現役高校生の受験生向けに医学部設置大学の選び方を紹介

現役高校生向けに医学部受験大学の選び方を紹介

医学部受験対策

【現役生向け】国公立・私立医学部設置大学の選び方を紹介!
【現役生向け】国公立・私立医学部設置大学の選び方を紹介!
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医学部医学科が設置されている大学が全国にいくつあるか、ご存知でしょうか。

全国では国公立50校(東京医科歯科・琉球・横浜市立等)・私立31校(慶応義塾・東邦・帝京等)・省庁大学校1校(防衛医科大学校)の合計82校の大学が医学部医学科を設置しています。

この記事では学費等の経済的な側面から、偏差値や定員等の入試難易度といった学問的側面など、以下に示したような様々な項目に焦点を当てて「医学部の選び方」を解説していきたいと思います。

ひとくちに医学部を目指すと言っても、82校もある大学の中から何を重視して、どのような基準の選び方をするかはそれぞれの受験生の置かれた状況によって異なってくるでしょうから、紹介する項目の中から取捨選択をして悔いのない受験生活を送ってもらえれば幸いです。

入試に合格することはもちろん重要なことですが、この機会に是非、医学部に合格した後の自分の将来像についてもじっくりと考えてみてください。

学費

学費
学費という観点で見てみると、国公立vs私立といった構図が皆さんの中には既にあるのではないでしょうか。

せっかく入試に合格したのに、学費を調べてなかった為に入学できなかったという悲劇を避けるためにもしっかりと確認したいところです。

ここでは、おおまかな学費について国公立医学部と私立医学部に分けて紹介していきます。

国公立大学

まず、国立大学医学部の学費について見ていきます。

一般的に国立大学医学部では標準額といったものが規定されており、6年間でかかる学費が約350万円と言われています。

内訳としては、入学金が282,000円、授業料が1年間に535,800円ということになっています。

※2020年より千葉大学医学部と東京医科歯科大学医学部では、1年間の授業料が535,800円から642,960円に変更されたためこの2校では6年間にかかる学費が約414万円となっています。注意してください。

公立大学医学部では、それぞれの大学や居住地によって変動はありますが、概ね国立大学と同程度の金額になります。

私立大学

次に、私立大学医学部の学費について見ていきましょう。

国公立大学ではほとんどの大学で6年間にかかる費用が500万円以下でしたが、私立では最も安い国際医療福祉大学でも1,850万円となっていて、これは国立大学の標準額に比べて約7倍以上の金額となっています。

ここで、例として私立大学の学費を安い順に3校ほど一覧形式で挙げておきます。(2022年3月時点)

大学名 6年間にかかる学費
国際医療福祉大学 1,850万円
順天堂大学 2,080万円
日本医科大学 2,200万円

おおまかに、6年間にかかる学費が国公立大学では400万円前後、私立大学では国際医療福祉大学を除いて安くても2000万円以上ということを頭においておきましょう。

従って、経済的に余裕がないという場合には私立大学よりも国公立大学医学部がおすすめとなっています。

ただし、奨学金や地域枠を利用することで学費が減額される場合もあるので、大学ごとに公式のホームページから調べてみることをおすすめします。

大学入試の難易度

大学入試の難易度
医学部を受験するみなさんが最も気にしてるのはこの入試難易度ではないでしょうか。

いくら行きたい医学部が決まっても、入試で合格できなければそこに入ることはできません。

入試の難易度を測る指標としてここでは以下の3つを挙げておきます。

  • 偏差値
  • 定員・倍率
  • 入試科目

偏差値

偏差値はその医学部の入試難易度を端的に表していて、模試の結果表などでもよく見かけるためなんとなく知っている人も多いでしょう。

具体的な偏差値は掲載サイトによって異なるので、河合塾を始めとするいくつかの予備校等の偏差値一覧がランキングになっているサイトを比較して見ることをおすすめします。

また、国公立医学部と私立医学部の偏差値をごちゃまぜにそのまま比較するというのはあまり意味がないので、国公立と私立では別々に比較することを推奨します

ここでは、国公立と私立の各偏差値上位3大学をランキング形式に一覧で紹介します。

順位 大学名(国公立) 大学名(私立)
1位 東京大学 慶応義塾大学
2位 東京医科歯科大学 東京慈恵会医科大学
3位 京都大学 日本医科大学

偏差値が高い大学を目指すことはもちろん1つの選択肢ですが、浪人を回避するためにも自分の実力と比較して堅実で現実的な大学選びをしていきましょう。

定員・倍率

定員・倍率も医学部入試において非常に重要な要素となっています。入試合格倍率は、その医学部の定員と志願者数で決まってくるので、定員より倍率を重視して見ることを意識しておきましょう。

