第329回 「フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか」その1
こんにちは。横浜にある医学部専門予備校:エースメディカルみなとみらい代表の峰岸です。よろしくお願いいたします。
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ここでは新聞、雑誌などの時事英語のなかから医学部受験に出題されやすいテーマを取り上げていきます。今回も「最先端科学・医療研究」の分野から取り上げました。今日は2022年7月のAFPの記事:Freeze-dried mice: How a new technique could help conservation(フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか)を読んでいきましょう。(注 解説しやすいようにパラグラフに記号や文ごとに番号を入れる場合があります)
TOKYO (AFP-Jiji)
(1) Japanese scientists have successfully produced cloned mice using freeze-dried cells in a technique they believe could one day help conserve species and overcome challenges with current biobanking methods.
見出し
Freeze-dried mice: How a new technique could help conservation
まず、Freeze-dried は「フリーズドライ化された」です。これが名詞miceにかかるので「フリーズドライ化されたねずみ」ということです。日本でもお味噌汁などのフリーズドライの食品などはよく見かけますが、ネズミですと少しピンときませんね。ですからその補足説明がコロンの後にあります。
この部分(How a new technique could help conservation)は見出しですが補足説明であり、主語と述語がありあります。主語はa new technique(新技術)で述語は could help conservation(保存の役に立つ)です。
訳:フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか
発信場所
TOKYO (AFP-Jiji)
このニュースはフランスのAFP通信の記者が書いて発信して日本の通信社の時事新報社を経由しています、という意味です。
訳:東京(AFP通信・時事通信)
第1パラグラフ
Japanese scientists have successfully produced cloned mice using freeze-dried cells in a technique they believe could one day help conserve species and overcome challenges with current biobanking methods.
この文の主語はJapanese scientists (日本人科学者)です。述語はhave successfully produced cloned mice(クローンマウスを作ることに成功した)です。 using freeze-dried cells は「フリーズドライ細胞を使って」です。
次のin a technique they believe could ~は連鎖関係詞でwhichが省略されています。簡単に処理するならthey believe をカッコに入れて読むとわかりやすくなります。
one day help conserve species は「いつか種の保存に役立つ」です。and overcome challengesは「そしてチャレンジを達成する」です。with current biobanking methodsは「現在のバイオバンキングの方法と一緒に」です。
訳:フリーズドライの細胞を使って、クローンマウスを産み出すことに日本人科学者が成功しました。今あるバイオバンキングの手法と併せて、この技術がいつの日か種の保存と難問の克服に役立つと科学者は思っています。
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いかがでしょう?今回から新しい記事です。日本人の新技術を使う種の保存などの話です。生命科学の分野ですが興味を持ってもらえると嬉しいです。次回はこの続きを読んでいきましょう。お楽しみに。
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2022年9月29日
第330回 「フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか」その2
今回も「最先端科学・医療研究」の分野から取り上げました。
今日は2022年7月のAFPの記事:Freeze-dried mice: How a new technique could help conservation(フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか)の第2パラグラフから読んでいきましょう。(注 解説しやすいようにパラグラフに記号や文ごとに番号を入れる場合があります)
TOKYO (AFP-Jiji)
(2)The United Nations has warned that extinctions are accelerating worldwide and at least a million species could disappear because of human-induced impacts like climate change.
(3)Facilities have sprung up globally to preserve samples from endangered species with the goal of preventing their extinction by future cloning.
フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか
第2パラグラフ
The United Nations has warned that extinctions are accelerating worldwide and at least a million species could disappear because of human-induced impacts like climate change.
この文の主語はThe United Nations(国連)です。述語は has warned that~(~と警告しています)です。「何を警告しているのか」はandがつなぐ2つのことです。一つ目はextinctions are accelerating worldwide (世界的に絶滅が加速している)ということです。
2つ目は at least a million species could disappear(少なくとも100万種が消える恐れがある)ということです。
because of human-induced impactsは「人が引き起こしている影響が理由で」です。 like climate changeは「気候変動のような」です。
訳:国連は、世界的に絶滅が加速していることと、気候変動のような人が引き起こしている影響が理由で少なくとも100万種が消える恐れがあるということを警告しています。
第3パラグラフ
Facilities have sprung up globally to preserve samples from endangered species with the goal of preventing their extinction by future cloning.
