医学部受験は、難易度が非常に高い試験と、どの大学でも100人ほどしかいない定員の少なさで有名ですが、医学部に合格するために立ちはだかる壁は決して学科試験だけではありません。
医学部合格は、学科試験での合格最低点を超えることに加えて、小論文試験や面接試験といった試験を合格基準を超える必要があります。
面接試験は今はどの大学でも必ず行われていますが、小論文試験も、数多くの大学で行われています。
さて、なかなか大手の予備校では対策を行っていない小論文試験。
対策をしたいなら医学部予備校がおすすめです。
今回は、小論文試験の対策方法や始める時期、実際に医学部ではどのような小論文試験が行われているのかや、小論文対策をしっかりと行っているおすすめの医学部予備校まで徹底解説します。
医学部合格に重要な試験科目の一つ
医学部の小論文試験は、場合によっては学科試験で合格点をとれていても、これらの試験で不合格になる可能性があり、絶対に対策を怠ってはいけないものです。
小論文試験では、面接試験と同様に医療者として適切な人材なのか、この大学に入学するのに適した考え方を持った人間なのかを試されます。
また、基本的な文章を書く上での決まり(段落の分け方、最初1文字空けて書くなど)についてもしっかりと確認されていますので、注意しましょう。
小論文の出題形式
文章を読ませて意見を問うもの
医学部の小論文入試で一番一般的なのは、何か科学に関するテーマであったり、他にも、現在の社会問題に関する文章を一部読み、それに対する自分の考えを書くというもの。
このような試験では、考えを一貫して最初から最後まで書くということと、禁忌を踏まないことに注意しましょう。
国語の試験に酷似しているもの
大学受験の国語の試験を縮小した形の出題形式もありますよ。
選択肢問題など、解答がある問題もありますから、このような出題方法をとる大学を受験予定の人は、共通テストやセンター試験の過去問をといておくとよいでしょう。
英語の文章を問う大学も
群馬大学医学部などでは、実際に英語の長文を読ませて、それに関する自分の意見を書くなどという、一見英語の試験としか思えない出題方法をとっています。
このような大学は少なくないので、必ず受験予定の大学が英語での出題をしているか否か、確認しましょう。
中には意外な出題も
これは、愛知医科大学で出題され、当時非常に話題になった小論文なのですが、それはなんと、「長年付き合った恋人に別れを切り出す手紙を書きなさい」というもの。
一見、とても大学入試とは思えませんし、ましてやこの試験で合否が、人生が決まる超重要な医学部入試だなんて思えませんよね。
このような出題をする大学はあまりありませんが、このような出題方法は、ある意味一番人間性を問うことができる内容ですし、今後他の大学やまた愛知医科大学で出題がないとは言えません。
頻出テーマ
医療・自然科学系
やはり医学部ですから、医療については多く問われます。
中でも近年は、新型コロナウイルスに関するテーマの小論文が多くあります。
他に医療・自然科学に関するテーマでよく聞かれるのは、地域医療の格差問題であったり、安楽死に関してどう思うかが問われたり、AI技術を医療に応用することに関する問題もあります。
一時期は問題になった女性医師のありかたであったり、その時に話題になったノーベル賞や新しい医療などがあれば、それについて問われることも。
社会問題系
これは前にも挙げたように、現在では特に新型コロナウイルスに関して多く言えます。
新型コロナウイルスに関しては、医療的な面だけではなく、社会問題の側面も持ち合わせていますよね。
例えば、伴う二次災害、コロナによって亡くなった方のお葬式が行われていないことや、コロナによって現在広がったオンライン授業やリモートワークなどについてなどなどです。
現代的な新型コロナウイルスに関する問題以外にも、少子高齢化など、慢性的な社会問題についても多く問われています。
医学部入試で小論文の配点が高い医学部
群馬大学医学部の入試科目と配点
共通テスト | 英語 | 数学 | 理科 | 小論文 | 面接 |
---|---|---|---|---|---|
450 | – | 150 | 150 | 150 | – |
福井大学医学部(後期試験)の入試科目と配点
共通テスト | 英語 | 数学 | 理科 | 小論文 | 面接 |
