医学部を志す受験生にとって、面接試験は必須の課題です。
2020年に九州大学が面接試験を導入して以降、国公立私立を問わず全ての医学部において、どのような試験方式であっても面接試験を避けて受験することは不可能になりました。
つまり、面接試験なしで合格できる医学部が存在しないということです。
この記事では、その中でも特に、私立大学の医学部の面接試験について、詳しくまとめたいと思います。
医学部医学科の面接試験の特徴
医学部以外の学部でも、面接試験を行う大学や学部はいくつかありますよね。
それでは、他学部に比べて医学部の面接試験はどのような特徴があるでしょうか。
このことについて考える上で、まず私たちは、医師とはどのような人間でなくてはならないかについて考えなくてはなりません。
医学部の面接試験は人間性を問う
実際、医学部の面接試験は、医師になるのにふさわしいかどうかを判断する試験なのです。
逆に言えば、面接で聞かれた質問に対する答えが不適切であったり地雷を踏むものであったり、面接の最中に、医師になるのにふさわしいと判断できない言動をとった場合だけでも、筆記試験の点数にかかわらず一発で落ちる可能性があるということになります。
学科試験が難しく、定員が少ない医学部ですが、学力面に加えて面接試験や小論文等の人間性も必要になるわけですね。
では、人間性はどこで見る?
一概に人間性といっても、ぼんやりとしていてわかりませんよね。
医学部の面接では、具体的にどこを見て人間性を判断するのでしょうか。
話し方
まずはやはり面接試験ということですし、その人の話し方は必ず見られるポイントです。
あまりに横柄な話し方をしたり、敬語を正しく使えていない場合は、面接官も面接で良い点数をつけるわけにはいきません。
面接官を尊重し、しっかりと大学に入学し、医学部で勉強したい、医師になりたいという思いが伝わるような話し方を心がけましょう。
座り方や態度
入室時にノックをし、着席を許可されてから席に着くことは基本です。
大学によっては、部屋の扉が常に空いていたり、「席についてから受験番号と名前を言ってください」等の説明が事前にあることもありますが、そのような説明がない場合はこのようにしましょう。
座っているときも、足を必要以上に開かない、きちんと深く腰掛ける等に注意して、目線はしっかり面接官に向けましょう。
倫理に反した答え方は厳禁
質問されることで、医学部はやはり、医療や福祉に関する質問が問われることがあります。
その時に必ず注意するのは、自分の考えが倫理に反していないかどうか。
基本的に、面接は自分をアピールする場です。
自分の考えをしっかり述べることは重要ですが、話し方次第では、倫理面から見てアウトだと思われてしまうことも。
実は医学部の面接試験では、目立たないことが大事だと言われています。
しかし、何か自分の中の考えを面接で話したい、共有したいというときは、まずは自分の考えや意見はたくさんの中の内のたった一つであり、これが正解とは限らないという思考を持ち、そのうえで使う言葉一つ一つに気を使いながら、しっかりと伝えましょう。
そうすれば面接官にもきっと理解してもらえるはずです。
面接試験で国公立大学医学部との違いはある?
国公立大学医学部でも私立大学医学部でも、医学部では必ず面接試験が課されています。
では、国公立大学と私立大学において、面接試験の違いはあるのでしょうか?
圧迫面接は、私立医学部のほうが多い?
医学生の経験談を聞いていると、やはり圧迫面接といわれるものは、私立大学のほうが多いようです。
その理由には様々なものが考えられますが、受験者数がとても多い中から合格者を選抜しなくてはならない私立大学医学部が、面接試験をしっかりと行うのも必然かもしれません。
地方国公立大学医学部は、地域医療についての質問が多い
さらに、地方の国公立大学医学部では、面接で地域医療について質問されることが多いそうです。
地域医療の問題点や改善点とその理由、さらに地域医療に進む意思があるか等を聞かれます。
私立大学を受験する人は、面接で聞かれる可能性は少ないかもしれませんが、事前に受験する大学が地域医療に力を入れているか等を調べておくとよいでしょう。
よくある質問とその対策方法
大学・学部の志望理由は?
医学部の面接でよくある質問といえば、まずこれですね。
「本学の志望理由は?」と「医学部になぜ入りたいの?エピソードはある?」です。
まずは大学への志望理由ですが、理由はしっかりと大学別に用意しておくとよいでしょう。
私立大学医学部は特に、大学のパンフレットにしっかりとこだわって、その大学の良いところをアピールしているところが多いです。
事前に必ず取り寄せ、余裕があれば面接試験の当日に持参し、読んでおくとよいでしょう。
しっかりと対策しましょう。
また、医学部の志望理由は、大学によってはエピソード等を聞いてくることもありますので、具体的な理由を用意しておきましょう。
医師になるうえで自分の長所や短所は?
これもよく聞かれる質問の一つです。
自分の長所や短所とはいっても、「医師になるうえでどうだめなの?」「どう役に立つの?」等詳しく聞かれることも。
さらに、自己紹介を求める大学や、自分を動物にたとえると何?という質問を毎年必ず面接で聞く大学もあります。
ネットで検索をすると、面接試験の過去問なんかも出てきますから、すべての受験生に聞く質問がある大学を受験する場合は、必ず対策をしておきましょう。
最近の医療ニュースで気になるものは?
