科大学 74.6%
24 近畿大学 74.5%
25 福岡大学 74.5%
26 日本大学 68.5%
27 杏林⼤学 68.4%
28 川崎医科大学 65.8%
29 帝京大学 65.0%

私立大学医学部は、東邦大学が6年ストレート卒業率100%を実現しているいっぽうで、70%を切る医学部が4大学もあります

2014年医学部入学者で最も6年ストレート卒業率が低いのが帝京大学でした。

留年と退学との関係


留年しても医学部の学生であることは変わりありません。

このまま勉強を続けていつか進級できれば医師になれると思うかもしれませんが、大学では留年し続けた場合は退学ではなく除籍処分となってしまいます。

除籍とは大学側から辞めさせられることで、自主的に医学部を辞める退学とは違います。

大学または学部によって何年まで留年できるかは基準やルールが異なっていますが、一般的に医学部のような6年制大学なら在学期間の倍に相当する最大6回まで留年できるようです。

また、1学年に2年までなど同じ学年に何年までとより細かく留年の上限回数を設けていることも

それを超えてしまうと医学部を除籍処分となっています。

医学部を留年することは珍しくありませんが、除籍処分となってしまっては医師という道が断たれてしまうため過度な留年は禁物です。

医師国家試験合格率との関係


医師国家資格の合格率は平均92.1%(2020年度)と高い数字を誇っていますが、合格率が高いから良い大学とは必ずしも言えません。

日本で一番難易度が高い東京大学医学部の合格率も96%となっており、80大学中38番目と中位程度の合格率です。

東京大学よりも合格率の高い医学部は多い理由は、国家資格の合格水準に満たない学生は留年させてでも、高い合格率を維持しようとしている大学があるからです

もちろん、大量の留年者を出さずに毎年100%近い合格率を出す自治医科大学のようなケースもありますが、いっぽうで多くの留年者が出している大学があるのも事実。

したがって、医師国家資格合格率と、高度な医療教育の提供はイコールにはなりません

医師国家試験合格率に左右されず、質の高い教育を行っている大学を見極めることが大切です。

入試難易度の低い大学は要注意

上記でも述べたように、医学部の中には医師国家試験の合格率を高くするために成績の悪い学生を留年させている大学があります。

医師国家試験は毎年大学別に公開されるため、合格率の高さは学内外にアピールできる格好の材料となり、大学の評価を上げる1つの方法にもなり得ます。

したがって、予備校の偏差値ランキングでは下位に位置する埼玉医科大学でも、2020年度の国家試験では99.2%と私立四天王と呼ばれる順天堂と同じ8位という合格率を実現。

そして、実際に埼玉医科大学は進級に厳しいと評判で多くの留年者を輩出している大学としても有名です

他にも、医学部で最も難易度が低いと言われる川崎医科大学の医師国家試験合格率も99%と上位に位置していますが、やはり進級は厳しいと評判。

したがって、偏差値の低い医学部に合格した場合は、入学後はちゃんと勉強しないと留年してしまうリスクが高いことになります。

進級できない医学生のよくある共通点

大学生活を謳歌している人

大学に入学したら、サークルや部活並びにアルバイトと言った他学部の大学生と同じように学生生活を謳歌し過ぎて、医学部の勉強が疎かになって留年してしまう人が多いです

特に浪人生など長い受験生活から解放されて大学生活を楽しみたい気持ちは分かりますが、勉強とのバランスを考慮しないと、せっかく医学部へ入学できたのに留年してしまいます。

医学部の勉強量は膨大であるため、一度遅れを取るとなかなか挽回するのも困難になりがち。

もちろん、お金が必要でバイトに励む医学部生もいると思うので、医学部の勉強に支障をきたさない範囲でやることが大切です。

医学部合格がゴールだった人

現役時代に勉強が得意だったことから、医師になりたいという夢よりも腕試し感覚で医学部に合格してしまった学生は、受験勉強だけで燃え尽きてしまうことが多いようです。

また、医師と言う職業に憧れを持っていない学生は、入学後の勉強に興味や面白みを感じることができず、徐々にモチベーションが下がってしまうのも特徴。

徐々に授業の欠席も増えて、勉強についていけず留年してしまう人も多いようです。

暗記の勉強が苦手な人

医学部の授業で特に専門科目は膨大の暗記が要求されてくるので、暗記が苦手な学生は留年してしまうリスクが高いのが特徴。

また、推薦入試で医学部に合格した学生は、一般入試を突破してきた学生に比べて勉強する習慣や正しいやり方を身につけている割合が少ないかもしれません

したがって、自己管理ができなかったり、学習効率が悪いことが原因で勉強がはかどらず、試験に合格できない人もいます。

医学部に留年しても気負いする必要なし

留年して落ち込むのは当然ですが、何も悪いことばかりではありません。

まずは、2学年分のネットワークができます。

これは、試験やレポート対策だけでなく、卒業後の研修などで同学年に比べて情報量が豊富に入ってきます

また、一度学習しているカリキュラムを再度学習しているので、心にゆとりができます。

他にも、留年している学生は周囲にもいるので、自分だけ目立つことも無いでしょう。

留年しないよう日々勉学するのは重要ですが、留年してもまだ学生生活が終わったわけではないので、めげずに学んでいくことが大切です。

 
 
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