近年、見通しの立たない不景気の影響で、高収入かつ安定した職業の一つとして医師になりたいと考える学生が多く、大学入試での医学部受験ブームにさらなる加熱が見込まれています。
そしてその医学部受験ブームの内訳は現役生や浪人生にとどまらず、社会人経験を経て医学部を志望する医学部再受験生も増えてきています。
しかしながら、医学部は難易度が非常に高く、かつ定員が少なく狭き門であることから、社会人として大学受験の勉強から遠ざかっていた医学部再受験生は、通常の現役生や浪人生と比べてもはるかに厳しい戦いとなっていることも事実です。
ここでは、医学部再受験生がどのように勉強していけばその厳しい戦いで合格をつかみ取れるかを科目別にまとめていきたいと思います。
医学部再受験では計画をたてることが重要
医学部再受験生では、現役生や浪人生と比べて大学受験勉強のブランクがあることがかなりのディスアドバンテージとなってきます。
したがってやみくもに大学受験の勉強をするのではなく、まずは全体的な計画をたて、その計画に沿って実力をつけていくことを目標にするとよいでしょう。
基本的に医学部再受験生というのは年齢によって記憶力が落ちていたり、問題に対する反応スピードや理解までのスピードも落ちていることが多く、不利な場面が多いです。
したがって合格までの計画を立てるときは、キツキツの計画にするのではなく、ある程度のゆとりをもって計画をたてることが重要。
毎年現役生や浪人生の多くが、あと一歩及ばず不合格になる医学部受験。
医学部再受験生では綿密な合格への計画をたて、効率よく学力を上げていくことが何よりも医学部合格への近道だと言えます。
数学の勉強法
多くの現役生・浪人生にとっても鬼門となりうる数学は、反応速度や理解力が落ちている医学部再受験生にとってはかなり難しいと感じると思います。
特に文系出身者の医学部再受験生は、数Ⅲを新しくやる必要があり、かなりのディスアドバンテージ。
また、大学の中には他学部と分けられて医学部の独自問題が課されていることもあり、この場合は非常に難易度の高い問題が出題されることも。
しかし、いくら難しい問題が多数出題されるからといって、最初から難問の問題集に手を出してはいけません。
最初は大学入試数学の基礎から始め、その後に発展問題を解くことで医学部合格レベルの実力が付くでしょう
あくまでも大学入試でとるべき問題は、基本から標準レベルの問題であり、ここを落としてしまうと不合格が近づいてしまいます。
国公立大学医学部志望の場合
国公立大学を志望する医学部再受験生は、共通テストの数学の対策も必要となります。
共通テストでは思考力を問う問題が多く、大学の二次試験よりもさらにスピードも要求されるため、医学部再受験生にとってはかなり難しいものとなります。
国公立大学を志望する場合は、秋までに基礎力を固め、12月ごろからは共通テストに力の8割を注ぐほどでいいでしょう。
共通テストはまだ過去問が少ないため、形式の近いセンター試験の過去問も活用するといいと思います。
国公立大学医学部の二次試験の数学はほぼ全問記述式であるので、医学部合格レベルまで上げるために日頃から解答作成力を上げるように演習を積みましょう。
共通テストが終わったらすぐに志望大学の過去問演習に時間を使えるように、冬までには苦手分野をできるだけつぶしておくことをおすすめします。
私立大学医学部志望の場合
私立大学を志望する医学部再受験生も、国公立大学志望の医学部再受験生と同様に、秋までには基礎力を固めておくことが必須です。
特に私立大学医学部の一部では共通テストのような穴埋め形式のもので数学を出題することも多いので、国公立大学を受験しなくても共通テストの過去問演習は良い練習になると思います。
私立大学は共通テストが終わったらすぐに受験日程がスタートし、そこからはほぼ毎日のようにどこかの私立大学医学部で受験があるようになります。
したがって、直前に過去問を解く時間がないこともあるので、冬には志望私立大学の数年分の過去問を解いておくこともおすすめです。
英語の勉強法
医学部再受験生にとって英語はアドバンテージになることが多い科目です。