---|---|---|---|---|---|
450 | – | – | – | 100 | 120 |
山口大学医学部(後期試験)の入試科目と配点
共通テスト | 英語 | 数学 | 理科 | 小論文 | 面接 |
---|---|---|---|---|---|
900 | – | – | – | 300 | 200 |
埼玉医科大学の入試科目と配点
英語 | 数学 | 理科 | 小論文 | 面接 |
---|---|---|---|---|
150 | 100 | 200 | 50 | – |
東京医科大学の入試科目と配点
英語 | 数学 | 理科 | 小論文 | 面接 |
---|---|---|---|---|
100 | 100 | 200 | 60 | 40 |
金沢医科大学の入試科目と配点
英語 | 数学 | 理科 | 小論文 | 面接 |
---|---|---|---|---|
100 | 100 | 150 | 60 | – |
医学部入試で小論文なしの大学
国公立大学医学部では、比較的小論文を受験科目として出していない大学が多く、逆に小論文を課している大学について一覧をあげます。
まず前期試験に関しては、
- 群馬大学
- 横浜市立大学
- 京都府立医科大学
そして、後期試験に関しては、
- 秋田大学
- 東京医科歯科大学
- 福井大学
- 浜松医科大学
- 三重大学
- 山口大学
- 鹿児島大学
- 琉球大学
以上の大学で小論文試験を課していません。
一方で、私立大学医学部で小論文を課していない大学は、
- 東邦大学
- 藤田医科大学
の2校のみです。
私立大学を受験する方で小論文試験に自信のない方は、この2つの大学を進んで受験校に入れると良いでしょう。
「小論文≠作文」書き方&攻略ポイント
自己流で書かない
とにかく、医学部の小論文を、対策なしで自己流で書こうとしてはいけません。
その結果禁忌を踏む恐れがありますし、文法や小論文のそもそもの書き方で減点をされては話になりません。
書き方に関して、予備校などで小論文の講座を受けたり、小論文に関する参考書を読んだりするのはもちろんおこと、ある程度は事前に、頻出テーマに関してどのような立場で書くのかを決めておくとよいでしょう。
正解はないということを意識して
どのような問題の小論文でも、これが正解といった模範解答のようなものは存在しません。
答えに迷ったとき、どのような答え方をしたらいいのか分からなくなっても、最終的には自分が思った通りに、自分の考えをわかりやすく書いてみましょう。
医学系基礎知識の習得は必須!おすすめの対策法

小論文の情報収集はニュースサイトや新聞
小論文試験は、医学部を受験するうえで決して舐めてかかってはいけない大事な試験科目です。
医学部とまとめていっても、大学ごとに書かされる小論文は様々。
医師になりたい理由などといったよくきかれる質問は自分で対策できても、最近の自然科学的な話題や医療ニュースなどは自分で情報を集めるのは難しく、さらに書き方は自己流であっているのかわかりませんよね。
私がおすすめする医学部受験の小論文対策攻略法は、
- 医学部の小論文対策に関する本を買う
- 予備校の小論文講座を受ける
の2段階です。
本である程度の最低対策を行い、知識を付け、予備校が行っている講座を受けて実際に自分がどのくらいちゃんと書けているのかを知ってアドバイスをもらい、さらには志望大学に関する情報も得られるいうわけです。
情報集めは4月から
世の中の様々な重要ニュースであったり、医療系に関する本などを読むのは、受験勉強を始めたときから常に意識しておきましょう。
様々な情報を自分の頭に当たり前に入れることで、小論文で実際に医療系テーマの問題が出てきたときに出せる引き出しが多くなり、想定していなかったことまで書かされても、何を書いたらいいのかまったくわからなくなり動揺することはないでしょう。
また、志望大学が明確にある場合は、その大学でよく聞かれている小論文テーマなどを把握しておくと良いでしょう。
入試を意識して受講するのは11月くらいから
小論文講座などを、普段の勉強や授業とは別に進んで個別に受講したり、模擬小論文試験などを行ったりするのは、大体11月くらいで大丈夫です。
それまではやはり何といっても重要な一次試験対策を行いましょう。
