医学部には医学科以外にも保健学科や看護学科があり試験の難易度も異なってきます。

医学部内の学科を難易度で比較

医学部を徹底比較

医学部内の学科を難易度で比較
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医学部には大学によって医学科以外にも多くの学科が存在しています。

そこで今回は国公立・私立大学の医学部にはどんな学科があり、合格に必要な入試難易度について紹介していきます。

漠然と医学部合格を目標にしている受験生はぜひこの機会に医学部には様々な学科があることを理解しておきましょう。

医学部に設置されている学科とその合格難易度

医学部と言っても、医師を目指す医学科だけでなく、医学に関する様々な学科が設置されています。

つまり、医学部に入学したからと言って全ての学生が医師になれるわけではなく、所属する学科によって専門的に学ぶ領域や目指す職業は異なってきます。

また、医学部であっても学科によって偏差値は異なってくるため、ここでは医学部のそれぞれの学科を難易度で比較していきたいと思います。

同じ医学部であっても学科が違えば難易度もバラバラだということが理解できるかと思います。

下記で紹介する学科は、それぞれ学部として独立している大学も多いですが、ここは医学部をテーマに紹介しているので、医学部内に設置されている学科に限ってそれぞれ紹介しています。

医学科


医学科は一般的に医学部と言ってイメージされる学科で、将来は医師になるために必要な知識やスキルを6年間かけて学んでいきます。

人の命を預かる仕事で責任重大な医師を養成する学科であるため、学生生活は決して楽ではありません。

実際、医学部によって留年率が高い大学も少なくなく、6年間ストレート卒業率が7割を切る大学も多いのが事実

医学科に入学するために必死に受験勉強を行い、合格後もまた勉強の日々という大変な生活が待っています。

医師になるために、医学部卒業後に国家試験を受験し、合格後は2年間の研修期間を経る必要があります。

医学部医学科に在籍する学生はほとんどが医師国家試験に合格して医師免許を取得し、研究医または臨床医として医療界に貢献。

ただし、中には医師国家試験に合格できなかったり、自分には医師という仕事が合わないと感じたりして医師以外の道へ進む学生もたまにいます。

試験科目が多く最も入試難易度が高い学科

周知の通り、医学部医学科に入学するには最も難易度が高い医学部受験を突破する必要があり、私立でも最低偏差値は60以上が求められ、合格できるのは一握りとなります。

近年は、医学部受験ブームによって特に人気が高く、少子高齢化による大学全入時代と言われる時代でも高い競争倍率と難易度を突破しないと入学できません。

医学部医学科の場合は試験科目が多く、国公立の場合は理系でも国語や社会で高得点が要求されます。

また、全医学部医学科で面接試験が投入されており、筆記試験だけでなく医師としてのコミュニケーション能力や適性が見極められるのも特徴です。

医学部医学科の難易度・偏差値はこちら>>

健康総合科学科


健康総合科学科は、最高学府である東京大学の医学部に医学科と共に設置されている4年制の学科です。

東大の健康総合学科は、「環境生命科学専修」「公共健康科学専修」「看護科学専修」の3つが設置され、専修間の連携を行いながら人間の健康を支える理論と実践を学んでいきます。

環境生命科学専修は、「人間の生物学」をテーマに学ぶコースとなります。

健康事業を理解するうえで必須となる人間生物学では、構成要素となる臓器・細胞・分子レベルの生命科学や、人間が集団生活を送る場所についての環境学を学んでいきます。

卒業後の主な進路は、製薬・食品・バイオ・環境に関わる一般企業から国自治体、民間シンクタンク、マスメディアなどへの就職から大学院への進学まで多岐わたって活躍しています。

公共健康科学専修は、医学や疫学研究のデザインからデータ分析、治療や予防効果の実証、病気に関する社会負担や医療政策など幅広い分野を学びます。

卒業後は、保健福祉や医療の分野から一般企業まで就職先は様々で、中には更なる知識習得や研究を求めて大学院に進学し、教育研究機関、NPO、国際機関で活躍している卒業生もいます。

看護科学専修は、生命科学を中心に学びながら密接に関連する社会環境も踏まえ看護学科の実践者(看護師)や研究者の育成を行っています。

生命科学をミクロからマクロの視点で学べるのが東大の看護学科専修であり、卒業後は臨床や研究並びに行政など様々な分野で活躍することが可能です。

東大医学部の難易度・偏差値を比較

学科 偏差値(河合塾)
医学科(理科三類) 72.5
健康総合科学科(理科二類) 67.5

理科三類からはほとんどが医学科へ進学、そして、理科二類からは健康総合科学科や理工系、農学部、薬学部へ進学することになります。

東京大学の場合は、入学後は教養学部に在籍し幅広く教養科目を2年間(前期課程)学んでいき、3年次から後期課程で各希望の学科へと進学します。

在籍する各科類によって進学する学部学科はある程度決まっていますが、希望と成績によって内定されることから、優秀な成績を収めた理科二類の学生は医学科へ進学することもあります。