というのも、医学部再受験生は大学卒業後に社会人経験をしており、その多くの場で英語に触れる機会が多いことが理由に挙げられます。
現役生・浪人生以上に英語で得点を稼ぐことで、数学や理科でのディスアドバンテージを埋められる可能性が高いです。
逆に英語で落としてしまうと悲惨で、かなり合格から遠ざかってしまうともいえるので、いかに英語力を受験勉強中に落とさないかが、医学部再受験生にとっては合格の要となります。
国公立大学医学部志望の場合
数学と同様に国公立大学医学部を志望する医学部再受験生は、共通テストの受験が必要となってきます。
しかし数学とは異なり、大学受験レベルの英語の表現や文章そのものは比較的易しいので、より難度の高い英語表現に触れてきた医学部再受験生でしたらば、よほど特別な対策は必要ないと思います。
リスニングについてもよりネイティブに近い英語を聞いてきたのであれば、その英語耳が落ちないようにカバーしてあげれば十分だと思います。
また、国公立大学医学部の英語はかなりオーソドックスな文章で、内容についても自然科学系や社会学系・歴史系などが多い印象。
文系出身の医学部再受験生にとっては国公立大学の英語長文はかなり読みやすい文章といえるでしょう。
東大理Ⅲ志望の医学部再受験生は二次試験に高難度のリスニング試験が課されますが、帰国子女でもかなり難しいと言われており、そこでは合格は決まらないと思われます。
私立大学医学部志望の場合
私立大学医学部では各大学によってかなり特徴のある出題形式であることが多く、医学部再受験生は早め早めに志望大学に合わせた対策をとるべきです。
文章が1000字以上の超長文であったり、要約問題や難度の高い並び替え問題など、英語が得意な医学部再受験生でも一筋縄ではいかない問題が多く見受けられます。
文章の内容自体も国公立大学医学部ではオーソドックスでしたが、私立大学では自然科学系や社会系に加えて、医学系の文章が出題される傾向にあります。
特に単科の私立医学部が出題する医学系の長文の場合、医学英語や前提知識を知らないと難しいものもあり、それに合わせた対策が必要となります。
医学英語は注釈がつくことも多いですが、主要な病名や臓器名・細菌名などは知っている前提で大学側が用意することもあるので注意です。
医学部再受験生の場合は、基本的な文章読解スキルは高いので、こうした医学英語などの対策をとるべきです。
理科2科目の勉強法
理科2科目では、多くの医学部再受験生が苦労するであろう科目です。
数学と違い、問題数が試験時間に比べて多く、よりスピードかつ正確さが問われる科目となっています。
また、文系出身者の医学部再受験生の場合、基礎科目しかやっておらず、物理・化学・生物といった発展レベルの内容を一から始めるのは至難の業といえるでしょう。
国公立大学医学部志望の場合
数学と同様に共通テストの対策も必要になってきます。
大学の二次試験と比べて定性的・知識的な問題が多いため、夏までにまずは基礎のレベルを固めておくとよいでしょう。
理科では二科目が要求されるため、医学部再受験生の合格の秘訣としてはできるだけ早い段階で基礎を身に着け、それから演習量を増やすかにかかっています。
国公立大学医学部の二次試験の対策としては、まずは公式や基本的な事柄を深く理解することです。
全体的に理科二科目の難易度は高いものの、基礎の問題を複数組み合わせたような作りになっていることがほとんど。
難問を解こうと焦る気持ちはわかりますが、あくまでも基礎を深く理解していなければ発展問題は解くことはできないです。
私立大学医学部志望の場合
各大学によって出題される分野や問題の傾向が偏っている場合が多いです。
また、東京慈恵会医科大学などで特徴的ですが、物理でも人体の構造と絡めてきたり、やや医学的な内容に触れてくることもあります。
しかし、いくら医学的な内容に触れてくるとは言っても、基礎を複雑にからめ合わせた問題なので、紐ほどいていくと見たことのある問題に帰着するはず。
また、合格者でもそういった難易度の高い問題であったり、医学的で複雑な問題は解ききれない場合の方が多いので、落としてもよい問題ともいえます。
したがって時間のない私立大学志望の医学部再受験生の場合は、国公立大学志望の医学部再受験生と同様に、夏までに基礎を固め、秋以降からは志望大学の傾向に沿った対策をとることが合格の近道となるでしょう。
