医学部の人気が高いのはなぜ、そして今後いつまで継続するのか、並びに人気の陰りはあるのか。

医学部人気は今後いつまで続くか

医学部の基礎知識

医学部人気は今後いつまで続くか
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医学部人気が叫ばれて数年が経ちますが、まだまだ偏差値は高く超難関入試のままです。

医学部の人気の理由を今後の展望について、2020年に実施された医学部入試のデータを活用しながら詳しく解説していきます。

最新の2021年向け偏差値も紹介しているので、医学部受験生の方はぜひ確認してみて下さい。

データで見る医学部人気

医学部最高倍率が30倍を超える大学が出るほど、近年の医学部志願者の過熱ぶりはメディアでも大きく取り上げられています。

駿台予備学校とベネッセの調査によると医学部を志望するセンター試験受験者は14,882名、私立大学医学部の一般入試志願者数は108,181名(進学塾ビッグバン調べ)と、2000年の志願者数合計45,501名と比較すれば、少子化にもかかわらずどれだけ受験者数がいかに増えたかを理解できると思います。

医学部の定員は1955年の入学定員2820名だったのが、2018年には9419名まで増加しているにもかからず、上記のような競争倍率を誇っています。

医師不足解消による新たな地域枠の設置、東北医科薬科大学、国際医療福祉大学の開学と1955年に比べて2018年の定員は約3倍にまで激増しています。

しかし、定員が約3倍に増えても医学部人気が著しいため難易度は下がるどころかむしろ上昇しています。

1970年代は私立の医学部であれば偏差値50前後で合格できる大学があったものの、今では最低でも偏差値60は私立の医学部でも要求されるまでになっています。

今後、医学部入試はいったん落ち着くかもしれませんが、上位層はまだまだ医学部に集中するため高い偏差値を維持することが予想されるでしょう。

医学部人気のなぜ・理由

安定した地位と報酬で職を失うリスクが極めて低い

医学部の人気が高まっているのは、やはり安定した地位と所得を魅力に感じている受験生が多いからでしょう。

医師は、弁護士や公認会計士と並ぶ3大難関資格として有名であり、医師不足が叫ばれる今、就職に困ることもありません。

医師になれば周囲からは尊敬されたり、一目置かれる存在として高い評価を得られたりするため、出世や上位層を目指す受験生から人気があります。

また、医師の平均年収は1098万円(平成27年度)と資格別年収ランキングでは弁護士を抜いて第1位となっています。

勤務医師でも平均年収は1400万円と高く、独立開業すれば2000万円も夢ではない高い報酬が期待できます

先行き不透明な経済社会が後押し

さらに、国際競争が激しい昨今は終身雇用も崩壊し、大手企業でも買収や倒産、リストラによっていつ職を失うか分からない時代となりました。

有名企業でも安泰と言えない今、優秀な理系の高校生は医学部を目指す傾向にあり、東大の理系学部より地方の国公立医学部が選ばれる時代となっています。

先行き不透明な経済社会が優秀な受験生を医学部志望へと後押しさせており、昨今の医学部人気の要因となっています。
したがって、社会に出たもののキャリアプランを悲観し、医学部再受験で入り直そうとする人も後を絶ちません

私立医学部の相次ぐ学費値下げ

そして最後に、これまで経済的な理由で医学部を目指せなかった層が、医学部を目指すようになっており、医学部志願者数増加の底上げが増しています。
かつては、経済的に厳しい家庭は国公立医学部しか目指せなかったので、受験者数も優秀な人に限られていました。

しかし、相次ぐ私立大学医学部の学費値下げが実施され、3000万円から4000万円した学費は、今では2000万円前半で済む医学部も増えています。

さらに、医師不足を解消すべく各自治体が学費を肩代わりすることを条件に指定した地域で医師として働くことを約束する地域枠の普及によって、学費を気にすることなく医学部を目指せるようになりました。

したがって、昔は私立の医学部は医者や経営者の子供が目指すのが一般的だしたが、サラリーマン家庭でも私立の医学部を目指せる受験生が増加しており、家計を理由に諦めていた理系の受験生が医学部を目指すようになっています。

医学部人気の状況はいつまで続くのか?

医学部人気は年度によって増減はあるものの今後も継続すると思われ、高い競争倍率を突破しないといけない現状は変わらないと予想されます。
ただし、毎年志願者数が伸びているかと言えばそうではなく、2018年は前年度に比べて志願者数は国公立大学医学部で減少しています。

また、医学部医学科では東大理三が面接試験を復活させたように、学力だけでなく医師として相応しい人格であるかを見極める面接試験を重視し始めています

偏差値偏重の入試制度に危機感を持つ医学部が増えているのは、入学してもコミュニケーション能力が不足する学生が多かったり、医師としての職業に魅力を感じていなかったりなど医学生の資質に疑問を持つ教授も少なくないからです。

そのため、今まで純粋な学力試験だった医学部入試に面接試験が重視されたことで、敬遠する受験生も増えることが予想されます。

しかも、懸念事項としては2019年で医学部定員の臨時増の期限が切れてしまうため、2020年以降は医学部医学科の定員数が減少してしまう可能性があり、今後の厚生労働省の「医療従事者の需給に関する検討会」医師需給分科会の協議の行方がカギを握っています。

