国内は、偏差値ランキングで大学を評価する傾向にありますが、海外では調査機関が作成した大学の世界ランキングが毎年公表されています。
世界ランキングは様々な海外の機関から作成されいますが、イギリスの大学評価機関のクアクアレリ・シモンズ社(QS)の「QS世界大学ランキング」やタイムズ・ハイアー・エデュケーションの「THE世界大学ランキング」などが、歴史が古く有名です。
ランキングは、評価機関によって調査項目が異なってきますが、教員比率や論文引用数、留学生率など多岐に渡って評価されています。
偏差値ランキングのように、入学難易度だけで評価されていないのが世界ランキングの特徴です。
ここでは、2004年から世界大学ランキングを公表しているQS社の医学部ランキングを紹介したいと思います。
QS世界大学ランキングTOP30 医学部編 (2019年)
QS世界大学ランキングの評価指標
項目 | 配分 | |
---|---|---|
1 | 各国学者のピア・レビュー | 40% |
2 | 雇用者の評価 | 10% |
3 | 学生一人あたり教員比率 | 20% |
4 | 教員一人あたり論文引用数 | 20% |
5 | 外国人教員比率 | 5% |
6 | 留学生比率 | 5% |
順位 | 大学 | 国 |
---|---|---|
1位 | ハーバード大学 | アメリカ |
2位 | オックスフォード大学 | イギリス |
3位 | ケンブリッジ大学 | イギリス |
4位 | スタンフォード大学 | アメリカ |
5位 | ジョンズ・ホプキンズ大学 | アメリカ |
6位 | カロリンスカ医科大学 | スウェーデン |
7位 | カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA) | アメリカ |
8位 | イェール大学 | アメリカ |
9位 | ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL) | イギリス |
9位 | マサチューセッツ工科大学(MIT) | アメリカ |
11位 | カリフォルニア大学サンフランシスコ校 | アメリカ |
12位 | インペリアル・カレッジ・ロンドン | イギリス |
12位 | トロント大学 | カナダ |
14位 | コロンビア大学 | アメリカ |
15位 | ペンシルバニア大学 | アメリカ |
16位 | デューク大学 | アメリカ |
17位 | メルボルン大学 | オーストラリア |
18位 | シドニー大学 | オーストラリア |
19位 | マギル大学 | カナダ |
20位 | キングス・カレッジ・ロンドン | イギリス |
20位 | カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD) | アメリカ |
22位 | エジンバラ大学 | イギリス |
23位 | シンガポール国立大学 | シンガポール |
24位 | ミシガン大学 | アメリカ |
25位 | シカゴ大学 | アメリカ |
26位 | 東京大学 | 日本 |
27位 | ロンドン・スクール・オブ・ハイジーン & トロピカル・メディスン | イギリス |
27位 | ワシントン大学 | アメリカ |
29位 | 香港大学 | 香港 |
30位 | ブリティッシュコロンビア大学 | カナダ |
上記トップ30の医学部は、アメリカやイギリスの大学が大半を占めており、欧米の医学部が強いことが分かります。
日本の最高学府である東京大学理科三類は26位となっており、アジア地域でトップを誇っていましたが、現在はシンガポール国立大学(23位)に次ぐ順位となってしまいました。
QS世界大学ランキングでは、500位まで掲載しているので、興味がある方は英語ですが一度確認してみることをおすすめします。
国立大学医学部は世界大学ランキングでも健闘中
では、その他の日本の医学部は何位にランクインしているか300位まで見ていきましょう。
順位 | 大学 | 国公立/私立 |
---|---|---|
45位 | 京都大学 | 国立 |
51-100位 | 大阪大学 | 国立 |
51-100位 | 東京医科歯科大学 | 国立 |
101-150位 | 慶応義塾大学 | 私立 |
101-150位 | 東北大学 | 国立 |
151-200位 | 九州大学 | 国立 |
151-200位 | 名古屋大学 | 国立 |
151-200位 | 北海道大学 | 国立 |
251-300位 | 神戸大学 | 国立 |
301-350位 | 広島大学 | 国立 |
301-350位 | 金沢大学 | 国立 |
301-350位 | 筑波大学 | 国立 |
351-400位 | 千葉大学 | 国立 |
351-400位 | 近畿大学 | 私立 |
351-400位 | 熊本大学 | 国立 |
351-400位 | 岡山大学 | 国立 |
351-400位 | 大阪市立大学 | 公立 |
351-400位 | 東海大学 | 私立 |
