医学部は、入試において必須で面接が課されるという非常に珍しい入試形式をとっています。
医師・医療人になるにあたって人間性を図るのは必要ということから課されている面接ですが、大学によっては圧迫面接の存在が噂されています。
では、医学部入試においての圧迫面接は本当はどうなのでしょうか?
今回の記事では、現役医学部生の筆者がその立場・受験体験から大学入試における面接の実態・その質問等への対処法について例を交えて解説していきます。
それでは、見ていきましょう!
医学部入試に必須の面接
前述の通り、医学部入試において全ての大学で面接が課されるのは、周知のこととなっています。
2020年に導入した九州大学医学部を最後として、全医学部で面接を突破しないと大学自体に入学できないようになっているのです。
面接といっても、その方法には多くの形があります。
よく例として挙げられるのは、以下の三つの型です。
- 個人面接
- 集団面接
- 集団討論
では、それぞれについて解説していきます。
個人面接は、最もポピュラーな面接方法です。試験官数人に対して受験生1人が配置され、「医師を志した理由」をはじめとしたいくつかの質問に回答することとなります。
国公立大学・私立大学ともに実施数が最も多く、対策がしやすい方法といえるでしょう。
集団面接は、試験官数人に対して受験生が数人配置される形となります。
一人一人に焦点の当たる時間が必要であるため、実施時間自体が長くなりやすいです。
最後に、集団討論になります。
受験生同士で討論する形を取り、話し合いを進めるようなイメージを持ってもらえれば大丈夫です。
面接官は質問を行うのではなく、あくまで評価者の立場となります。
医学部の一般入試でこの形をとる大学は少ないですが(例:大分大学医学部、金沢医科大学)、AO・推薦入試などでは実施例が多くなります。
医学部に圧迫面接は存在するのか?その実態
さて、面接について解説しましたので、圧迫面接を含めたその実態について見ていきましょう。
結論から申し上げますと、圧迫面接(や、それに近しい面接)は存在します。
それでは、圧迫面接の例を取り上げながら、幾つかのパターンについて見ていきましょう。
- 医師になった理由について喋る際、「それは医師でなくてもできる」と指摘される(パターン①)
- 浪人・再受験の際「医師に向いていないとは思わなかったのか」と質問される(パターン②)
- 親族に医師がいない場合、「なぜ両親の仕事を継がないのか」「学費は払えるのか」と質問される(パターン③)
- ある医療的課題について「海外の状況、最先端の状況はどうなっているか」と質問される(パターン④)
- 自分の回答について馬鹿にされる・逆撫でする態度をとる(パターン⑤)
パターン①「自分の志望動機についての圧迫面接」
一番圧迫面接で多いのはこのパターンだと思われます。
医師になった理由について意地悪と言えるような質問をしてくる他、「うちの大学でなくてもいい」といった質問が想定されます。
パターン②「浪人生・再受験生・女性差別」
以前東京医科大学や順天堂大学をはじめとしたいくつかの大学でこれらの差別について問題となったことがありますが、差別の方法は合格基準の変更だけではなく、面接での質問にも表れます。
例えば、何年もかけて受験の準備をしてきた受験生に対して「そんなに不合格になったのに、医師に向いていないと思わなかった」という努力を否定するような質問があったり、女性に対してはセクハラのような質問や「医学部に入学しても出産したら働けない」などのキャリアについての意地悪な質問が想定されます。
パターン③「個人の家庭環境への過剰な質問」
このパターンは、特に私立大学でよく見られます。
親類に医師がいた場合何処の大学出身で、どの診療科で、どの大学にパイプがあるのかといったことを聞かれます。
いない場合は、学費を払えるのかといった質問や、そもそも志望したこと自体を訝しがられることさえあります。
パターン④「受験生には凡そ答えられないような質問」
このパターンは、受験生として知る筈の無いようなことをさも当たり前のように聞くというものになります。
例えば、「この新種の抗がん剤について、海外ではどのような認識を持たれているか」など、対策したり、受験の内容と関連をさせりしたとしても答えるのが厳しいような質問がされるのです。
パターン⑤「受験生の神経を逆撫でする行為・萎縮させる行為」
これは、これまで取り上げた質問とは違い、面接官の態度自体の問題になります。
例えば、面接中に居眠りする・大きな声を出して威嚇する、などです。
驚かれるかと思いますが、このような事が実際に起こっているとの報告は確かに散見されます。
大きく圧迫面接はこの5パターンに分かれます。
では、次のセクションで、これらを含めた圧迫面接、そして圧迫に限らず面接にどのように対処すべきか考えてみましょう。
受験生必見。圧迫面接・きつい質問にどう対処すべきか?