東大の場合、やはり国内最高学府だけあって医学科ではない健康総合科学科でも偏差値67.5と、他の大学であれば医学部医学科に合格できる難易度を誇っています。

ちなみに偏差値67.5は、名古屋大学や九州大学などの旧帝大医学科と同じ難易度のため、どれだけ難しいかが理解できるかと思います。

看護学だから、医学科ではないからと、難易度は大きく下がらないのが東大の特長です。

看護学科


医学部内に看護学科を設置している大学も多く、在学中からチーム医療が学べると評判です。

看護学科は卒業後に看護師の国家試験受験資格が得られる学科で、看護師を目指す人が主に在籍しています。

看護師は専門学校(3年制)でも受験資格を取得することも可能ですが、4年制の大学で学ぶことで、より高度な専門知識と教養を学ぶことが可能です。

医療技術の進歩や複雑化によって看護師に求められる知識や技術も日々増加しており、大卒の看護師を採用する医療機関も増えており、給料などの待遇面も大卒のほうが高く設定されている傾向にあります。

また、看護学科では保健師を養成するプログラムが用意されている大学も多く、看護師および保健師両方の国家試験に合格できれば、将来は市区町村の保険センターで働くことが可能です。

総合大学の医学部は、東大のように医学部保健学科の中に看護学専攻としてコースを設置している大学も多いです。

国公立大学看護学科の難易度・偏差値を比較

まず、国公立大学医学部内に設置されている看護学が先行できる学科と医学科との難易度を比較しています。

また、看護学科の中には2次試験の学科試験がなく、小論文や面接のみといった大学もあるので、その場合はセンター試験の得点率を表示しています。

国立大学医学部 学科 偏差値または共テ(%)【河合塾】
神戸大学 医学科 67.5
保険学科(看護学) 57.5
東京医科歯科大学 医学科 70.0
保険衛生学科(看護学) 57.5
大阪大学 医学科 70.0
保健学科(看護学) 57.5
九州大学 医学科 67.5
保健学科(看護学) 57.5
北海道大学 医学科 65.0
保健学科(看護学) 52.5
筑波大学 医学科 65.0
看護学科 57.5
名古屋大学 医学科 67.5
保健学科 55.0
岐阜大学 医学科 65.0
看護学科 55.0
京都府立医科大学 医学科 67.5
看護学科 共テ75%、2次学科なし
奈良県立医科大学 医学科 70.0
看護科(一般枠) セ試70%、2次学科なし
横浜市立大学 医学科 67.5
看護学科 共テ70%、2次学科なし
浜松医科大学 医学科 65.0
看護学科 47.5
三重大学 医学科 65.0
看護学科 50.0
広島大学 医学科 67.5
保健学科(看護学文科系) 55.0
保健学科(看護学理科系) 52.5
岡山大学 医学科 65.0
保健学科(看護学) 52.5
愛媛大学 医学科 65.0
看護学科 共テ69%、2次学科なし
旭川医科大学 医学科 65.0
看護学科 共テ68%、2次学科なし
島根大学 医学科 65.0
看護学科 セ試68%、2次学科なし
長崎大学 医学科 65.0
看護学科 52.5
熊本大学 医学科 67.5
看護学科 52.5
香川大学 医学科 65.0
看護学科 共テ67%、2次学科なし
富山大学 医学科 65.0
看護学科 50.0
福井大学 医学科 65.0
看護学科 共テ66%、2次学科なし
徳島大学 医学科 65.0
保健学科(看護学) 47.5
鹿児島大学 医学科 65.0
保健学科(看護学) 50.0
新潟大学 医学科 65.0
保健学科(看護学) 50.0
山口大学 医学科 65.0
保健学科(看護学) 47.5
佐賀大学 医学科 65.0
看護学科 セ試65%、2次学科なし
山形大学 医学科 65.0
看護学科 50.0
群馬大学 医学科 65.0
看護学 共テ65%、2次学科なし
弘前大学 医学科 67.5
保健学科(看護学) 50.0
山梨大学 医学科 後期のみ
看護学科 共テ64%、2次学科なし
信州大学 医学科 65.0
保健学科(看護学) 55.0
鳥取大学 医学科 65.0
保健学科(看護学) 47.5
高知大学 医学科 65.0
看護学科 共テ63%、2次学科なし
宮崎大学 医学科 65.0
看護学科 セ試63%、2次学科なし
大分大学 医学科 65.0
看護学科 47.5
秋田大学 医学科 65.0
保健学科(看護学) 47.5

私立大学看護学科の難易度・偏差値を比較

次に下記の私立大学を見てみると医学部内ではなく、看護学部として独立していたり、他の保健系学部と同じになっていたりするほうが多いようです。

偏差値を見てみるとやはり医学科のほうが圧倒的に難易度は高く、偏差値だけで見ると10から15以上の差が生じている医学部も少なくありません

私立大学医学部 学科 偏差値またはセ試(%)【河合塾】
東京慈恵会医科大学 医学科 70.0
看護学科 55.0
東京医科大学 医学科 67.5
看護学科 55.0
東海大学 医学科 65.0
看護方式 52.5
福岡大学 医学系統別 65.0
看護系統別 52.5
看護前期 50.0
久留米大学 医学科 67.5
看護学科 45.0

受験するなら学費がやすい国公立がおすすめ?

