医学部を目指す受験生のなかには教授になりたい人もいるでしょう。
そこで医学部の教授になる方法を紹介すると同時に気になる仕事内容や年収まで紹介していきます。
医学部の教授になるには?道のり一覧
教授とは、大学の中で最大の権力者であり、運営にも関わるという多くの学生が憧れる存在。
そんな医学部の教授を目指す場合の一般的な流れとしては
- 大学卒業
- 大学院修士課程修了
- 大学院博士課程修了
- 助教
- 講師
- 准教授
- 教授
基本的に上記のステップを進むことになります。
博士課程までは比較的スムーズに進むことは可能ですが、問題は博士号を取得した後です。
ここからは論文で実績を上げて助教になり、大学に採用されて講師として授業を担当しながら継続して研究活動を行い、質の高い論文などを発表して実績を積んでいくことになります。
教授になるほどポストの数は少なくなっていくため、希望者全員が助教や講師になれる訳ではありません。
なお、准教授の前に講師という職がありますが、仕事内容は准教授と近いですが、ポストが空いていない状況です。
ポストが空いて教授会の審査に合格すれば、准教授になることができ、自分の研究室を持つことができるようになります。
准教授になれるのは年齢で言うと30歳~40歳代で、さらに教授になれる人数は限られてくるため、教授になるまでの道のりは遠く険しいものです。
なお、上の地位に昇格するためには、論文の質とその数、ならびに書籍等を含めた実績をもとに審査されます。
重要なのはポストの空き状況
教授になるためには実績や頭脳も影響しますが、重要なのは自分が医学部の教授になれるポストがあるかどうかです。
というのも、所属する講座の教授が定年退職などで辞めない限り、自分が教授になることができません。
では、医学部の教授ポストが空かない場合どうすれば良いかというと選択肢としては2つ
- 他の医療系学部の教授になる
- 他大学の教授選の募集に応募する
看護学科などの他の医療系学部の教授になる道ですが、これは医師という実績が高く評価されるため難易度が下がります。
ただし、医学部医学科の教授ではなくなります。
次に、他大学の医学部教授を目指す方法ですが、この場合、自分の大学に所属する人が有利になるので相当の業績がないとハードルは高いです。
教授選は政治?
現在の教授が退任する数カ月前に公募によって教授選考が実施されます。
一次選考は書類選考でこれまでの業績が審査され、合格者だけが二次選考に進み、教授会でのプレゼンテーションを行います。
その後、選挙のような仕組みで教授の投票によって時期教授が決まるのが一般的な流れです。
ただし、これはあくまでも表向きの流れであり、当講座に所属する准教授が有利なのはもちろん、支持者の勢力が強ければ大きく影響することは間違いありません。
医学部の教授になるには、業績だけでなく教授ポストの状況と支持者や派閥といった政治的な要素も教授選で大きく影響することになります。
教授の仕事【大学内】
研究
教授になるには、上記でも述べたように政治的な部分も必要ですが、やはり業績が重要となります。
業績を積むには研究活動を行い、成果を論文で発表することです。
医学部の場合は、世界初・国内初の治療法確立など注目を浴びる成果や実績が求められるのです。
また、東大をはじめ難関大学医学部になるほど、業績の質は高くなります。
学生の指導(講座・研究室)
講義で医学部生に授業を行ったり、研究室に所属する学生に指導を行ったります。
また、時には入試問題の作成から試験監督・面接官並びに試験問題の採点も行うなど仕事内容は多岐に渡ります。
これをメインの研究と並行して行うことになるので、非常に忙しいのは言うまでもありません。
臨床
教授は大学内で研究医や学生の指導にあたるだけでなく、大学附属病院などで臨床も行っています。
ただし、外科系の教授は手術の業績が評価の対象になりますが、内科系などはそこまで臨床能力は教授になるためには必要されていないようです。
というのも、医学部の教授を目指す人たちは多くの時間を医学研究に費やし、実績をあげているからとなります。
教授の仕事【大学外】
民間の研究所や科学センター
大学に勤務するイメージがありますが、民間の研究所で勤務するケースも少なからず存在しています。
また、大学が設置する先端科学技術研究センターで働いている教授もいます。
他にも業績が豊富な場合は国の専門家会議などに呼ばれることも。
講演活動
医学部の教授となると、テレビをはじめとしてメディアや、講演会に招待されることも多く副収入を得ることも難しくありません。
ただし、特に国立大学の場合は副業に関する制限も多いので、講演を引き受けるのに学長の許可が必要な場合もあるようです。
講演料の相場は内容や実績にもよりますが、1回あたり数万から10万円程度ほどだと言われています。
気になる医学部業界の年収や給料事情
医学部の教授に関する年収は気になる人も多いと思いますが、国立大学の教授に関しては文部科学省が実施した「文部科学省所管独立行政法人、国立大学法人等及び特殊法人の役員の報酬等及び職員の給与の水準」から把握することが可能です。
上記のデータによると国立大学法人の教授に関する平均年収は1005.8万円となり、最も高額な大学は東京医科歯科大学で1183.1万円となっています。
また、私立大学の教授の年収については同じく平均1300万円だというデータも。
ただし、注意しておきたいのは医学部以外の学部教授も含まれているとうことです。
また、あくまでこれは大学での年収であり、ほかにも講演会やメディア出演、執筆などで収入を得ている教授も多く、多い教授では3000万円以上の年収もいると言われています。
医師という職業なうえ、教授までになった年収が1000万円台というのは、高額かどうかは評価が分かれるところでしょう。
それでも教授は安定した地位と年収がずっと続くのはやはり魅力的ではないのでしょうか。
ちなみに医学部から医師として臨床の道を進み独立開業した場合の平均年収は3000万円を超えてくるため、報酬の高い方を選びたいのであれば、研究の道ではなく独立開業を目指すことをおすすめかもしれません。
まとめ
今回は医学部の教授になり方や仕事や年収について解説してきました。
医学部に合格するのも困難ですが、教授になるにはもっと難易度が高く、学力や業績だけでなく医局や学閥といった政治的要素も大きく影響してくることになります。
最初は教授を目指す医学部出身の医者も、その道を諦め独立開業や勤務医などキャリアを変更するケースも後を絶ちません。
なお、教授になれば大学の運営にも関与し、人事権なども得られる等の高い地位が得られますが、年収事情で言うと独立開業のほうが魅力なケースが多いです。
医学部でも研究医に興味があり、臨床ではなく基礎医学の研究分野から医療境涯の貢献に寄与したいという人には目指す価値があると言えるでしょう。
代官山MEDICALの公式サイトです。
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ウインダムの公式サイトです。
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