401-450位 | 群馬大学 | 国立 |
401-450位 | 長崎大学 | 国立 |
401-450位 | 信州大学 | 国立 |
401-450位 | 横浜市立大学 | 公立 |
451-500位 | 三重大学 | 国立 |
451-500位 | 日本大学 | 私立 |
451-500位 | 新潟大学 | 国立 |
451-500位 | 島根大学 | 国立 |
ランキングを見てみると50位以内に入っているのは東京大学と京都大学のみが該当。
日本の大学は世界の大学と異なり、国際化のスピードが遅いため、毎年順位を落としていく大学が多い用です。
これは医学部医学科のおいても同じで、少し前までは東大医学部はアジア地域でトップでしたが、今はシンガポール国立大学に次ぐ2位に順位を落としてしまっています。
それでも旧帝大をはじめとした国立大学の医学部医学科はまだまだ上位にランクインしており健闘中です。
最近は、国際化に伴い偏差値だけでなく、世界大学ランキングへの関心も高まりつつありますが、判定基準は研究実績や環境並びに国際性などあらゆる項目から相対的に評価されており、入試偏差値とは比例していないので難易度が高い大学だから上位に位置するとは限りません。
やはり、臨床の私立とちがって研究が盛んな国立の医学部がまだまだ強い性格が反映されています。
興味深いのは、偏差値は中堅レベルであっても歴史や実績の豊富な医学部はランキングの順位も高いということです。
例えば、旧制医科大学をルーツに持つ金沢大学や熊本大学は地方国立大学であるため偏差値は見劣りしますが、世界ランキングでは国内医学部のなかでも上位に位置しています。
つまり、偏差値が低くても研究が活発で世界的に評価が高い医学部は、それだけ質の高い医学教育が受けられるので、医者としてのキャリア形成には魅力的だとうことです。
もちろん、日本には医局や派閥などといった風習や文化もまだまだ残っていることは否定できず、偏差値が良い大学ほど出世やキャリアで有利になることも否定はできません。
しかし、世界的に認められた医学部はそれだけ高度な教育環境が整っている証拠であり、偏差値だけが志望校選びの基準にならないとうことです。
海外留学や大学受験
近年、海外留学する医学部生や日本の大学ではなく海外の大学の医学部へ進学を希望する方も増えています。
医学部生の海外留学とは
海外の大学のいくつかは積極的に日本の医学部生の受け入れに積極的です。国によって医学教育や医療制度が異なりますので、全てが日本より優れているわけでは当然ありませんが、海外の先端医療に触れることができたり、海外で身につけることができる語学力はこれからのグローバル社会において重要となりそうです。
海外留学の方法としては大体2つのの方法があります。
日本の大学から提携している海外の大学医学部へ留学する方法と、日本の大学を卒業してから海外医学部へ留学する方法がありますので、興味がある方は専門のコーディネーターなどに相談してみるのも良いでしょう。
直接海外の大学医学部を受験する人も増加
留学ではなく、直接海外の大学医学部を志す方もいます。また一旦、海外の大学に入り卒業してから現地のメディカルスクールに進むという選択肢もあります。
日本の医学部、特に私立大学の学費は非常に高額ですし、東京などで医学部に進もうとすると非常に競争が激しいです。
その点、海外の大学によっては学費が安く、入学難易度も低い場合もあるので希望する人が増えているというわけです。
海外の大学を卒業しても医師免許を取得することができる
もちろん海外の医学部を卒業したとしても、日本の医師免許を取得することが可能。
ただし、海外の医学部の学生が医師免許を取得する際には日本の医師免許試験を受験する前に厚生労働省の審査に通る必要があるという点。
この厚生労働省の審査の内容は修学年数や成績、大学の教育水準を見られます。もちろん成績も考慮されるので一概には言えませんが、多くの方が審査をパスしているようなので、それほど心配はいらないようです。
万が一、審査に通らない場合は予備試験受験資格のみ認められたり、受験資格を得られないということになり、その場合は複数の試験や1年以上の実地訓練を求められることになります。
海外の大学に通うことのメリットとは?
海外の大学に通うことの一番のメリットは以下のような点が挙げられます。
- 比較的学費が安く済むことが多い
- 入学試験の必要科目数が少ないことが多い
- 国によっては競争倍率が低い
- 語学力が身につく
- 海外の医師免許を取得できる可能性がある
海外の大学に通うことのデメリットとは?
対して、海外の大学に通うことのデメリットも見てみましょう
- 日本の医師国家試験受験資格が許可されない可能性もある
- 日本の大学よりも卒業難易度が高い
- 語学習得の必要がある
- 国によっては生活費用が高くなる
これらを考慮して海外医学部留学や入学を考慮してみると良いでしょう。
代官山MEDICALの公式サイトです。
https://www.daikanyama1999.com/
ウインダムの公式サイトです。
https://windom.jp/