2018年に発覚した不正問題により明るみに出ることになった女子受験者や多浪人への差別。これらは今、改善されているのでしょうか。

2018年に発覚した女子受験生や多浪人に対する大学側の不正問題。今、これらはどうなっている?

医学部の基礎知識

医学部受験における男女の現在の合格比率は?
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2018年に起きた東京医科大学の女子差別問題。医学部合格を目指す女子には非常にショックな報道だったのではないでしょうか。

女子受験生と多浪受験生は一律減点され、非常に不利な条件で医学部を受験することになっていたこの問題はいまだに多くの医学部を志望する女子受験者に不安を与えていることでしょう。

そこで、今回はこの東京医科大学の女子差別問題を振り返るとともに、この事件後どのように男女の合格比率が変わっているのか、はたまた変わっていないのかをデータをもとに検証していきます。

これから医学部を受験しようとお考えの女子の方必見です。

2018年に起きた東京医科大学入試での女子差別問題

公表された調査結果によると東京医科大学は2点の大きな不正を行っていました。

  • 文部科学省の前局長の息子を始め、2年間で合計19人に不正に1次試験において加点、合格させた
  • 2次試験では女子と4浪以上の男子が不利になるように調整を行った

これら2点の不正の結果、男子の合格者が141人に対し女子は30人が合格という結果に。

そしてこれらのような不正は平成18年度から行われたという事実も判明しています。

なぜこのような問題が医学部受験で起こった?

ではなぜこのような不正問題が起こってしまったのでしょうか。この問題の背景にあるのは過酷な医療現場の労働環境と結婚や出産など女性の働き方に絡んだ問題です。

現在、医師という職業は他の職業と比較しても専門性が高くニーズが高くなっています。実際に女性医師の数は年々増加し、全体の2割は女性となっています。

しかし、その割合はいまだ先進国の中では最低。これは日本の医療現場が抱える構造的な問題ゆえに起こっていると言われています。

医学部を卒業し、臨床研修を終えた後に医師となる人の割合は男子、女子ともにほとんど変わりません。ただ、20代後半から30代半ばになると女性医師の就業率はがくんと下がってしまうのです。

その理由は他の職業と同じく出産や子育てによるものですが、過酷な労働環境や条件の中では女性医師は出産や子育てとの両立が難しいのです。

こうなると女性医師は結婚してしまうと自分達と同じように働けないと男性医師たちが感じていくのは自然なことかもしれません。

このような「空気」が続くことにより、女性医師を敬遠する現場が生まれるようになり、継続的な働き手を確保したい病院側や大学医学部側が男性を優遇するということに繋がっていったと考えられています。