この文の主語はFacilities(施設)です。述語は have sprung up globally(世界的に設立された) です。
to preserve samples(サンプルを保存するための)です。「どんなサンプルか」は from endangered species(絶滅の恐れのある種)です。
with the goal of ~は「~する目的で」です。「何の目的か」はpreventing their extinction(その絶滅を防ぐ)です。 by future cloningは「将来のクローン技術をつかって」です。
訳:将来のクローン技術を使って絶滅の恐れのある種の絶滅を防ぐ目的でそのサンプルを保存するための施設が世界中に設立されています。
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いかがでしょう?絶滅の恐れのある種の保護に、将来のクローン技術を想定していることは今の科学の限界が見えてきますね。次回はこの続きを読んでいきましょう。お楽しみに。
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2022年10月05日
第331回 「フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか」その3
今回も「最先端科学・医療研究」の分野から取り上げました。
今日は2022年7月のAFPの記事:Freeze-dried mice: How a new technique could help conservation(フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか)の第4パラグラフから読んでいきましょう。(注 解説しやすいようにパラグラフに記号や文ごとに番号を入れる場合があります)
TOKYO (AFP-Jiji)
(4)These samples are generally cryopreserved using liquid nitrogen or kept at extremely low temperatures, which can be costly and vulnerable to power outages.
(5)They also usually involve sperm and egg cells, which can be difficult or impossible to harvest from old or infertile animals.
フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか
第4パラグラフ
These samples are generally cryopreserved using liquid nitrogen or kept at extremely low temperatures, which can be costly and vulnerable to power outages.
この文の主語はThese samples(こうしたサンプル)です。これは 、前文のsamples from endangered species (絶滅の恐れのある種のサンプル)です。述語はare generally cryopreserved(普通は冷凍保存されます)です。
次の文は分詞ではじまります。using ~ですから、「それは~を使います」と訳すとうまくいきます。「何を使うのか」はliquid nitrogen (液体窒素)です。次のor kept は先の動詞are generally cryopreserved(普通は冷凍保存されます)と平行して使われています。are keptは「保存されます」です。「どのように保存されるのか」は at extremely low temperatures(非常に低い温度で)です。
次の, which ~は「そしてそれは~です」と訳しましょう。can be costly は「お金が高くなる可能性がある」です。 vulnerable to power outagesは「停電に弱い」です。
訳:こうした絶滅の恐れのある種のサンプルは、普通は液体窒素を使い冷凍保存されます。または、非常に低い温度で保存することになりますが、お金が高くなる可能性があり、停電に弱いのです。
第5パラグラフ
They also usually involve sperm and egg cells, which can be difficult or impossible to harvest from old or infertile animals.
この文の主語はTheyで、These samples(こうした、絶滅の恐れのあるサンプル)です。述語は also usually involve(大抵、含んでいます)です。「何を含んでいるのか」は sperm and egg cells(精子と卵子)です。
次の, which~は「そしてそれは~です」と訳すとうまくいきます。 can be difficult or impossible to ~は「~は難しいもしくは不可能です」となります。「何が難しかったり不可能なのか」はharvest (採取すること)です。「どこから採取するのか」はfrom old or infertile animals(年をとっていて生殖活動のできない動物)です。
訳:また、こうしたサンプルには大抵、精子と卵子が含まれます。そしてこれは、年をとっていて生殖活動のできない動物から採取することは難しいもしくは不可能です。
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いかがでしょう?今日の化学では、絶滅の恐れのある種の保護には液体窒素を使ったりして低温保存するのですね。この方法の弱点も示されました。新技術はこれを克服しているのですね。次回もこの続きを読んでいきましょう。お楽しみに。
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2022年10月12日
第332回 「フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか」その4
今回も「最先端科学・医療研究」の分野から取り上げました。今日は2022年7月のAFPの記事:Freeze-dried mice: How a new technique could help conservation(フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか)の第6パラグラフから読んでいきましょう。(注 解説しやすいようにパラグラフに記号や文ごとに番号を入れる場合があります)
TOKYO (AFP-Jiji)
(6)Scientists at the University of Yamanashi wanted to see whether they could solve those problems by freeze-drying somatic cells— any cell that isn’t a sperm or egg cell — and attempting to produce clones.