やはり医学部志望の受験生ですから、医療ニュースはチェックしてるかな?と思われ、このように聞かれることもしばしばあります。
これに関してはそこまで硬くならず、今はコロナの話もありますし、予備校や高校への通学時間にネットで数分ほどニュースをチェックしておけば、十分な対策になると言えるでしょう。
浪人時代について
特に私立医学部では多いかもしれません。
医学部は、浪人生や再受験生が多いですから、該当する人は質問される可能性があります。
浪人に至った理由や、再受験しようと思った理由、さらに、浪人で学んだことであったり、聞かれることは様々で、対策するのは難しいかもしれません。
質問された場合は少しゆっくりと浪人生活を思い出してみて、その場で解答すれば問題ないはずです。
好きな本や映画は?どんな内容?理由は?
医学部の面接ですが、実はこのような質問も多くあります。
面接官は、本などの最低限の教養があるかを知りたいわけですね。
勉強だけをしてきた受験生よりも、ある程度、本を読んだり映画を見たりする時間を過ごしてきた受験生のほうが、好ましいのかもしれません。
本や映画について話が盛り上がるかもしれないタイミングですし、医学部の志望理由などよりもリラックスして答えましょう。
高校時代に励んだこと・努力したこと
こんなことを医学部面接で聞かれることもあります。
部活であったり、文化祭等のイベントであったり、なんでも大丈夫です。
印象に残っていることや楽しかった思い出は、きっと誰しも一つはあるはず。
医学部の面接官は、コミュニケーション能力があり、高校での人間関係はある程度良好だったのか、友達はいたのか等を知りたいだけですから、すっと頭に浮かんだことを答えましょう。
緊張で記憶がとんでしまいそうな人は、事前に対策しておくとよいでしょう。
面接攻略のポイント
アドミッションポリシーを熟読しよう
大学のパンフレットや募集要項に記載されているアドミッションポリシーをしっかりと読み、暗記する勢いでいきましょう。
アドミッションポリシーに記載されている内容は、その大学が求める生徒像そのものです。
生活な髪型・服装で行こう
高校生の人で、制服のある人は制服で行きましょう。
浪人生の人は私服でも問題ありませんが、用意できるのならば、スーツで行くと好印象です。
シャツはアイロンをかけ、ジャケットに埃がついてないか等を確認し、面接の前にはネクタイやリボンが傾いていないかチェックすると良いでしょう。
靴は履きやすいものがもちろんいいですが、あまりに履き古したものや砂だらけのもの等は避けましょう。
女子はスカートは膝丈で、あまりに短いものは良い印象を与えません。
さらに、髪の毛は長い場合、一つにまとめたほうがより清潔に見えます。
男子は、寝ぐせ等は直し、余裕があれば少量の頭髪量をつけてまとめると、好印象かもしれません。
受験生に身なりを気にする暇はあまりないことも面接官は分かっています。
無理なく準備できる範囲で、清潔な服装でいきましょう。
質問や問題に忠実に答えよう
医学部の面接は、医師となる人材として適しているかを見ているのはもちろんですが、適切なコミュニケーション能力を持ち合わせているのかも見ています。
個人面接では、質問から話が脱線しないように注意して、絵などをみて答える問題においても質問の意図から方向性がずれないように注意しましょう。
集団討論
分からないときは質問すれば大丈夫!
質問された医療ニュースや医療用語が分からない時、「すみません勉強不足で分からず」と一度誤ってから、どのような意味なのか聞きましょう。
基本的には面接官は意味を教えてくれると思いますので、心配しなくても大丈夫です。
勉強に忙しかったことを、面接官も理解してくれます。
予備校や学校で模擬面接をしてもらおう
高校や予備校では、面接試験の練習の機会を設けてくれるところが多いと思います。
可能な限り利用して、面接のシュミレーションし、本番に備えてしっかり対策しましょう。
面接本番の緊張具合がきっと全然違うはずです。
圧迫面接にも冷静な対応を
先ほども述べたように、私立大学医学部の面接では、圧迫面接というやり方をしている面接官もいるようです。
圧迫面接は、受験生を苦しめようとして行われるものではありません。
受験生に圧を与えることで、受験生が戸惑いつつも面接でどのような回答をするか、面接官に対して反抗的な態度をとらないか等を見るためのものです。
医師という職業は、緊張した場面での判断力や冷静さが大切ですからね。
圧迫面接をされても焦らず、面接官を尊重するのを忘れず、しっかりとはっきりと面接試験を切り抜けましょう。
まとめ
ここまで、国公立大学との比較などを行いながら、私立大学医学部の面接試験について、特徴や対策ポイントなどを述べてきました。
ただでさえ勉強で大変な医学部でしが、学科試験の点数に限らず、大学志望理由などを事前に準備するために大学案内のパンフレットを読んだり、服装や髪型などにも気を配る必要があるということが分かりました。
しかし、ここまで話しましたが、医学部の面接だからといってそこまで心配しなくても大丈夫。
自分がどのような人であるかを伝える場です。
面接官に対するマナーと、最低限の清潔さで面接に臨み、リラックスして受験しましょう。
きっと緊張すると思います。でも大丈夫。
医学部に入りたい意思をしっかりと伝えに行きましょう!
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