エースメディカルみなとみらいの峰岸先生による時事英語解説ブログの過去記事。

テーマ「最先端科学・医療研究Ⅲ」

『時事英語』特別講義のテーマ「最先端科学・医療研究Ⅲ」一覧

「時事英語」特別講義

テーマ「最先端科学・医療研究Ⅲ」
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第103回 「最先端科学・医療研究Ⅲ」その①

第103回 「最先端科学・医療研究Ⅲ」その①

皆様こんにちは。横浜にある医学専門予備校:エースメディカルみなとみらい代表の峰岸です。よろしくお願いいたします。

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ここでは新聞、雑誌などの時事英語のなかから医学部受験に出題されやすいテーマを取り上げていきます。今日から新しい記事を取り上げますが、今回も「最新医療科学」の分野を扱います。BBC経由AFP配信10月の記事です。今日は冒頭から第1パラグラフまでを扱います。

テーマ7 「最先端科学・医療研究」その1
*注 解説しやすいようにパラグラフに記号や文ごとに番号を入れてあります

Tasmanian devil milk kills several deadly superbugs that are resistant to existing drugs
A whole new way to fight antibiotic resistance.

(BEC CREW  18 OCT 2016)

(1)Sydney (AFP) – Mother’s milk from the marsupials known as Tasmanian devils could help the global fight against increasingly deadly “superbugs” which resist antibiotics, Australian researchers said Tuesday.

解説

見出し
Tasmanian devil milk kills several deadly superbugs that are resistant to existing drugs

まず、見出しですが主語と動詞の形になっているのでわかりやすいですね。主語はTasmanian devil milk (タスマニアデビルの母乳)です。動詞はkills(殺す)です。目的語は several deadly superbugs(数種の致命的なスーパーバグ)です。これを that以下が修飾していますresistant to~は「~に耐性のある」ですexisting drugs は「既存の薬物」です。

スーパーバグはもともと米国の研究グループが2015年7月に報告したもので「スーパー薬剤耐性菌」、「多剤耐性菌」とも翻訳されている言葉です。これは通常の治療に使用してきた抗生物質、抗菌薬が効かない細菌のことです。これによる感染症が世界中に急速に広がっているのではないかという報告もあります。今日、もっとも強力な抗生物質の一つである「コリスチン」に対してさえも耐性を持つスーパーバグも見つかったというニュースはかなり重要なニュースになりました。スーパーバグの仕組の研究はまだ不十分ですが「アシネトバクター・バウマニ」というスーパーバグなどを中心にその研究が進められています。そこで今回もその一環としてタスマニアデビルの母乳が効くとの研究がなされたということです。

:タスマニアデビルの母乳が既存の医薬品に耐性のある致死的なスーパーバグを死滅させる

小見出し

A whole new way to fight antibiotic resistance.

小見出しは見出しを補う働きをしますから、見出しの「方法」の独自性を記述しています。A new way は「新しい方法」です。wholeは「すっかり、完全に」です。to fight は不定詞の形容詞的用法でwayにかかります。antibioticは「抗生物質」 resistanceは「耐性」です。

:抗生物質耐性菌と戦う全く新しい方法

第1パラグラフ

Mother’s milk from the marsupials known as Tasmanian devils could help the global fight against increasingly deadly “superbugs” which resist antibiotics, Australian researchers said Tuesday.

主語はMother’s milk from the marsupials(有袋動物の母乳)です。 marsupialsは「有袋目の動物」です。ここにknown as Tasmanian devils(タスマニアデビルとして知られる)がかかります。動詞はcould help(手助けの可能性がある)です。目的語は the global fight(全世界的な戦い)です。「何」に対する戦いかは increasingly deadly “superbugs” (ますます致命的になっているスーパーバグ)に対するものです。このスーパーバグの補足はwhich以下です。resist antibiotics(抗生物質に抵抗力のある)です。