(7)They experimented with two types of mice cells, and found that, while freeze-drying killed them and caused significant DNA damage, they could still produce cloned blastocysts — a ball of cells that develops into an embryo.
フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか
第6パラグラフ
Scientists at the University of Yamanashi wanted to see whether they could solve those problems by freeze-drying somatic cells— any cell that isn’t a sperm or egg cell — and attempting to produce clones.
この文は長いのでいくつかに切って読んでいきましょう。まずScientists at the University of Yamanashi wanted to see whether they could solve those problems by freeze-drying somatic cellsを見ましょう。
この文の主語はScientists at the University of Yamanashi(山梨大学の科学者)です。述語は wanted to see(知りたいと思っていた)です。「何を知りたかったのか」は whether they could solve(彼らが解けるかどうか)です。「何を解くのか」は those problems(これらの問題)です。 by freeze-drying somatic cellsは「フリーズドライの体細胞を使って」です。
次に— any cell that isn’t a sperm or egg cell — の部分を見ましょう。この部分は先のfreeze-drying somatic cells(フリーズドライの体細胞)の説明です。 any cellは「どんな細胞であっても」です。 that isn’t a sperm or egg cellは「それは精子でも卵細胞でもありません」です。
最後の and attempting to produce clonesは「そしてクローンを作ろうとするものです」となります。
訳:山梨大学の科学者はフリーズドライの体細胞を使ってこれらの問題を自分たちがこうした問題を解けるかどうか知りたいと思っていました。この体細胞は精子でも卵細胞でもない細胞で、クローンを作ろうとするものです。
第7パラグラフ
They experimented with two types of mice cells, and found that, while freeze-drying killed them and caused significant DNA damage, they could still produce cloned blastocysts — a ball of cells that develops into an embryo.
この文は長いので、まずThey experimented with two types of mice cells, and found thatまでを訳しましょう。
この部分の文の主語はTheyで、先の Scientists at the University of Yamanashi(山梨大学の科学者)のことです。述語はexperimented(実験しました)です。「どんな実験したのか」は with two types of mice cells(2種類のネズミの細胞を使って)の実験です。
次の and found that~は、その実験の結果、~が分かりました。ということです。
ここまでの訳は「彼らは2種類のマウス細胞を用いて実験をして~ということが分かりました」となります。
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いかがでしょう?今回の研究の具体的な実験内容が示されてきました。どのよういに進んでいくのでしょうか。次回もこの続きを読んでいきましょう。お楽しみに。
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2022年10月19日
第333回 「フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか」その5
今回も「最先端科学・医療研究」の分野から取り上げました。
今日は2022年7月のAFPの記事:Freeze-dried mice: How a new technique could help conservation(フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか)の第7パラグラフの続きから読んでいきましょう。(注 解説しやすいようにパラグラフに記号や文ごとに番号を入れる場合があります)
TOKYO (AFP-Jiji)
(7)They experimented with two types of mice cells, and found that, while freeze-drying killed them and caused significant DNA damage, they could still produce cloned blastocysts — a ball of cells that develops into an embryo.
(8)From these, the scientists extracted stem cell lines that they used to create 75 cloned mice.
フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか
第7パラグラフ
They experimented with two types of mice cells, and found that, while freeze-drying killed them and caused significant DNA damage, they could still produce cloned blastocysts — a ball of cells that develops into an embryo.
前回はThey experimented with two types of mice cells, and found that~(彼らは2種類のマウス細胞を用いて実験をして~ということが分かりました)までを訳しました。今回はこの続きを見ましょう。
まず、文頭のwhileは接続詞ですから、この節の中の主語と述語を見つけましょう。主語は freeze-drying(フリーズドライすること )です。述語はkilled them(それらを殺していまいます)です。
ここのthemは先のtwo types of mice cells(2種類のネズミの細胞)です。
次の and caused significant DNA damageは「そして、DNAの重大な損傷を引き起こしてしまいます」です。ここまでがwhile節ですので、訳は「フリーズドライ化はその細胞を殺してDNAに重大な損傷を引き起こしますが」です。
次の部分は主節で、主語はthey です。これはフ―リーズドライ化で死んでしまった細胞です。述語はcould still produce(まだ作ることが可能です)です。「何を作るのか」は cloned blastocysts (クローン化された胚盤胞)です。
次の部分— a ball of cells that develops into an embryoはblastocysts (胚盤胞)の説明です。a ball of cellsは「球状の細胞」です。that develops into an embryoの部分は「胎児に成長する」で、先のa ball of cells(球状の細胞)にかかります。
訳:彼らが2種類のマウス細胞を用いて実験をしてわかったことは、フリーズドライ化はその細胞を殺してしまいDNAに重大な損傷を引き起こしてしまいますが、まだ胎児に成長する球状の細胞であるクローン化された胚盤胞は作ることが可能であったということです。
第8パラグラフ
From these, the scientists extracted stem cell lines that they used to create 75 cloned mice.