もちろん、東京医科大学の女子差別問題は決して許されることではありません。これから超高齢社会を迎え、さらなる医師不足が叫ばれる中で、女性医師の活躍は必須。

女性が働きやすい環境や労働条件を作っていくために、他の職業も合わせて社会問題として皆が意識改革を行い、改革していかなくてはいけないのです。

2018年、東京医科大学の不正事件の時点での男女の医学部合格比率

それでは2018年時点での男女の医学部合格比率は実際どのようになっていたのでしょうか。

2018年の女子合格者数率が高かった大学医学部ランキング

男子合格率
(男子合格者/
男子受験者)
女子合格率
(女子合格者/
女子受験者)(%)
男子を1
とした場合の
女子合格者の割合
1 私立 東京女子医科大学 女子大学のため0 13.31%
2 国立 福井大学 29.03% 37.23% 1.3
3 私立 自治医科大学 5.35% 6.47% 1.2
4 国立 島根大学 19.41% 23.47% 1.2
5 国立 大分大学 39.61% 46.43% 1.2
6 私立 北里大学 9.11% 10.63% 1.2
7 私立 関西医科大学 7.64% 8.91% 1.2
8 国立 弘前大学 18.50% 21.46% 1.2
9 国立 三重大学 28.57% 32.17% 1.1
10 国立 高知大学 21.09% 23.53% 1.1
11 私立 帝京大学 2.27% 2.53% 1.1
12 国立 神戸大学 36.32% 40.21% 1.1
13 国立 東京医科歯科大学 29.60% 32.48% 1.1
14 私立 兵庫医科大学 8.45% 9.26% 1.1
15 私立 川崎医科大学 13.79% 15.07% 1.1
16 国立 琉球大学 21.93% 23.53% 1.1
17 国立 徳島大学 45.83% 49.00% 1.1
18 国立 長崎大学 27.30% 28.68% 1.1
19 公立 札幌医科大学 27.86% 29.23% 1.0
20 公立 和歌山県立医科大学 44.74% 45.21% 1.0
21 私立 産業医科大学 6.80% 6.87% 1.0
22 国立 富山大学 25.09% 25.28% 1.0
23 国立 東北大学 33.13% 33.33% 1.0
24 私立 福岡大学 6.83% 6.86% 1.0
25 私立 金沢医科大学 5.14% 5.05% 1.0
26 国立 浜松医科大学 33.50% 32.89% 1.0
27 国立 鹿児島大学 29.34% 28.57% 1.0
28 私立 獨協医科大学 8.24% 8.00% 1.0
29 私立 日本医科大学 9.78% 9.47% 1.0
30 国立 大阪大学 40.31% 38.89% 1.0
31 国立 岡山大学 32.39% 31.08% 1.0
32 国立 秋田大学 33.20% 31.85% 1.0
33 公立 福島県立医科大学 31.25% 29.75% 1.0
34 私立 東海大学 3.85% 3.66% 1.0
35 国立 鳥取大学 14.62% 13.82% 0.9
36 国立 佐賀大学 28.18% 26.63% 0.9
37 国立 旭川医科大学 14.20% 13.33% 0.9
38 私立 東邦大学 7.81% 7.29% 0.9
39 国立 愛媛大学 29.91% 27.88% 0.9
40 国立 香川大学 26.14% 24.29% 0.9
41 私立 杏林大学 8.94% 8.25% 0.9
42 国立 京都大学 33.73% 30.67% 0.9
43 私立 大阪医科大学 13.00% 11.74% 0.9
44 国立 群馬大学 38.61% 34.62% 0.9
45 国立 岐阜大学 20.28% 18.18% 0.9
46 国立 金沢大学 37.02% 32.93% 0.9
47 国立 熊本大学 31.87% 28.13% 0.9
48 私立 東京慈恵会医科大学 15.12% 13.32% 0.9
49 国立 宮崎大学 28.34% 24.71% 0.9
50 国立 東京大学 26.75% 22.86% 0.9
51 私立 国際医療福祉大学 10.58% 9.02% 0.9
52 国立 広島大学 20.04% 16.84% 0.8
53 私立 愛知医科大学 10.96% 9.15% 0.8
54 私立 藤田保健衛生大学 10.37% 8.65% 0.8
55 国立 山口大学 24.15% 20.00% 0.8
56 私立 岩手医科大学 6.84% 5.54% 0.8
57 私立 久留米大学 9.54% 7.64% 0.8
58 公立 名古屋市立大学 17.92% 14.35% 0.8
59 公立 奈良県立医科大学 16.19% 12.96% 0.8
60 国立 名古屋大学 40.27% 31.94% 0.8
61 公立 横浜市立大学 40.00% 31.52% 0.8
62 国立 九州大学 37.55% 29.49% 0.8
63 国立 滋賀医科大学 22.71% 17.37% 0.8
64 私立 近畿大学 7.83% 5.91% 0.8
65 国立 山形大学 28.89% 21.05% 0.7
66 国立 信州大学 29.26% 21.05% 0.7
67 公立 大阪市立大学 31.80% 22.22% 0.7
68 私立 慶應義塾大学 14.63% 10.17% 0.7
69 私立 東北医科薬科大学 14.99% 10.40% 0.7
70 公立 京都府立医科大学 41.15% 28.28% 0.7