訳:シドニー(AFP)発 有袋動物のタスマニアデビルの母乳が、抗生物質に耐性があり世界中で取り組んでいるスーパーバグへの戦いへの手助けになるかもしれませんとオーストラリアの研究チームが火曜日に発表しました。

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今回登場した「スーパーバグ」ですが馴染みのない方も多いのではないでしょうか。抗生物質がまったく効かないと言われていて、かなりの不安が広がっています。どのような反応、対策があるのでしょう。今回はタスマニアデビルの母乳という一例を取り上げました。他に興味のある方は、検索されることをお勧めします。次回もこの記事を読んでいきましょう。

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当校ではレベルの高い英文を基礎から説明していきます。随時無料体験レッスン可能です。お問い合わせください。

2016年11月16日

第104回 「最先端科学・医療研究Ⅲ」その②

第104回 「最先端科学・医療研究Ⅲ」その②

皆様こんにちは。横浜にある医学専門予備校:エースメディカルみなとみらい代表の峰岸です。よろしくお願いいたします。

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ここでは新聞、雑誌などの時事英語のなかから医学部受験に出題されやすいテーマを取り上げていきます。今日から新しい記事を取り上げますが、今回も「最新医療科学」の分野を扱います。BBC経由AFP配信10月の記事です。今日は第2パラグラフから扱います。

テーマ7 「最先端科学・医療研究」その2
*注 解説しやすいようにパラグラフに記号や文ごとに番号を入れてあります

Tasmanian devil milk kills several deadly superbugs that are resistant to existing drugs
A whole new way to fight antibiotic resistance.

(BEC CREW  18 OCT 2016)

(2)Superbugs are bacteria which cannot be treated by current antibiotics and other drugs, with a recent British study saying they could kill up to 10 million people globally by 2050.

(3)Scientists at the University of Sydney found that peptides in the marsupial’s milk killed resistant bacteria, including methicillin-resistant golden staph bacteria and enterococcus that is resistant to the powerful antibiotic vancomycin.

解説

第2パラグラフ

Superbugs are bacteria which cannot be treated by current antibiotics and other drugs, with a recent British study saying they could kill up to 10 million people globally by 2050.

主語はSuperbugs(スーパーバグ)で動詞は are です。補語はbacteria(バクテリア)ですから、ここに「どのようなバクテリアなのか」という説明がかかります。このbacteriaという単語は名詞ですが、この文でも、この単語の前にある主語(superbugs)や動詞(are)からもわかるように可算名詞の複数形です。単数形はbacteriumです。直後にある関係代名詞whichはそれを受ける動詞cannot be treated (治療されることができない)があるので主格の働きをしています。current antibiotics and other drugsは「現在の抗生物質や他の薬物」です。ここにカンマ付きの withが続きます。カンマ付きのwithは付帯状況を指すことが多いので、「そしてそれは~の状態(状況)である」と訳すとうまくいきます。ここでは a recent British study(最近のイギリスの研究)が saying (発表している)という状況です。どんなことを発表しているのかはthey(スーパーバグ)が could kill(殺すかもしれない) です。その「対象」はup to 10 million people(一千万にのぼる人)を globally(全世界的に)です。「いつまでに」かは by 2050(2050年までに)です。

:スパーバグは既存の抗生物質や薬物では治療できない細菌です。最近のイギリスの研究によると2050年までに世界中で一千万人に上る人がスパーバグによって死亡する恐れがあるということです。

第3パラグラフ

Scientists at the University of Sydney found that peptides in the marsupial’s milk killed resistant bacteria, including methicillin-resistant golden staph bacteria and enterococcus that is resistant to the powerful antibiotic vancomycin.