国公立および私立大学の医学部看護学科の偏差値を見ても分かる通り、国立大学でも看護学科なら入試難易度が下がる大学は沢山あります。

したがって、国公立大学なら学費も私立に比べて安いので医学部看護学科を目指すならおすすめです。

ただし、国公立大学医学部看護学科の場合は共通テストの受験が必須となるため、その分の難易度は上がってしまうことは注意しておきましょう。

保健学科


保健学科は、健康増進やリハビリーや医療スタッフとして活躍できる専門職を目指せる学科となっているケースが多いようです。

主な目指せる資格としては、作業療法士、理学療法士をはじめ、放射線技師や臨床検査技師などの国家資格があります。

上記の資格は、専門学校に進学しても受験資格を得ることが可能ですが、看護師同様に4年制という長い期間学ぶことでより知識や技術を深く学ぶことが可能となっています。

なお、医学部内に保健学科を併設している大学は国公立のみなとなっています。

国公立大学保健学科の難易度・偏差値を比較

国立大学医学部 学科 偏差値または共テ(%)【河合塾】
神戸大学 医学科 67.5
保健学科(検査技術科学) 57.5
保健学科(理学療法学) 60.0
保健学科(作業療法学) 52.5
北海道大学 医学科 65.0
保健学科(理学療法学) 55.0
保健学科(検査技術科学) 57.5
保健学科(放射線技術科学) 57.5
保健学科(作業療法学) 55.0
大阪大学 医学科 70.0
保健学科(検査技術科学) 57.5
保健学科(放射線技術科学) 57.5
筑波大学 医学科 67.5
保健学科(医療科学) 55.0
東北大学 医学科 67.5
保健学科(放射線技術科学) 55.0
保健学科(検査技術科学) 55.0
名古屋大学 医学科 67.5
保健学科(検査技術科学) 57.5
保健学科(理学療法学) 57.5
保健学科(放射線技術科学) 55.0
健康学科(作業療法学) 52.5
東京医科歯科大学 医学科 70.0
保健学科(放射線技術科学) 55.0
九州大学 医学科 67.5
保健学科(検査技術科学) 57.5
保健学科(放射線技術科学) 55.0
新潟大学 医学科 65.0
保健学科(放射線技術科学) 52.5
保健学科(検査技術科学) 55.0
岡山大学 医学科 65.0
保健学科(検査技術科学) 52.5
信州大学 医学科 65.0
保健学科(検査技術科学) 55.0
保健学科(理学療法学) 55.0
保健学科(作業療法学) 52.5
岡山大学 医学科 65.0
保健学科(放射線技術科学) 50.0
山口大学 医学科 65.0
保健学科(検査技術科学) 50.0
群馬大学 医学科 65.0
保健学科(検査技術科学) セ試71%、2次学科なし
保健学科(理学療法学) セ試67%、2次学科なし
保健学科(作業療法学) セ試61%、2次学科なし
熊本大学 医学科 67.5
保健学科(検査技術科学) 52.5
保健学科(放射線技術科学) 52.5
広島大学 医学科 67.5
保健学科(理学療法学) 55.0
保健学科(作業療法学) 50.0
徳島大学 医学科 65.0
保健学科(放射線技術科学) 52.5
保健学科(検査技術科学) 50.0
鹿児島大学 医学科 65.0
保健学科(理学療法学) 50.0
保健学科(作業療法学) 50.0
弘前大学 医学科 67.5
保健学科(放射線技術科学) 52.5
保健学科(検査技術科学) 52.5
保健学科(理学療法学) 50.0
保健学科(作業療法学) 50.0
鳥取大学 医学科 65.0
保健学科(検査技術科学) 50.0
琉球大学 医学科 65.0
保健学科 50.0
秋田大学 医学科 65.0
保健学科(理学療法学) 50.0
保健学科(作業療法学) 47.5
長崎大学 医学科 65.0
保健学科(作業療法学) 52.5

まとめ~医学部は学科によって入試難易度は様々~

医学部は医学科のイメージが大きいですが、それ以外にも多く医療・福祉関係の学科が設置されていることがあります。

合格難易度は、医学科が一番難しいですが、その他の学科でも国公立大学では、特に旧帝大学を中心に難易度が高めです。

医学科以外を目指す場合は、国公立・私立の大学によって難易度が大きく異なってくるので、自分の学力に合った大学を目指すと良いでしょう。

医学部医学科の難易度を他学部と比較はこちら

 
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