せっかく自分の実力に見合う大学を見つけても、入試倍率が高ければそれだけその大学の入試に合格することは困難になってきます。

しっかりと下調べ・対策をして、倍率についても頭においておくとことを忘れないでください。

また、一般に国公立大学医学部よりも私立大学医学部のほうが入試倍率が高い、すなわち競争が激しい傾向があります。

ただし、国立大学医学部は入試日程が殆どの大学でかぶっていることから、1校のみ受験することができるのに対して、私立大学では入試日程のかぶりはあまりないことから、1人何校でも受けられるということがこの倍率に影響しているということも覚えておきましょう

入試科目

入試科目で最も大きな違いを生むのは共通テストの必要の有無でしょう。

国公立大学医学部では5教科7科目の共通テスト受験が必須であるのに対して、私立大学医学部では必須ではありません

従って、国公立大学受験者は英語・数学・理科に加えて、国語や社会の受験対策が必要となってきます。

たかが国語と社会1科目と思うかもしれませんが、この差は侮れません

さらに、東京大学や京都大学では2次試験でも国語が受験科目としてあるのでさらなる対策が求められます。

大学によっては入試に小論文や面接試験が課されるところもあるので、しっかりと調べておくことが重要です。

また、推薦入試の有無や条件も重要となってきます。一般入試だけではなく、推薦入試も視野にいれることができると幅が広がり、合格可能性が上がります。

大学・病院の周りの環境

大学・病院の周りの環境

自然に囲まれたキャンパスライフを送りたいのか、それとも都会で利便性を求めたキャンパスライフを送りたいのかによって大学の選択肢も変わってきます。

特に医学部では6年間その大学に通うわけですから、大学周りの環境が自分にあっているか否かというのはQOLに直結してきます。

単に自然に囲まれている・都会にあるということだけではなく、教科書を買うことができる本屋は近くにあるのかであったり、周りの飲食店はどのようなものがあるのかといったことも含めて、オープンキャンパス等の機会を利用して確認しておきましょう。

オープンキャンパスでは、さらにその大学自体の施設もじっくりと見ることができるので、築年数や清潔度が気になる人はその点も見ておきましょう

また、大学によっては学年ごとにキャンパスが変わるといったこともありますから、注意が必要です。

大学教育関連情報

大学教育関連情報

教育と聞いて思い浮かべるものはたくさんあるかと思いますが、医学部医学科において大学ごとの特色が出るのは、特に「座学の充実度」「病院での臨床実習」ではないでしょうか。

これらは数値化できるものではなく、また人によって何を重要視するかということが異なってくるため、なかなか口コミなどのインターネットの膨大な情報量から実情を把握することが非常に難しいです。

従って、実際にその大学の医学部に通っている学生の生の声を聞くことが最良です

オープンキャンパスや大学説明会では、その大学の学生と話をする機会を見つけることができる可能性が高いので、積極的に参加して情報を集めてみましょう。

各大学のホームページを調べると出てくる校風や医学部のカリキュラムも参考になるのではないかと考えられます。

どのくらい座学に時間をかけているのかということだったり、臨床実習はどの程度の自由度があるのかだったりと、様々な観点から調べてみるとなにか決定打が見つかるかもしれません。

また、薬学部や歯学部・看護学部を併設しているかということも見ておくべき要素の1つでしょう。

医学部卒業後のキャリア

医学部卒業後のキャリア

将来のキャリアとは、最も簡単な例で言えば医学部入試に合格し・卒業してその後に臨床医になるのか研究者になるのかといったようなことです。

「この大学に行ったら臨床医(研究者)」になれないといった極端な話ではないのですが、それぞれの大学がどの分野の人材の育成に力を入れているかは大学ごとに異なってきます