文頭のFrom theseは「これらから」ですがこのtheseは先のcloned blastocysts (クローン化された胚盤胞)のことです。
そして、この文の主語は次のthe scientists(科学者たち)です。述語は extracted(抽出しました)です。「何を抽出したのか」は stem cell lines (幹細胞の塊)です。ここにthat~がかかります。 they usedは「彼らが使った」ですが「彼ら」は科学者です。 to create 75 cloned miceは「75匹のクローンマウスを作りました」です。
訳:科学者はこの胚盤胞から幹細胞の塊を抽出し、75匹のクローンマウスを作りました
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いかがでしょう?フリーズドライ化しても幹細胞を取り出せるのですね。話はこれからどのように進んでいくのでしょうか。次回もこの続きを読んでいきましょう。お楽しみに。
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2022年10月26日
第334回 「フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか」その6
今回も「最先端科学・医療研究」の分野から取り上げました。
今日は2022年7月のAFPの記事:Freeze-dried mice: How a new technique could help conservation(フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか)の第9パラグラフの続きから読んでいきましょう。(注 解説しやすいようにパラグラフに記号や文ごとに番号を入れる場合があります)
TOKYO (AFP-Jiji)
(9)One of the mice survived a year and nine months, and the team also successfully mated female and male cloned mice with natural-born partners and produced normal pups.
(10)The cloned mice produced fewer offspring than would have been expected from natural-born mice, and one of the stem cell lines developed from male cells produced only female mice clones.
フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか
第9パラグラフ
One of the mice survived a year and nine months, and the team also successfully mated female and male cloned mice with natural-born partners and produced normal pups.
この文の主語はOne of the mice (ネズミの一匹)です。述語はsurvived a year and nine months(1年と9か月生きました)です。これは先の75 cloned mice(75匹のクローンマウス)のうちの一匹ということです。
次の部分の主語はthe team(このチーム)です。述語は successfully mated (交配に成功した)です。「どのような交配か」はfemale and male cloned mice(クローンマウスの雌雄)と natural-born partners(クローンでない雌雄)です。
次の述語 produced (生み出した)の主語は先のthe team(このチーム)です。「何を作り出したのか」はnormal pups(通常の子供)です。
訳:75匹のクローンマウスのうちの一匹は、その後1年と9ヶ月生きました。さらにチームは、クローンマウスのオスとメスをクローンでないマウスと交配させ、通常のマウスを産み出すことにも成功しました。
第10パラグラフ
The cloned mice produced fewer offspring than would have been expected from natural-born mice, and one of the stem cell lines developed from male cells produced only female mice clones.
この文の主語はThe cloned mice(クローンマウス)です。述語は produced (生みました)です。「どのくらい生んだのか」はfewer offspring (より少ない数のマウス)です。than would have been expectedは「予想されていた」です。 from natural-born miceは「クローンではないマウスから」です。
ここまでの訳は「クローンマウスから生まれたマウスは、通常のマウスからうまれると予想されるマウスよりも少ない数でした」となります。
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いかがでしょう?クローンマウスと交配して生まれた通常のマウスは理論上、特に問題がありそうもないのですが何か違いがあるのでしょうか。次回もこの続きを読んでいきましょう。お楽しみに。
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2022年11月02日
第335回 「フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか」その7
今回も「最先端科学・医療研究」の分野から取り上げました。
今日は2022年7月のAFPの記事:Freeze-dried mice: How a new technique could help conservation(フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか)の第10パラグラフの続きから読んでいきましょう。(注 解説しやすいようにパラグラフに記号や文ごとに番号を入れる場合があります)
TOKYO (AFP-Jiji)
(10)The cloned mice produced fewer offspring than would have been expected from natural-born mice, and one of the stem cell lines developed from male cells produced only female mice clones.