圧迫面接の例として、5つのパターンを紹介してきました。
- パターン①「自分の志望動機についての圧迫面接」
- パターン②「浪人生・再受験生・女性差別」
- パターン③「個人の家庭環境への過剰な質問」
- パターン④「受験生には凡そ答えられないような質問」
- パターン⑤「受験生の神経を逆撫でする行為・萎縮させる行為」
それらを踏まえて、筆者の考える(圧迫)面接の攻略法を紹介していきます。
1:しっかりと対策をすること
まずは、準備の段階です。
面接で圧迫まがいの質問をされても動じないためには、自信を付けることが大切なのですが、最も効果的なのが「これだけ対策した」という自信を付けることです。
対策といっても多くの方法がありますが、医学部入試では特に個人面接、3対1以上の状況に慣れるとよいでしょう。
この方法をお勧めする理由として、個人面接の割合が高いのはもちろんですが、自分以外に頼る相手がおらず、重圧のある空間に慣れることが大切であるということが挙げられます。
この状況でしっかりと自分の受け答えができれば、第一段階クリアです。
他にも、いくつかの質問を想定することも大切です。
医学部入試の面接についてまとめた書籍には、想定される質問の例がかかれている他、インターネット上の記事などには実際にされた質問の例も上がっています。
それらの情報を収集し、担当の先生らと相談しながら、自分なりの回答を作っておきましょう。
上記のパターンで言うと、①②③に該当する質問への対策を行うことができます。
特に「医師になった理由」「この大学を選んだ理由」などは、他の受験者との差を付けられる部分にもなってきます。
他の命を救う仕事、看護師や消防士らと比較しながら「なぜ医師でなければならないのか」という理由をブラッシュアップするとよいでしょう。
また、遠方からの受験に於いては「なぜ近場の大学ではなく当該大学なのか」も大切です。
大学のホームページやパンフレット、新聞記事を読み込んで、自分が納得できる回答を作りましょう。
2:「なぜ相手が圧迫面接をしているのか」を見つめなおす
2つ目は、心構えの面についてです。
なぜ面接官側が圧迫面接をするのかを考えることで、対策方法が見えてきます。
面接官側が圧迫面接をする理由として、以下の二つが挙げられます。
- 負荷・圧力に耐えられる人間かどうかを調べる
- 圧迫面接をされても医師になりたい人間かどうかを見極める
非常に理不尽な部分はあると思いますが、主に理由はこの二つであることを考えると、決して面接官側も圧迫面接を行いたくて行っているわけではないことが分かります。
つまり、その圧迫面接を乗り越えることができれば、自分の受験生としての評価(すなわち、配点)が高くなるのです。
1の準備段階で、「医師になりたい理由」を見つめなおすことができていれば、上記の理由のうち後者はクリアできると思います。
前者については、面接練習で一度もしくは二度圧迫面接に類されるような面接を行い、経験を積んでおくことが有効といえるでしょう。
もちろん、人それぞれの気質がありますので、無理に行う必要はありません。
3:最終的には「自分を貫き通す」こと
最後に、実際の面接で圧迫面接に当たってしまった時のことを考えます。
私が医学部入試の際の面接でも、圧迫面接とは言わずとも、面接官(大学の教授)がかなり強い語調でしたので、かなり萎縮してしまったことを覚えています。
この時に大事なのは、萎縮したとしても自分の言いたいことを貫き通す、しかし等身大以上のことはしなくてもいい(虚勢を張らなくていい)、ということです。
面接で自分の伝えたいことが伝わらなければ、折角の大学を目指した勉強が水泡と帰してしまう可能性があります。
そうではなく、自分の準備を信じて、自分の言いたいことをしっかりと伝える事。
それが一番大切になってきます。たとえ泣くことになってしまったとしても、(涙で言葉に詰まってしまった時は断りを入れつつ、)言いたいことを最後まで言い切りましょう。
その熱意は、きっと面接官に伝わります。
しかしながら、見栄を張るのは良くありません。
前述のパターン④において、一番やってはいけないのは知ったかぶりをすることです。
分からないことは正直に「分かりません」といって大丈夫ですので、正直な等身大の自分を見せていきましょう。。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
この記事では、医学部の大学入試に於いての圧迫面接について紹介してきました。
記事で示した通り、圧迫面接は非常に難しい試練となります。
しかし、しっかりと自分の将来と関連づけて対策すれば、突破は難しいものではありません。
大学入試最後の関門ととらえ、頑張っていきましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました!
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