文科省医学部緊急調査結果より引用

※東京女子医科大学は女子のみ。帝京大学、筑波大学、山梨大学、広島大学、高知大学は非公開

2018年の女子合格者数率が低かった大学医学部ランキング

男子合格率
男子合格者/
男子受験者)
女子合格率
(女子合格者/
女子受験者)(%)
男子を1
とした場合の
女子合格者の割合
81 私立 東京医科大学 9.04% 2.91% 0.3
80 私立 日本大学 6.13% 3.04% 0.5
79 私立 順天堂大学 10.08% 5.23% 0.5
78 国立 新潟大学 32.26% 18.01% 0.6
77 国立 筑波大学 32.29% 18.78% 0.6
76 私立 埼玉医科大学 5.72% 3.59% 0.6
75 国立 北海道大学 34.25% 22.08% 0.6
74 国立 千葉大学 37.41% 24.72% 0.7
73 国立 山梨大学 37.79% 25.00% 0.7
72 私立 昭和大学 7.05% 4.71% 0.7
71 私立 聖マリアンナ医科大学 7.69% 5.22% 0.7

文科省医学部緊急調査結果より引用

このように問題となった東京医科大学は男子受験者が9%合格しているのに対して、女子受験者はわずか3%にとどまっています。

つまり合格者数の内訳は男子1に対して、女子は0.3人という結果が出ており不正の事実の裏付けになっています。

またワースト11位に入った聖マリアンナ医科大学はこの表では記載していませんが、2018年度の受験において2浪の女子受験者の合格は267人中1のみ(合格率0.3%)、3浪になると141人中0人(0%)とかなり不自然な数字となっています。

これは確率論的に女子、その中でも複数年浪人している女子にかなり厳しい制約を課しているのではないかと疑われてもしょうがないと言えるのではないでしょうか。

2018年と2019年の医学部、女子合格率の変化

それではこのような調査が入り、社会問題化したのち、大学医学部受験における女子差別は改善されたのでしょうか。

それを検証するためにここでは2018年に男女別合格率がよくなかった10大学をピックアップし、2018年と2019年を比較してみました。

医学部合格者のうち、男子を1とした場合の女子合格者の割合。2018年と2019年の比較

2018年 2019年
81 東京医科大学 0.3 1.2
80 日本大学 0.5 1.1
79 順天堂大学 0.5 非公開
78 新潟大学 0.6 0.7
77 筑波大学 0.6 0.7
76 埼玉医科大学 0.6 1.5
75 北海道大学 0.6 0.8
74 千葉大学 0.7 0.9
73 山梨大学 0.7 1.1
72 昭和大学 0.7 1.2
71 聖マリアンナ医科大学 0.7 1.2

2019年データは朝日新聞から引用(https://twitter.com/mt_medical_/status/1132133520816500737/photo/1)

(その他の大学医学部、2019年の参考:男子を1とした場合の女子合格者の割合)

東京大学(0.9)、京都大学(0.5)、東北大学(0.8)、名古屋大学(0.8)、大阪大学(0.7)、九州大学(1.0)、東京慈恵会医科大学(0.9)、慶應義塾大学(0.6)、日本医科大学(1.0)

調査後、男女合格者数比率は大半が改善。しかし未だに変化がない大学医学部も

問題となった東京医科大学医学部を始め、2018年に男女別合格率の比率がよくなかった各大学の医学部も男女合格者数の割合に変化が見られますが、一部はそれほど変わらない大学医学部も存在するようです。

まとめ

いかがだったでしょうか、今回はデータをもとに医学部受験における男女の現在の合格比率をテーマに解説してきました。

いまだ、影響が完全に払拭されたとは言い難い女子や浪人生の医学部受験ですが、2018年の問題を契機に徐々に変革されていくはずと期待したいところですが、いつまで公正な入試が実施されるかも定かではないので1年でも早く合格してしまうことが重要とも言えます。

自宅や学校での勉強だけでなく、医学部予備校なども活用してぜひ合格を勝ち取りましょう!

 
 
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