(11)“Improvement should not be difficult,” said Teruhiko Wakayama, a professor at the University of Yamanashi’s Faculty of Life and Environmental Sciences, who helped lead the study published in the journal Nature Communications this month.
フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか
第10パラグラフ
The cloned mice produced fewer offspring than would have been expected from natural-born mice, and one of the stem cell lines developed from male cells produced only female mice clones.
こ前回はThe cloned mice produced fewer offspring than would have been expected from natural-born mice(クローンマウスから生まれたマウスは、通常のマウスからうまれると予想されるマウスよりも少ない数でした)までを解説しました。今日はその続きを読んでいきましょう。
後半部分one of the stem cell lines developed from male cells produced only female mice clonesの主語はone of the stem cell lines (幹細胞の塊の一つ)です。次のdeveloped (成長した)は分詞で、後ろのfrom male cellsは「オスの細胞から」と一緒に、先のone of the stem cell lines (幹細胞の塊の一つ)にかかります。次の produced (生みました)が述語です。only female mice clonesは「メスのクローンのみ」です。
訳:クローンマウスから生まれたマウスは、通常のマウスからうまれると予想されるマウスよりも少ない数でした。また、オスの細胞から発達した幹細胞の塊の一部からはメスのクローンのみが生まれました。
第11パラグラフ
“Improvement should not be difficult,” said Teruhiko Wakayama, a professor at the University of Yamanashi’s Faculty of Life and Environmental Sciences, who helped lead the study published in the journal Nature Communications this month.
この文の主語と述語は発言の後ろにあるsaid Teruhiko Wakayama(若山輝彦さんは言いました)の部分です。, a professor at the University of Yamanashi’s Faculty of Life and Environmental Sciencesは若山さんの肩書で山梨大学生命環境科学部の教授です。
発言部分の“Improvement should not be difficult,”は「改善は難しくないはずです」です。ここまでの訳は(山梨大学生命環境科学部の若山輝彦教授は「改善は難しくないはずです」言いました)です。
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いかがでしょう?クローンマウスから生まれたマウス数が予想より少なかったり、オスの幹細胞からはメスのクローンしか生まれなかったのは興味深いですね。次回もこの続きを読んでいきましょう。お楽しみに。
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2022年11月09日
第336回 「フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか」その8
今回も「最先端科学・医療研究」の分野から取り上げました。
今日は2022年7月のAFPの記事:Freeze-dried mice: How a new technique could help conservation(フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか)の第11パラグラフの続きから読んでいきましょう。(注 解説しやすいようにパラグラフに記号や文ごとに番号を入れる場合があります)
TOKYO (AFP-Jiji)
(11)“Improvement should not be difficult,” said Teruhiko Wakayama, a professor at the University of Yamanashi’s Faculty of Life and Environmental Sciences, who helped lead the study published in the journal Nature Communications this month.
(12)“We believe that in the future we will be able to reduce abnormalities and increase the birth rate by searching for freeze-drying protectant agents and improving drying methods,” he told AFP.
フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか
第11パラグラフ
“Improvement should not be difficult,” said Teruhiko Wakayama, a professor at the University of Yamanashi’s Faculty of Life and Environmental Sciences, who helped lead the study published in the journal Nature Communications this month.
前回は“Improvement should not be difficult,” said Teruhiko Wakayama, a professor at the University of Yamanashi’s Faculty of Life and Environmental Sciences(山梨大学生命環境科学部の若山輝彦教授は「改善は難しくないはずです」言いました)までを見ました。今回はこの続きからです。
まず文頭の関係代名詞whoの先行詞は固有名詞であるTeruhiko Wakayama(若山輝彦教授)です。ここが主語です。
次の部分は述語で helpedは「手伝った」です。「何を手伝ったのか」は lead the study (研究をすすめる)出助けです。published は「発表されて発行された」です。「どこに発表されたのか」はin the journal Nature Communications(ネーーチャーコミュニケーションズ誌)です。 this month.