主語はScientists at the University of Sydney(シドニー大学の科学者たち)です。動詞は found(発見した)です。「何」を発見したのかはthat以下です。 この部分の主語はpeptides in the marsupial’s milk(有袋類の母乳に含まれるアミノ酸化合物)で動詞は killed (殺した)です。「何」を殺したのかはresistant bacteria(耐性菌)です。その例がincluding以下です。つまり methicillin-resistant golden staph bacteria(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌・MRSA)や enterococcus (腸球菌)です。どんな「腸球菌」かはthat以下ですから is resistant to~「~に耐性のある」ものです。「何」に耐性があるのかは the powerful antibiotic vancomycin(強力な抗生物質のバンコマイシン)に対してです。

訳:シドニー大学の研究者たちは、有袋類の母乳に含まれているアミノ酸化合物がメチシリン耐性黄色ブドウ球菌や強力な抗生物質であるバンコマイシンに耐性のある腸球菌を含む耐性菌を死滅させることを発見しました。

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いかがでしょう?前回から紹介している危険な「スーパーバグ」ですが、有袋類の母乳の中のペプチド(アミノ酸化合物)が有効であるという研究が関心を集めています。なぜ有袋類の母乳なのでしょう?興味ぶかいですね。次回もこの記事の続きを読んでいきましょう。

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当校ではレベルの高い英文を基礎から説明していきます。随時無料体験レッスン可能です。お問い合わせください。

2016年11月23日

第105回 「最先端科学・医療研究Ⅲ」その③

第105回 「最先端科学・医療研究Ⅲ」その③

皆様こんにちは。横浜にある医学専門予備校:エースメディカルみなとみらい代表の峰岸です。よろしくお願いいたします。

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ここでは新聞、雑誌などの時事英語のなかから医学部受験に出題されやすいテーマを取り上げていきます。今日から新しい記事を取り上げますが、今回も「最新医療科学」の分野を扱います。BBC経由AFP配信10月の記事です。今日は第4パラグラフから扱います。

テーマ7 「最先端科学・医療研究」その3
*注 解説しやすいようにパラグラフに記号や文ごとに番号を入れてあります

Tasmanian devil milk kills several deadly superbugs that are resistant to existing drugs
A whole new way to fight antibiotic resistance.

(BEC CREW  18 OCT 2016)

(4)The researchers turned to marsupials like the devil — which carry their young in a pouch after birth to complete their development — because of their biology.

(5)The underdeveloped young have an immature immune system when they are born, yet survive growth in their mother’s bacteria-filled pouch.

(6)”We think this has led to an expansion of these peptides in marsupials,” University of Sydney PhD candidate Emma Peel, who worked on the research published in the Nature journal Scientific Reports, told AFP.

解説

第4パラグラフ

The researchers turned to marsupials like the devil — which carry their young in a pouch after birth to complete their development — because of their biology.

主語はThe researchers(研究者たち)で動詞は turned to ~で「~の方を向く」です。どの方向を向いたのかはmarsupials like the devil (タスマニアデビルのような有袋類)です。その理由はダッシュ(–)をカッコに入れるとbecause of their biology(有袋類の生物学的な理由から)が浮かび上がってきます。有袋類の補足説明のダッシュの部分の動詞は carryで目的語は their young (赤ちゃん)です。「どこ」でかはin a pouch (袋に中)で「いつ」かはafter birth(出産後)です。その理由は to complete their development(赤ちゃんの成長を進めるために)です

:研究者はその生物学的な見地からタスマニアデビルのような有袋類に研究の矛先をむけました。有袋類は赤ちゃんを出産後、袋の中でその成長を完成させるのです。

第5パラグラフ

The underdeveloped young have an immature immune system when they are born, yet survive growth in their mother’s bacteria-filled pouch.

主語はThe underdeveloped young(未成熟の赤ちゃん)です。動詞はhave で目的語はan immature immune system(生来の免疫システム)です。次の文頭の yetは「しかし」と訳します。 動詞surviveは「生き残る」ですが後ろの growthを伴って「成長し続ける」でいいでしょう。どこで成長し続けるのかはin their mother’s bacteria-filled pouch(母親の細菌で一杯の袋の中で)です。bacteria-filledは後ろの名詞 pouch(袋)にかかります。

訳:未成熟の赤ちゃんは、生まれ持って免疫システムがあります。母親の袋の中で生き延びますがそこは細菌で一杯です。

第6パラグラフ

“We think this has led to an expansion of these peptides in marsupials,” University of Sydney PhD candidate Emma Peel, who worked on the research published in the Nature journal Scientific Reports, told AFP.