面接・小論文の対策
一般的には国公立大学医学部よりも私立大学医学部の方が面接・小論文を重視していることが多いです。
医学部再受験生の場合はどうして前職をやめて医者になりたいのかについての理由や医者になる決意を面接試験で見られることになります。
看護師や薬剤師出身であれば、同じ医療職として理由も考えやすいですが、公務員や非医療職出身であれば志望理由などは面接でつつかれるリスクがあります。
したがって、国公立大学・私立大学の志望によらず、医学部再受験生は入念な面接・小論文対策をとる必要があると考えられます。
また、2018年に東京医科大学と順天堂大学を皮切りに、医学部再受験生が面接試験で不当に減点され、本来なら合格点に達していたのに不合格にされたことが記憶に新しいと思います。
現在はほぼすべての大学が医学部再受験生に寛容にはなっていると思いますが、過去には主に私立大学において面接・小論文で医学部再受験生に対して寛容か、不寛容かが明確に分かれていました。
今の面接・小論文は寛容だろうと安易に受け止めるのではなく、事前に情報を集めておいて志望校選択を早めからしておくことも、医学部再受験生が医学部合格を勝ち取るのに重要です。
面接試験
面接試験は医学部受験において非常に大きなウェイトを占めています。
医学部再受験生はただ普段通りの自分を見せればいいのではなく、いかに医学部再受験を本気で考えているのかなど、他の学生以上に面接では厳しく聞かれることでしょう。
医学部予備校では通期生以外にも直前対策として、模擬面接を行っているところもあるので頼ってみるのも一つの手です。
また医学部予備校の面接対策講座では、どの大学が医学部再受験生に寛容か不寛容かを教えてもらえるので、参加するといいと思います。
小論文
面接試験以外に小論文を合否判定に用いている大学もいくつかあります。
面接試験のような医学部再受験生に寛容か不寛容かなどはあまりないと思いますが、それでも大学側で厳しい採点がとられる可能性もあります。
また、小論文対策で獲得した医学知識は面接試験で活きることも多く、面接で想定外の医学的な質問をされても大丈夫なように入念な対策をとっておくとよいでしょう。
医学部再受験を考えるなら医学部予備校へ
ここまでで、医学部再受験がどれだけ難関であるかを解説してきました。
ただでさえ医学部受験で合格をつかみ取ることは難関であるのに、社会人経験のある医学部再受験生の場合は大学受験の勉強のブランクがある分、さらに志望大学合格へのハードルは高くなります。
そこで、なるべく最短距離で医学部合格を考えるなら医学部予備校をおすすめします。
医学部予備校は医学部受験に特化した予備校のことで、河合塾や駿台といった大手予備校と比べて、講師と生徒間の距離が近いことが特徴。
講師と生徒の距離が近いことで、自分の苦手分野をすぐに見つけてもらい、弱点に特化した演習を組んでくれるため、できるだけ早く基礎力の向上を目指す医学部再受験生にとっては医学部予備校は合格への最短ルートだと言えます。
医学部予備校の学費が高いからといって独学で医学部再受験に臨むのは、控えめに言ってもあまりおすすめできません。
最初に言った通り、医学部再受験生が医学部に合格するには綿密な合格へのプランニングが必要です。
独学でやると演習をするのも計画をたてるのも自分になり、余計に負担が増えてしまいます。
また、独学の場合は各大学に合わせた傾向対策や、医学部再受験生に対しての寛容さなどの情報が入りません。
医学部予備校ではスケジュール管理をしてもらえ、常に最新の医学部受験情報が入ってくるので、最短距離で合格したい医学部再受験生は予備校に払うお金を惜しんではいけません。
来春の医学部に合格した自分への先行投資だと考えれば、その予備校でかかる費用は安いものです。
これから医学部再受験を考えている社会人の方々は、ぜひ医学部予備校を考えてみてはどうでしょうか。
代官山MEDICALの公式サイトです。
https://www.daikanyama1999.com/
ウインダムの公式サイトです。
https://windom.jp/