定員数が減少すれば、全体の合格者数が減るため、難易度は上がることが予想できます。

2020年度入試は志願者倍率の低下も偏差値は以前として高い

河合塾によると2020年の医学部志願者数は国公立大学および私立大学両方が減少しました。

こちら2021年度から始まる大学入学共通テストを控え受験生が安全志向を取ったことで医学部受験を回避されたこと、また、センター試験の難易度が2020年度は高く平均点が下がったことが関係しているようです。

2020年度の国公立大学医学部は、定員数が前年に比べて62名減少して5,496名となっており、5,500名を切るのは2012年以来。

志願者数も前年と比較して大きく減少しており、志願者倍率は前期4.0倍、後期14.0倍といずれも下がっています。

いっぽう、私立大学医学部は、定員数が前年と比較して17名減少して3,629名

ただし、推薦入試は77名増加して492名まで増えており、一般入試が逆に68名と大きく減少しています。

これは、地域枠や現役生・一浪生を確保したい大学側の表れかもしれません

2020年度の国公立大学医学部定員状況

定員 入学定員 前期日程 後期日程 推薦入試 AO入試
2020年度 5,496(-62) 3,581(-54) 454(-70) 1,212(+58) 233(+19)

※()は2019年度からの増減

2020年度の国公立大学医学部志願者倍率

年度 前期 後期
志願者数 合格者数 倍率 志願者数 合格者数 倍率
2020年度 14,734(-1,656) 3,721 4 7,404(-1,677) 529 14

※()は2019年度からの増減

2020年度の私立大学医学部定員状況

定員 入学定員 一般入試 センター方式 推薦入試 AO入試 その他
2020年度 3,629(-17) 2,573(-68) 353(+2) 492(+77) 51(-6) 38(+1)

2020年度の私立大学医学部志願者倍率

志願者数 合格者数 倍率
2020年度 94140(-2,179) 6,334(-129) 14.9(0)

※埼玉医科大学、東京女子医科大学を除いた集計値

医学部人気が少し下がっている理由は、入試改革やセンター試験の難易度が高かっただけではありません。

IT技術や人工知能(AI)の分野の発展が著しく、新卒でも高額な対価が支払われることも珍しくなく、優秀な理系の学生で高額な報酬を目指す人は、医学部ではなくIT技術やAIが学べる情報系や工学系の分野に進学を希望数る場合も増えています。
医師は高い報酬と地位が得られますが、人の命を預かるという高い責任を持ち、長時間労働も多く過酷な労働環境であることは有名です。

それに加えて、2020年は新型コロナが世界的に流行し、医師は感染リスクと隣り合わせで医療を提供しなければならない過酷な現場も注目されました。

では、今後医学部人気に陰りが生じ、難易度が大きく低下するかと言えば、その可能性は低いと言えるでしょう。

先にも述べた通り、医学部定員数は徐々に縮小されることが予想され、まだまだ地位と報酬は高く、何より医師になれば経済情勢の影響も受けにくい安定した雇用が期待できるからです

1970年代のような偏差値50台でも合格できるような難易度になることは無いと言えます。

受験ブームに便乗して腕試しで医学部を受験する層が減り、純粋に医者を目指しす受験生間でハイレベルな競争が繰り広げられると予想しながら、中学生や小学生の世代も今のうちからしっかりと受験に備えた早期対策をしておくことが重要となります。

2021年度の偏差値ランキングでも分かる受験の難しさ

医学部医学科の2021年度向け最新の偏差値ランキングを確認しても分かる通り、まだまだ難易度は非常に高いです。人気がひと段落ついて志願者が減少したとしても、医師を目指す優秀な受験生は一定数は残るため、まだまだ上位層間での競争は続きます。