は「今月」です。
訳:山梨大学生命環境科学部の若山輝彦教授はこの研究を進める手助けをしましたが今月発表されたネーーチャーコミュニケーションズ誌で「改善は難しくないはずです」述べました。
第12パラグラフ
“We believe that in the future we will be able to reduce abnormalities and increase the birth rate by searching for freeze-drying protectant agents and improving drying methods,” he told AFP.
この文の主語と述語は文末のhe told AFP(彼はAFPに話しました)です。話した中身を見ましょう。彼は「若山教授」です。
この部分の主語はWe(私たち)で述語は believe that ~「~だと思っている」です。ここまでの訳は「私たちは~であると思っている」と若山教授はAFPに語りました」です。
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いかがでしょう?前回、若山教授は「クローンマウスから生まれたマウスが予想通りでなかった」と発言し。これに関して今回「改善できる」との見解を示しました。その根拠や方法を次回読んでいきましょう。お楽しみに。
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2022年11月16日
第337回 「フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか」その9
今回も「最先端科学・医療研究」の分野から取り上げました。
今日は2022年7月のAFPの記事:Freeze-dried mice: How a new technique could help conservation(フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか)の第12パラグラフの続きから読んでいきましょう。(注 解説しやすいようにパラグラフに記号や文ごとに番号を入れる場合があります)
TOKYO (AFP-Jiji)
(12)“We believe that in the future we will be able to reduce abnormalities and increase the birth rate by searching for freeze-drying protectant agents and improving drying methods,” he told AFP.
‘Very exciting advance’
(13)There are some other drawbacks — the success rate of cloning mice from cells stored in liquid nitrogen or at ultra low temperatures is between 2% and 5%, while the rate for the freeze-dried method is just 0.02%.
フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか
第12パラグラフ
“We believe that in the future we will be able to reduce abnormalities and increase the birth rate by searching for freeze-drying protectant agents and improving drying methods,” he told AFP.
前回 “We believe that ~” he told AFP(「私たちは~であると思っている」と若山教授はAFPに語りました)までを見ました。今日はこの続きを読みましょう。
まず、発言の中身のbelieve~(~と思っている)の部分ですが、文頭のin the futureは(将来)です。ここの主語は we (私たちは)で述語はwill be able to reduce(減らすことができるでしょう)です。「何を減らすことができるのか」は abnormalities(異常なもの・こと)です。ここでは出産が正常でないことを示しています。 and increase は「そして増やします」です。「何を増やすのか」はthe birth rate(出生率)です。「どうやって増やすのか」は by searching for (見つけ出すことによって)です。「何を見つけ出すのか」はfreeze-drying protectant agents(フリーズドライの保護剤)です。 and improving (そうして改善すること)は先の「どうやって増やすのか」の2つ目の方法です。drying methodsは「フリーズドライの方法」です。
訳:「私たちは、将来、複数のフリーズドライの保護剤を見つけることや、フリーズドライの方法を改善することで異常値を減らし出生率上げることができるとと思っています」と若山教授はAFPに語りました。
小見出し
‘Very exciting advance’
非常にわくわくする前進
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いかがでしょう?フリーズドライの保護剤はフリーズドライを長期的に安定保存するためのものです。これを使ったり方法自体の改善で異常の修正と出生率の増加をもたらすということですね。科学技術でどこまで進めるのでしょうか。まさに、exciting advance(わくわくする前進)ですね。次回もお楽しみに。
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2022年11月24日
第338回 「フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか」その10
今回も「最先端科学・医療研究」の分野から取り上げました。
今日は2022年7月のAFPの記事:Freeze-dried mice: How a new technique could help conservation(フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか)の第13パラグラフの続きから読んでいきましょう。(注 解説しやすいようにパラグラフに記号や文ごとに番号を入れる場合があります)
TOKYO (AFP-Jiji)
(13)①There are some other drawbacks② — the success rate of cloning mice from cells stored in liquid nitrogen or at ultra low temperatures is between 2% and 5%, while the rate for the freeze-dried method is just 0.02%.
(14)But Wakayama said the technique is still in its early stages, comparing it to the study that produced Dolly the famous sheep clone — a single success after more than 200 tries.
フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか
第13パラグラフ
第1文
There are some other drawbacks
これはthere is 構文ですので「いる・ある」と訳します。主語はsome other drawbacks(欠点)です。
訳:いくつかの欠点もあります。
第2文
— the success rate of cloning mice from cells stored in liquid nitrogen or at ultra low temperatures is between 2% and 5%, while the rate for the freeze-dried method is just 0.02%.
ここは第1文の補足説明です。この部分の主語はthe success rate(成功率)です。「何の成功率か」は of cloning mice (クローンマウス)です。from cells は「細胞から」です。「どんな細胞からか」はstored(貯蔵された細胞)です。「どこに貯蔵された細胞か」は in liquid nitrogen (液体窒素)or at ultra low temperatures (もしくは極度に低い温度で)です。
ここにつながるis between 2% and 5%(2% から 5%の間です)がこの文の述語になっています。
次の whileは接続詞で「一方で」です。この部分の主語は the rate for the freeze-dried method(フリーズドライ方法での割合)です。ここでの割合は先の成功率のことです。述語は is just 0.02%(たった0.02%です)となります。
訳:他にもいくつか短所があります。液果窒素や超低温で保存された細胞からのクローンマウスの成功率は2%から5%です。一方、フリーズドライの方法での成功率はたった0.02%です。
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いかがでしょう?フリーズドライ成功率が0.02%と聞くと、確かに実現が厳しいのかとも思えますね。この欠点は改善の見込みがあるのでしょうか。次回もお楽しみに。
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2022年11月30日
第339回 「フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか」その11
今回も「最先端科学・医療研究」の分野から取り上げました。
今日は2022年7月のAFPの記事:Freeze-dried mice: How a new technique could help conservation(フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか)の第14パラグラフの続きから読んでいきましょう。(注 解説しやすいようにパラグラフに記号や文ごとに番号を入れる場合があります)
TOKYO (AFP-Jiji)
(14)But Wakayama said the technique is still in its early stages, comparing it to the study that produced Dolly the famous sheep clone — a single success after more than 200 tries.
(15)“We believe the most important thing is that cloned mice have been produced from freeze-dried somatic cells, and that we have achieved a breakthrough in this field,” he said.
フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか
第14パラグラフ
But Wakayama said the technique is still in its early stages, comparing it to the study that produced Dolly the famous sheep clone — a single success after more than 200 tries.
文頭のButは、前のパラグラフの中身である、成功率が0.02%であるという欠点を受けています。
この文の主語は Wakayama(若山教授)で述語は said (述べています)です。その中身は主語はthe technique(この技術)です。述語は is still in its early stages(まだその初期段階にある)です。
続く comparing ~は分詞構文ですから「そして比べました」と訳します。「何を何と比べたのか」はit(それ)を to the study(研究)と比べています。ここでit(それ)は 成功率が0.02%であるということです。
次のthat~が先のthe study(研究)にかかっていき、どんな研究かを説明しています。 produced は「生み出した」です。Dolly the famous sheep cloneはドリーという有名なクローン」です。
ダッシュの部分、— a single success after more than 200 triesは追加説明で、「ドリー」のことを言っています。a single success は「たった一回の成功」です。after more than 200 triesは「200以上の試行ののちで」です。
訳:しかし、200回以上の試行ののちたったの1件の成功である、有名なクローンヒツジのドリーを生み出した研究に比べれば、この研究はまだ初期段階にあるのですと若山教授は話しています。
第15パラグラフ
“We believe the most important thing is that cloned mice have been produced from freeze-dried somatic cells, and that we have achieved a breakthrough in this field,” he said.
この文の主語と述語は最後にある、 he said(彼は述べました)です。ここでのheは「若山教授」です。発言の中身は次回見ていきましょう。
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いかがでしょう?クローン羊のドリーの誕生までは1000以上の未受精卵が使われた事、ドリーが一般の未の寿命のやく半分の6歳で死亡したこと。合併症の遺伝、他の哺乳類やヒトへの応用、といった様々な論争を引き起こしています。フリーズドライの方法についても論争が起きそうですが、まずは技術的な課題がクリアできるかが大切ですね。次回もお楽しみに。
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2022年12月07日
第340回 「フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか」その12
今回も「最先端科学・医療研究」の分野から取り上げました。
今日は2022年7月のAFPの記事:Freeze-dried mice: How a new technique could help conservation(フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか)の第15パラグラフの続きから読んでいきましょう。(注 解説しやすいようにパラグラフに記号や文ごとに番号を入れる場合があります)
TOKYO (AFP-Jiji)
(15)“We believe the most important thing is that cloned mice have been produced from freeze-dried somatic cells, and that we have achieved a breakthrough in this field,” he said.