この文はセリフで始まるので、発言者を見てみるとUniversity of Sydney(シドニー大学)の PhD candidate(博士号の取得予定者)である Emma Peel(エマ・ピール)氏であることがわかります。彼の説明がwho以下で続きます。どんな人物なのかは worked on(取り組んだ)人で「何」に取り組んだのかはthe research(研究)で「どんな研究か」は published(発表された)研究で「どこに」発表されたのかは in the Nature journalですから「自然科学雑誌のネイチャー」のScientific Reports(サイエンティック・レポート)の部門に載ったということです。ここまでが主語で動詞は toldです。「誰」に話したのかは AFP通信に対してです。

訳:「私たちはこのことが有袋類のこうしたアミノ酸化合物の発達につながったと考えています」と科学誌ネイチャーのサイエンティック・リポーツで発表された研究に取り組んだシドニー大のエマ・ピール博士候補は、AFPに話しました。

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いかがでしょう?有袋類の母乳の中のペプチド(アミノ酸化合物)の特異性はやはりその「細菌で一杯な袋」にあるようですね。興味深いですね。次回もこの記事の続きを読んでいきましょう。

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当校ではレベルの高い英文を基礎から説明していきます。随時無料体験レッスン可能です。お問い合わせください。

2016年11月30日

第106回 「最先端科学・医療研究Ⅲ」その④

第106回 「最先端科学・医療研究Ⅲ」その④

皆様こんにちは。横浜にある医学専門予備校:エースメディカルみなとみらい代表の峰岸です。よろしくお願いいたします。

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ここでは新聞、雑誌などの時事英語のなかから医学部受験に出題されやすいテーマを取り上げていきます。今日から新しい記事を取り上げますが、今回も「最新医療科学」の分野を扱います。BBC経由AFP配信10月の記事です。今日は第7パラグラフから扱います。

テーマ7 「最先端科学・医療研究」その4
*注 解説しやすいようにパラグラフに記号や文ごとに番号を入れてあります

Tasmanian devil milk kills several deadly superbugs that are resistant to existing drugs
A whole new way to fight antibiotic resistance.

(BEC CREW  18 OCT 2016)

(7)①”Marsupials have more peptides than other mammals. ②In the devil we found six, whereas humans have only one of this type of peptide.

(8)”Other research in other marsupials has shown that tammar wallabies have eight of these peptides and opossums have 12,” said Peel, adding that studies into koala’s milk had now started.

(9)The scientists artificially created the antimicrobial peptides, called cathelicidins, after extracting the sequence from the devil’s genome, and found they “killed the resistant bacteria… and other bacteria”.

解説

第7パラグラフ
第1文

“Marsupials have more peptides than other mammals.

marsupials は「有袋類」です。peptideは「ペプチド、アミノ酸化合物」です。

:有袋類は他の動物より多くのアミノ酸化合物を持っています。

第2文

In the devil we found six, whereas humans have only one of this type of peptide.

:タスマニアデビルの場合、6種類のアミノ酸化合物を持つことがわかっています。一方で人間の場合は一種類しか持っていません。

第8パラグラフ

“Other research in other marsupials has shown that tammar wallabies have eight of these peptides and opossums have 12,” said Peel, adding that studies into koala’s milk had now started.

Other research in~は「~に対する別の調査」です。other marsupialsは「有袋類の中で別の種類」という意味です。tammar wallabiesは「タマヤブワラビー」eight of these peptidesは「こうしたアミノ酸化合物の中で8種類」です。adding that~は分詞構文で、「そして~と付け加えた」という意味です。studies into koala’s milkは「コアラの母乳に対する研究」です。

訳:「他の有袋類の調査では、タマヤブワラビーはこうしたアミノ酸化合物のうち8種類、オポッサムは12種類を持っています」とピールさんは述べています。そして「コアラのも母乳の調査も始まりました」と付け加えています。

第9パラグラフ

The scientists artificially created the antimicrobial peptides, called cathelicidins, after extracting the sequence from the devil’s genome, and found they “killed the resistant bacteria… and other bacteria”.

