医学部入試の特徴の1つが、二次試験で面接が導入されていることです。
面接試験は、大学の理念に合っているか、医師としての資質があるかの判断基準として実施されています。
しかし、受験生の中には苦手意識を持っている人もいるのではないのでしょうか。
そこで今回は面接を実施していない大学があるのか、試験の概要を踏まえながら解説していきます。
目次
医学部が実施する面接試験の概要
医学部は、偏差値の高い難関入試を合格する必要があるため高度な学力が求められると思いがちですが、医師問う職業は人の命を預かる責任の重い仕事であり、また、患者さんに寄り添って医療を提供する必要があることから倫理感とホスピタリティ精神も最近は重視されています。
しかし、学力試験では人物的な評価を行うことはできません。
そこで医学部入試で実施されているのが面接試験です。
医学部の入試に関しても、学力選抜試験に加え面接試験が課せられています。
面接試験は、個人、集団面接、グループディスカッションと様々な種類があり、医学部によって形式が異なっているのが特徴です。
また、面接に配点を設けているところもあれば、総合的な判断材料として点数を設けていない医学部もあります。
医学部によっては、面接で入学に不適当とみなされた場合は、学科試験の成績に関係なく不合格となる大学もあるので侮れません。
学科試験と同じく医学部合格を勝ち取るには対策が必要不可欠となります。
面接のない入試を実施している大学はあるの?
以前は、国立大学を中心に面接を実施していない、完全学力勝負の大学もいくつかありました。
年齢や経歴をネックに持つ再受験生や多浪生にとって面接試験のない医学部は人気でした。
しかし、面接を実施していない医学部では、医師として相応しくない学生が入ってきてしまう点が問題になることもあり、相次いで面接試験を導入。
過去には、東京大学、岐阜大学、九州大学、熊本大学の4大学が面接試験を実施していませんでしたが、2020年度から九州大学が面接試験を採用したことで、今では全ての国公立・私立大学で面接試験が実施されています。
したがって、今は医学部に入りたいなら面接試験は避けては通れない必須条件です。
ただし、面接試験があるからと言って臆することはありません。
今も、30代の再受験生が医学部合格を勝ち取っているなど、面接試験が実施されていても医学部に合格できる可能性が大きく下がった訳ではありません。
事実、熊本大学は面接試験を導入後も再受験生には寛容なままであり、多くの20代後半・30代の合格者が誕生しています。
むしろ、医学部受験ブームで腕試し感覚で合格を目指す層が面接である程度排除できるようになったので、純粋に医師を目指す受験生が合格しやすくなっているのです。
面接試験の段階評価って何?
医学部入試では、面接試験に点数を設けず、段階評価としている大学は意外と多いです。
段階評価の注意点は、どんなに学科試験の点数が合格点に達していても、医師として不適格だと評価されれば不合格になってしまうということです。
よほどのことがない限り、筆記試験で点数が取れていれば合格できますが、中には面接で不合格になってしまう受験がいるのは事実。
特に近年は医師や医学生の不祥事の増加、そして、受験ブームにより医師になりたいというよりも腕試し感覚で受験してくる層が増加しているため、面接でそうした受験生をふるいに落とすために重視されつつあります。
点数が取れて学力優秀な受験生でも医師としての資質が欠けていれば社会に貢献できる医療人にはなれないので、段階評価方式で面接を採用している大学が沢山あるということです。
なお、段階評価を行う医学部の面接試験では、面接官の評価が低い場合は再面接になることが一般的。
そして、再面接でも医師としての適正に欠けると判断され場合は不合格という流れとなります。
医学部合格に必要な最低限の対策ポイント
学力試験と同様、面接試験も学校によって問われる内容が異なっており、また、面接官や校風によって最適な模範解答は異なってきます。
ここでは、医学部の面接試験を前に対策しておきたい最低限のポイントや注意点などを紹介します。
志望動機や定番質問には回答を用意しておく