海外の大学事情を見ても分かるように医学部はどの国も入学するのが困難。

定員数も徐々に減少してくることが予想され、人気が落ちるからと言って、偏差値も落ちるとは限りません。

2021年度向け医学部偏差値ランキング【国公立・私立】

2020年の入試結果をもとに2021年度向けに河合塾・駿台の偏差値を集計して平均化しました。

あくまで目安であり、偏差値をクリアしていても不合格になる可能性はあります。

順位 大学名(医学部医学科) 河合塾偏差値 駿台偏差値 偏差値平均
1 東京大学 79 72.5 75.8
2 京都大学 78 70 74
3 慶應義塾大学 74 72.5 73.3
4 大阪大学 74 70 72
5 東京医科歯科大学 72 70 71
6 九州大学 70 67.5 68.8
7 東京慈恵会医科大学 67 70 68.5
8 千葉大学 69 67.5 68.3
8 名古屋大学 69 67.5 68.3
10 順天堂大学 66 70 68
11 東北大学 68 67.5 67.8
11 神戸大学 68 67.5 67.8
13 日本医科大学 65 70 67.5
14 北海道大学 67 67.5 67.3
14 横浜市立大学 67 67.5 67.3
14 奈良県立医科大学 67 67.5 67.3
17 防衛医科大学校 66 67.5 66.8
18 京都府立医科大学 68 65 66.5
18 大阪市立大学 68 65 66.5
18 広島大学 68 65 66.5
21 岐阜大学 65 67.5 66.3
22 金沢大学 67 65 66
22 岡山大学 67 65 66
24 大阪医科大学 64 67.5 65.8
25 筑波大学 66 65 65.5
25 名古屋市立大学 66 65 65.5
27 自治医科大学 63 67.5 65.3
27 昭和大学 63 67.5 65.3
29 産業医科大学 60 70 65
29 新潟大学 65 65 65
29 和歌山県立医科大学 65 65 65
29 長崎大学 65 65 65
29 熊本大学 65 65 65
34 関西医科大学 62 67.5 64.8
34 宮崎大学 62 67.5 64.8
36 群馬大学 64 65 64.5
36 信州大学 64 65 64.5
36 滋賀医科大学 64 65 64.5
36 浜松医科大学 64 65 64.5
36 山口大学 64 65 64.5
41 福井大学 63 65 64
41 大分大学 63 65 64
41 鹿児島大学 63 65 64
44 東邦大学 60 67.5 63.8
44 三重大学 65 62.5 63.8
46 国際医療福祉大学 62 65 63.5
46 愛媛大学 62 65 63.5
48 日本大学 59 67.5 63.3
48 富山大学 64 62.5 63.3
50 旭川医科大学 61 65 63
50 弘前大学 61 65 63
50 秋田大学 61 65 63
50 島根大学 61 65 63
50 佐賀大学 61 65 63
50 琉球大学 61 65 63
56 東京医科大学 58 67.5 62.8
56 札幌医科大学 63 62.5 62.8
56 香川大学 63 62.5 62.8
56 高知大学 63 62.5 62.8
60 近畿大学 60 65 62.5
61 鳥取大学 62 62.5 62.3
62 愛知医科大学 59 65 62
63 山形大学 61 62.5 61.8
63 福島県立医科大学 61 62.5 61.8
65 東北医科薬科大学 58 65 61.5
65 杏林大学 58 65 61.5
65 東京女子医科大学 58 65 61.5
65 藤田医科大学 58 65 61.5
65 久留米大学 58 65 61.5
70 北里大学 57 65 61
70 帝京大学 57 65 61
70 東海大学 57 65 61
70 聖マリアンナ医科大学 57 65 61
70 徳島大学 62 60 61
75 兵庫医科大学 59 62.5 60.8
76 福岡大学 56 65 60.5
77 岩手医科大学 55 65 60
77 金沢医科大学 55 65 60
79 獨協医科大学 55 62.5 58.8
79 埼玉医科大学 55 62.5 58.8
81 川崎医科大学 52 60 56

偏差値に惑わされ過ぎないこと

医学部は超難関入試であるため、偏差値ばかりに目が行きそうですが、例え偏差値がクリアしていても不合格になることもあります。

これは、特に私立大学医学部の場合は入試傾向が明確に異なっており、大学別の対策をしっかりしておかないと偏差値があっても点数が伸びないからです。

本気で合格を目指すライバルは過去問対策や大学別入試対策を徹底的に行い、高得点を狙ってくるので、このような受験生は偏差値が多少低くても合格することもあります。

また、医学部によって入試の配点比率は異なるため、偏差値に関係なく得意科目の点数が高い大学ほど合格できる確率は高いです。

以上のように、2020年の入試でもそうでしたが、偏差値に惑わされることなく、総合的な判断から大学を選び対策をした受験生の多くが合格を勝ち取っています。

偏差値もあくまで参考材料の1つとして捉えておきましょう。

合格に向けて質の高い受験対策の早期開始がおすすめ

医学部人気が減少しても、合格難易度は高く偏差値の横ばいが予想されるなか、合格を実現するにはやはり質の高い勉強が必須。

しかも、近年は一般枠を減少して推薦入試や地域枠など多浪生が受験できない試験区分に定員を増やしてくる大学も多いので、いかに現役・一浪で合格できるかが非常に重要となってきます。

短期で医学部合格を実現するための高度な偏差値・学力を有するには、質の高い勉強をいかに早くから始められるかがカギとなります

最近は、中学生向けのコースを設置する医学部予備校もでてくるなど、早くから受験対策を始める生徒が増加中です。

医学部予備校では専門的な指導が丁寧に受けられるので、早く始めれば始めるほど偏差値上昇が見込め、現役合格の可能性が高くなります。

人気の影響に左右されず、医学部合格に必要な学力や偏差値を習得することが一番重要です。

【まとめ】2020年度の入試結果を振り返って

2020年度の入試を振り返ってみると医学部の志願者数が減少したことで偏差値は若干下がりました。

とは言っても、まだまだ偏差値は高いレベルで推移し、まだまだ医学部人気は高く難関であることは変わりありません。

入試結果を踏まえ、2020年で偏差値や志願者数が下がった医学部は、2021年度では増加が予想されます。

偏差値だけが志望校選びの判断材料ではありません。

試験傾向や配点比率など総合的な判断から志望校を選ぶようにしましょう。

 
 
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