主語はThe scientists(研究者たち)です。動詞は created(作り出した)です。「どのよう」に「何」をかはartificially(人工的)に the antimicrobial peptides(抗微生物ペプチド)を作ったのです。その「抗微生物ペプチド」の説明が続きます。calledは「呼ばれている」です。どのような名称なのかはcathelicidins(カテリシジン)です。どのように作り出したのかは, after extracting the sequence(配列を抽出した後で)です。「配列」は from the devil’s genome(タスマニアデビルのゲノム)から抽出した配列です。そしてその働きとしてわかったことがkilled the resistant bacteria… and other bacteria(耐性菌や他の細菌を殺す)ことです。

カテリシジンは抗微生物ペプチドの一種です。抗微生物ペプチドは抗生物質の一種ですが、通常の抗生物質とは異なり免疫力を高めたり、がん細胞にも効果を持つとの報告があり、新規治療薬としての可能性を持つといわれています。

訳:研究者たちはタスマニアデビルのゲノムから配列を抽出して人工的にアミノ酸化合物を作りました。それはカテリシジンと呼ばれています。これは「耐性菌や他の細菌を殺す」ことがわかりました。

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いかがでしょう?人にはないアミノ酸化合物が大きな役割を果たしているのですね。抗微生物ペプチドは今後の研究がたのしみです。次回もこの記事の続きを読んでいきましょう。

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当校ではレベルの高い英文を基礎から説明していきます。随時無料体験レッスン可能です。お問い合わせください。

2016年12月07日

第107回 「最先端科学・医療研究Ⅲ」その⑤

第107回 「最先端科学・医療研究Ⅲ」その⑤

皆様こんにちは。横浜にある医学専門予備校:エースメディカルみなとみらい代表の峰岸です。よろしくお願いいたします。

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ここでは新聞、雑誌などの時事英語のなかから医学部受験に出題されやすいテーマを取り上げていきます。今日から新しい記事を取り上げますが、今回も「最新医療科学」の分野を扱います。BBC経由AFP配信10月の記事です。今日は第10パラグラフから最後までを扱います。

テーマ7 「最先端科学・医療研究」その5
*注 解説しやすいようにパラグラフに記号や文ごとに番号を入れてあります

Tasmanian devil milk kills several deadly superbugs that are resistant to existing drugs
A whole new way to fight antibiotic resistance.

(BEC CREW  18 OCT 2016)

(10)They are hopeful marsupial peptides could eventually be used to develop new antibiotics for humans to aid the battle against superbugs.

(11)”One of the most difficult things in today’s world is to try and find new antibiotics for drug-resistant strains of bacteria,” the research manager of the university’s Australasian Wildlife Genomics Group, Carolyn Hogg, told AFP.

(12)”Most of the other previous antibiotics have come from plants, moulds and other work that’s been around for close to a 100 years, so it’s time to start looking elsewhere.”

(13)World Health Organisation director-general Margaret Chan warned last month some scientists were describing the impact of superbugs as a “slow-motion tsunami” and the situation was “bad and getting worse”.

解説

第10パラグラフ

They are hopeful marsupial peptides could eventually be used to develop new antibiotics for humans to aid the battle against superbugs.