面接試験で特に個人の場合は、定番の質問内容があります。
これらの質問は、ライバルの受験生もしっかりと準備してくるため、ぜひ自分なりの回答を用意しておきたいところ。
ただし、嘘をついてしまうとどこかでボロが出てしまうので、正直な回答で用意しておくことが重要です。
医学部の入試でよく聞かれる質問内容としては下記が有名です。
- 志望理由
- 将来のキャリア
- 尊敬する人
- ニュースや時事問題
- 高校生活(クラブ活動やボランティア)
- 自己PR
- 趣味や特技
日ごろから医療系の情報収集を行うクセを身につける
大学によっては面接試験で社会問題やタイムリーな医療ニュースなどを質問する医学部があります。
この場合、知らないと何も答えることができません。
ただし、一度に対策しようとしても、筆記試験の勉強もありなかなか時間を割くことは難しいです。
したがって、日ごろから新聞やニュースを見て情報収集を行う習慣を身につけ、自分なりの考えや意見をまとめておくと良いでしょう。
何度も練習して場慣れしておく
医学部によっては圧迫面接を取り入れている大学も少なくありません。
厳しい質問や意地悪な対応を取ることで、受験生の反応をチェックし、対応力や本気度を試しているのです。
回答内容だけでなく、表情や声のトーン並びにしぐさなど細かく観察されています。
このような圧迫面接では、よくある質問をつぶしておくだけでは太刀打ちできません。
何回も模擬面接を行い、場慣れしておくことが重要となります。
これにより、圧迫面接に遭遇しても落ち着いて自信を持って対応できる力が身につけられます。
謙虚な姿勢を忘れずに
面接試験では謙虚な姿勢で受け答えしましょう。
自己中心的な態度だと、チーム医療が重視される昨今の医療界では敬遠されてしまいます。
また、面接では医療用語など聞いたことのないワードが質問されることも。
この場合も、知らない質問に対しなんとなく答えるのではなく、正直に知らないことを伝えるようにしましょう。
嘘を言ったり、間違った答えを述べるよりもましです。
最低限の身なりや服装に注意
面接は第一印象も重要です。
どんなに回答が良くても印象が悪ければ、面接官も人間なので理不尽に評価が下げられてしまうことも。
これではせっかく準備したのに外見でポイントを下げてしまうのは勿体ないとしか言いようがありません。
下記事項は必ず注意しておきましょう。
- 現役生は制服、浪人生はスーツ(男性はネクタイ着用)
- 染髪やパーマは控える
- アクセサリーや化粧は控える
ポイントは清潔感です。
髪長い女性は結ぶなどして顔が隠れないなど、ちょっとした気配りで印象は変わります。
誰でもできる対策なので、医学部合格を確実にしたいならぜひ実行しましょう。
予備校の対策講座を受講する
医学部予備校では、面接対策を実施していることがほとんど。
多くの合格者を輩出している医学部予備校は、ノウハウや情報量が豊富で、最低限のマナーから質問の回答方法まで丁寧にアドバイスや指導を的確に行ってくれます。
面接試験に不安を感じている方は、対策授業を受けてみることをおすすめします。
声が小さい、ニヤニヤして応える、挨拶ができないなど、最低限のマナーを理解していない受験生がいるのも事実。
客観的に第三者から評価してしまうことで、自分では気づかない問題や課題を洗い出すことが可能です。
また、面接試験は練習を重ねることで面接の対応や流れなどのコツが分かってくるので、本番では自信をもって臨むことができます。
まとめ
以上のように、今は面接試験を実施していない医学部はなくなりました。
医学部に入学するためには全ての受験生が通らなければならない関門となります。
最近は人物重視と言われている医学部入試ですが、だからと言って特別なスキルや能力が求められている訳ではありません。
真面目で最低限のマナーを持ち、面接官の質問に対して正直に的確に答えれば合格できる医学部はほとんどです。
面接試験は苦手な医学部受験生も多いですが、事前にしっかり準備するこで合格できるので、医学部予備校などの指導を受けながら対策していきましょう。

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