一次試験が通らなければ、小論文などの2次試験を受けることさえかなわなくなってしまいますからね。
春から常に医療系の情報に敏感になって情報を集めておけば、きっと小論文講座・模擬小論文試験を受講しても、あまり不安になることはないはずです。
医学部予備校の小論文講座がおすすめ
1年間の講座の流れに小論文対策が組み込まれている医学部予備校もあれば、別で自分で講座を申し込んで受講する医学部予備校もあります。
医学部受験合格には欠かせない科目ですから、後者の場合はしっかりと講座を申し込んで受講しましょう。
さらに、様々な予備校で、予備校の生徒以外の人を対象としても公開講座を行っている場合もあります。
自分の志望大学の受験に強い医学部予備校などがあったり、その大学専門の小論文授業を開いている医学部予備校があれば受講し、情報をしっかりと得ておくのも一つの手でしょう。
さらに、小論文対策をただ添削してくれるだけではなく、マンツーマン授業で指導してくれる医学部予備校もあります。
特に、普段通っていない医学部予備校で受講することで、全く知らない場所で全く知らない先生と行うことになるわけですから、本番さながらの緊張感を味わうこともできるかもしれません。
小論文に特に自信がない人などはそれらを利用するとよいでしょう。
医学部予備校メディカルラボ
メディカルラボは、全国たくさんの校舎をもつ医学部予備校です。
ここでの小論文対策は、なんと1対1。
大学によって対策方法が異なる小論文試験ですが、メディカルラボでは、卒業生が試験内容や留意点などを記入した数多くの「受験レポート」を分析し、 受験する大学の対策を行います。
小論文対策は、プロ講師が添削を繰り返し行うことで記述力を高めます。
さらに、メディカルラボでは3段階の小論文講座を行っています。
まずは、小論文を書く前に、医系小論文の基本的な考え方や書き方について講義があります。
そして「なぜ医師になりたいか」といった基本的なテーマについて小論文を書きます。
次に、生徒が書いた小論文を講師が丁寧に添削します。
これによって生徒の文章表現力を講師が把握し、文章構成の方法、自分の考えをどのように主張するかなど実践指導を行うことができます。
そして最後に、志望校の過去文を時間を計って書きます。
その後、講師が丁寧な添削指導を行い、改善すべき内容や書き方についての授業を行って、異なったテーマでもこれを繰り返します。
これらによって確実に小論文の力が身につくのです。
学研のプライム講座
学研では、医学部の小論文に関する講座が種類多く用意されています。
講座は3種類です。
まずは「学研医学部ゼミスタンダード 小論文徹底攻略講座」ですが、これは入試頻出の医学・医療情報を伝授しながら、書き方を効率的に指導していく映像授業講座です。
続いて「小論文個別指導講座 医学部コース」ですが、添削指導者担任制により、じっくりと生徒の答案と向き合い受かる小論文を書く力を身につけさせる添削指導講座になっています。
最後に、上記2つがセットになった「医学部小論文徹底攻略セット」もあります。
学研プライムの医学部小論文講座は、映像授業だから何度でも復習でき、さらに苦手な分野・単元をピンポイントで学べます。
また、授業では、頻出テーマに絞ってわかりやすく解説していますので、効率良く医学部小論文に必要な知識をインプットすることが可能です。
3つのユニットで構成されていますが、1ユニット(90分×5コマ)単位での購入も可能。
志望大学の頻出テーマや自分の苦手なテーマのユニットをピンポイントで対策できます。
さらに、マルチデバイス対応でスマートフォン、タブレット、パソコンそれぞれの端末に最適化されているため、いつでもどこでも学習が可能です。
まとめ
今回は、医学部入試の小論文試験について、対策方法やおすすめの医学部予備校の講座についても、詳細を載せさせていただきました。
私立医学部では小論文試験を設けていない大学は本当に少なく、国公立大学医学部でも、後期試験のある大学は多くが小論文試験を受験科目として設定しています。
医学部に合格するにはなかなか避けては通れない小論文試験。
必ずしっかりと対策を行い、学科試験と同様、ここで後れを取らないようにしておきましょう。

代官山MEDICALの公式サイトです。
https://www.daikanyama1999.com/

ウインダムの公式サイトです。
https://windom.jp/