主語はTheyで「研究者たち」です。述語部分は are hopeful(希望している)です。「何」を希望しているのかは marsupial peptides(有袋類のアミノ酸化合物)が could eventually be used(最終的に使われること)をです。「何」に使われるのかはto develop(開発すること)です。「何の開発か」はnew antibiotics(新しい抗生物質)です。「どんな抗生物質か」はfor humans(人間が)to aid the battle(戦うのを助ける)ものです。「何に対する闘いか」は against superbugs(スーパーバグ)との戦いです。

hopeful の使い方ですが、形容詞ですのでもちろん補語になるのですが、本文ように後ろにthat節をとることもあります。be used to develop の部分ですが、助動詞のused to(よく~したものだ)やイディオムのbe used to ~ing(~するのに慣れている)の区別はしっかりしてください。本文はbe used の部分は受け身でto developは目的を表す不定詞の副詞的用法ですから「開発するために使われる」と訳します。for humans to aid の部分は不定詞の動作の主体(意味上の主語)がfor humansです。よって「人間が戦う」と訳します。

:研究者たちは有袋類のアミノ酸化合物が最終的には人類がスーパーバグと戦うのを助けてくれる新しい抗生物質に使われることを願っています。

第2文

“One of the most difficult things in today’s world is to try and find new antibiotics for drug-resistant strains of bacteria,” the research manager of the university’s Australasian Wildlife Genomics Group, Carolyn Hogg, told AFP.

この文はセリフで成り立っていますが、主語はOne of the most difficult things in today’s world (今日の世界で最も難しいことの一つは)です。動詞がisで補語は to try and find(努力して見つけること)です。この構文はTo see is to believe(見ることは信じること)でみられる不定詞の使い方です。strainsは「種族、血統」です。the research managerは「研究グループの責任者」です。

:「今日、最も難しいことの一つは薬物耐性を持つ細菌に対する抗生物質を探して見つけ出すことです」オーストラリア大学の野生動物ゲノムグループの研究責任者であるカロリン・ホーグ氏はAFPの取材に答えました。

第12パラグラフ

"Most of the other previous antibiotics have come from plants, moulds and other work that’s been around for close to a 100 years, so it’s time to start looking elsewhere."

この文もセリフで、先ほどの発言の続きです。主語はMost of the other previous antibiotics(以前の他の抗生物質のほとんどは)ですが、otherは「今回の有袋類から作られる可能性のある抗生物質」とは「他の、別の」という意味です。that’s been aroundは「身の回りにある」です。a 100 yearsは少しわかりにくいかもしれませんがaはoneの意味で、one hundred という意味です。つまり100年ですからyearは複数形になります。

訳:「これまでの抗生物質のほとんどは約100年私たちの身の回りにあった植物やカビや他の作用をもとにしています。よって、そろそろ他の場所を探す時なのです」

第13パラグラフ

World Health Organisation director-general Margaret Chan warned last month some scientists were describing the impact of superbugs as a "slow-motion tsunami" and the situation was "bad and getting worse".

World Health Organisationは「世界保健機構・WHO」です。 director-general は「事務局長」です。some scientists were describing~ は「~と述べている科学者もいる」です。"slow-motion tsunami"は「ゆっくりと押し寄せてくるが大きな被害をもたらすであろう津波のようなもの」ということです。

訳:世界保健機構のマーガレット・チャン事務局長は、スーパーバグの影響を「徐々に押し寄せる津波」と言う科学者もいます。状況は「悪く、ますます悪化しています」と警鐘を鳴らしました。

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いかがでしょう?スーパーバグに対する人類の科学の戦いはこの先も続いていくのでしょう。興味深いですね。次回は新しい記事を読んでいきましょう。

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当校ではレベルの高い英文を基礎から説明していきます。随時無料体験レッスン可能です。お問い合わせください。

2016年12月14日

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プロフィール

峰岸敏之

早稲田大学大学院法学研究科卒業後、大手新聞社で記者を経験し、講師へ転向する。大手予備校の河合塾をはじめとした有名予備校や医学系予備校などで、英語科責任者などを担当。

15年以上に渡って高校生や高卒生を指導した経験を活かし、2013年に「絶対合格」を合言葉に医学部専門予備校、エースメディカルみなとみらいを横浜に開校。代表を務めながらも自ら英語・小論文を指導し、毎年多くの医学部合格者を輩出している。

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