従ってこの点を踏まえて医学部選びをしていきましょう。

臨床医

ひとくちに臨床医と言っても、臨床医は内科や外科、産婦人科や精神科等様々な診療科に分かれており、大学によって強い診療科というものがあります。

強い診療科の定義は難しいですが、その科の高名な先生がいることであったり特定の手術の件数がトップクラスだったりと様々な検討方法があるでしょう。

法医学を始めとする特殊な科は、そもそもその科が設置されていないという大学も多数あります

注意してください。

大学の病院実習では一通りの診療科を回ることになりますが、希望次第で休日や長期休暇を用いて特定の診療科で多くを学ぶこともできます。

また、臨床医であれば卒後の研修地も出身大学に影響されてきます。

関西や関東といった研修先の地域が卒業大学の影響を受けるのは無論のこと、どの病院で働くかということまでもが出身大学の影響を受けます。

明確な出身大学フィルターといったものは存在しませんが、特定の大学出身の先生が多くいる病院は皆さんの想像以上に多いです。

将来働きたい病院があれば、その病院の先生の出身大学についても見ておいてもよいのではないでしょうか。

研究者

より大学選びが重要となってくるのは、臨床医というより研究者になりたいといった人でしょう。

大学単位で、研究者の育成に力を入れている大学とそうでない大学ではやはり大きな差が出てきます

例えば、東京大学では「MD-PhD コース」といったコースが存在し、早い段階で学生が研究に集中できる環境が整えられています。

各大学のホームページ等から調べることができるので、ぜひ調べてみましょう。

もちろん大学を卒業してから自分の将来像に合う病院で初期研修を行ったり、自分の興味のある研究を行っている先生のもとに行ったりといったこともできますが、医学部生の段階で自分の目標である地点に近づいておくに越したことはありませんからね。

医学部での進級のしやすさ(試験・留年率)

医学部での進級のしやすさ(試験・留年率)

せっかく医学部入試に合格して入ったのに、試験に通れなくて留年してしまう、なんてことは絶対に避けたいものです。

もちろん医学部の試験も鬼ではないですから、しっかりと日頃からコツコツ勉強して試験対策をしていれば大抵の試験はすんなりと通ることができます。

しかし、実際には大学によって留年率に差があるようなので、留年率については事前に確認しておくことをおすすめます。

以下に、平成27年度入学者の大学6年間ストレート進学率の上位3校と下位3校を一覧にランキング形式でまとめてみました。

(全国の医学部の一覧データを見て順位付けしましたが、誤っている可能性もあるので気になる方は元データをご覧ください)

参照元:文部科学省 医学部医学科における国家試験等の状況

上位3校

順位 大学名 ストレート進学率
1位 東京大学 99%
2位 京都大学 98%
3位 順天堂大学 96.9%

下位3校

順位 大学名 ストレート進学率
1位 川崎医科大学 64.2%
2位 産業医科大学 68.6%
3位 弘前大学 68.9%

学校内での医学部からの転学部について

学校内での医学部からの転学部について
入試に合格して医学部に入ったけど、途中でやっぱり他の学部に入りたくなった。

今現在医学部に入りたくて必死に勉強している皆さんからは考えにくいことかもしれませんが、実際にこのような思いを抱く人は少なくありません

そこで、少なくとも「もしかしたら大学生活の途中で医学部以外に行きたくなるかもしれない」と既に考えている人はその大学に転学部の制度があるかも調べておくと良いでしょう。

もちろん、医学部単科大学での転学科は物理的に難しいので、総合大学に限定された話になってきてしまいます。

転学部が可能な大学の例として、東京大学があります。

東京大学では、大学2年生の秋頃に進振りといった制度があり、通常は医学部に進学する理科3類の学生でも、他の学科に進むことができます。

従って入試合格後の大学1年の間に気が変わっても医学部以外の選択肢を持つことができるという訳なのです。

ただし、東京大学以外での転学部は非常に難しいと聞きますので、その点は考慮しておいてください。

最後に

たくさんの項目に渡って医学部の選び方というものを紹介してきましたが、最初に話したように何を重視するかは皆さん次第です。

医学部入試に合格することは、ゴールではなく単なるスタート地点に過ぎません。

合格し、入学してから燃え尽き症候群になってしまわないように、しっかりと自分の医学部志望理由や将来像について考えて、後悔のない選択をしてください。

 
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