帰国子女の医学部受験

帰国子女とは、親の海外転居に伴い外国で生活していた人たちが国内に帰国した息子および娘のことを言います。

外国の高校を卒業して日本の大学に入る帰国子女も多く、帰国子女向けの予備校も存在しているほどです。

一般的に大学入試では「帰国生入試」「外国学校出身者入試」と言う名称で募集されています。

帰国子女のなかには日本の医学部受験を目指す人も少なくないですが、やはりなかなか上手くいかない人のほうが多いようです。

帰国子女の場合、インターナショナルスクールに通っていた人も多く、日本語の読み書きといった国語力に欠けている傾向にあるので、別途対策が必要になったりします。

ここでは、帰国子女の医学部受験について紹介していきます。

帰国子女の医学部受験はハードルが高い？

医学部受験では、帰国子女向けの募集枠を設置している医学部も国立を中心に多くありますが、定員数が少ないため優秀な帰国子女同士で競争することになります。

医学部によって、海外の滞在年数や在籍国、学校の種別など細かく規定されているので、まずは帰国子女の医学部受験を実施している大学を調べ、自分に受験資格があるかを確認することが始める必要があります。

ただし、医学部では帰国生の募集はするものの合格者を出さない年度があるなど現実は厳しく、医学部側のレベルに達していない受験者が多いようです。

国内の受験生ですら2浪、3浪は当間と言われる医学部受験なので、帰国子女も同様に要求するレベルは非常に高いものとなります。

しかし、帰国子女枠は高校卒業2年以内の受験しか認められていないので限られた期間のなかで対策するしか他ありません。

そのため、高校卒業後に対策を始めても時間がないので、日本に帰国して医学部受験に挑戦することが決まっているのであれば、在学中から通信や現地の予備校に通って対策を始めておくことをおすすめします。

また、本気で医者を目指したいのであれば、一般入試に医学部を目指すのも１つの方法となってきます。

帰国子女枠を設ける医学部一覧

国公立

大学名	募集定員	一次試験	二次試験
北海道大学	若干名	書類選考	課題論文（日本語）、面接
東京大学	若干名	書類選考	小論文（日本語及び外国語）、学力試験、面接
東京医科歯科大学	若干名	書類選考、学力試験、面接
筑波大学	2名	書類選考	面接、口述試験
群馬大学	若干名	書類選考、学力検査、小論文、面接
富山大学	若干名	書類選考、学力検査、面接
金沢大学	若干名	書類選考、学力検査、面接
浜松医科大学	若干名	書類選考、小論文、適性検査、面接
九州大学	若干名	書類選考、学力検査、小論文、面接
佐賀大学	若干名	書類選考、学力検査、面接

私立

大学名	募集定員	一次試験	二次試験
慶応義塾大学	若干名	書類選考、学科試験	小論文、調書記入、面接
順天堂大学	若干名	書類選考、小論文、英作文、面接	小論文（日本語及び外国語）、学力試験、面接
国際医療福祉大学	若干名	書類選考、学科試験、小論文	英語面接

国家統一試験とは

帰国子女枠の医学部受験において、大学によっては国家統一試験の成績証明書が出願の際に必要なことがあります。

国家統一試験とは、海外では日本のように高校卒業すれば大学入学資格が得られるのではなく、国家統一試験で一定期の基準を満たす必要がります。

アメリカのSATが有名ですが、各国に同様の国家統一試験が設けられており1回しか受験できないことも珍しくないので注意が必要です。

アメリカ	SAT、TOEFL
イギリス	GCE、GCSE
ドイツ	アビトゥア
フランス	バカロレア

国際バカロレア入試で募集する医学部も増加中

近年は、帰国子女枠とは別に国際バカロレア（IB）と呼ばれる世界共通試験を導入する医学部も増えています。

国際バカロレアとは、英語でInternational Baccalaureate（IB）というグローバルに活躍する人材育成を目的にジュネーブに本部が置かれている団体が提供する世界共通の教育プログラムです。

世界140ヶ国以上の地域で4300校以上の学校で提供されており、日本でも35の高校が認定を受けています。

プログラムを修了し、卒業試験に合格すれば国際バカロレア資格が付与され、IB入試とは当資格を有する人向けの入試制度です。

医学部でもIB入試を導入している大学は、2018年現在で8大学あり、今後はさらに増加することが予想されています。

海外で国際バカロレア資格を取得した人は、医学部受験でIB入試を実施する大学に挑戦することをおすすめします。

IB入試実施大

東北大学	筑波大学
東京医科歯科大学	岡山大学
広島大学	鹿児島大学
順天堂大学	愛知医科大学

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