(16)While the method is unlikely to entirely replace cryopreservation, it represents a “very exciting advance for scientists interested in biobanking threatened global biodiversity,” said Simon Clulow, senior research fellow at the University of Canberra’s Centre for Conservation Ecology and Genomics.
フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか
第15パラグラフ
“We believe the most important thing is that cloned mice have been produced from freeze-dried somatic cells, and that we have achieved a breakthrough in this field,” he said.
前回は、この文の主語と述語he said(彼は述べました)まで確認しました。今日はその発言の中身を見ていきましょう。
発言部分の主語はWe(私たち)で 述語はbelieve ~(~と思っています)です。次の部分のthe most important thing(最も大切なこと)が主語で is that ~(~です)が述語です。その中身はcloned mice(クローンマウス)が主語で have been produced (作られました)が述語です。from freeze-dried somatic cellsは「フリーズドライの体細胞から」です。
次の and that~は先のbelieve ~(~と思っています)の中身の2つ目です。 ここの主語はweで述語は have achieved (成し遂げました)です。「何を成し遂げたのか」はa breakthrough in this field(この分野でのブレークスルー)です。
訳:若山教授は「最も大切なことは私たちはフリーズドライの体細胞からクローンマウスを作り出したことであって、この分野でのブレークスルーだと思っています」と話ました。
第16パラグラフ
While the method is unlikely to entirely replace cryopreservation, it represents a “very exciting advance for scientists interested in biobanking threatened global biodiversity,” said Simon Clulow, senior research fellow at the University of Canberra’s Centre for Conservation Ecology and Genomics.
この文の主語と述語は文の後半に出てくるsaid Simon Clulowの部分です。もちろん Simon Clulow(サイモン・クルーロウ氏)が主語で said(言いました)が述語です。 Simon Clulow(サイモン・クルーロウ氏)の肩書はsenior research fellow at the University of Canberra’s Centre for Conservation Ecology and Genomics(キャンベラ大学・保存生態学およびゲノム学研究所の上級研究員)です。
ここまでの訳は「キャンベラ大学・保存生態学およびゲノム学研究所の上級研究員のサイモン・クルーロウ氏は~と話しました」です。
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いかがでしょう?フリーズドライの体細胞からクローンマウスを作り出したことは、技術的な課題をしっかりクリアしたということですね。次回もお楽しみに。
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2022年12月14日
第341回 「フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか」その13
今回も「最先端科学・医療研究」の分野から取り上げました。
今日は2022年7月のAFPの記事:Freeze-dried mice: How a new technique could help conservation(フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか)の第16パラグラフの続きから読んでいきましょう。(注 解説しやすいようにパラグラフに記号や文ごとに番号を入れる場合があります)
TOKYO (AFP-Jiji)
(16)While the method is unlikely to entirely replace cryopreservation, it represents a “very exciting advance for scientists interested in biobanking threatened global biodiversity,” said Simon Clulow, senior research fellow at the University of Canberra’s Centre for Conservation Ecology and Genomics.
(17)“It can be difficult and costly to work up cryopreservation protocols and so alternatives, especially those that are cheaper and robust, are extremely welcome,” added Clulow, who was not involved in the research.
フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか
第16パラグラフ
While the method is unlikely to entirely replace cryopreservation, it represents a “very exciting advance for scientists interested in biobanking threatened global biodiversity,” said Simon Clulow, senior research fellow at the University of Canberra’s Centre for Conservation Ecology and Genomics.
前回はsaid Simon Clulow, senior research fellow at the University of Canberra’s Centre for Conservation Ecology and Genomics.(キャンベラ大学・保存生態学およびゲノム学研究所の上級研究員のサイモン・クルーロウ氏は~と話しました)の部分を訳しました。今日はそれ以外のところを見ていきましょう。
文頭のWhile ~は「~ですが」です。この部分の主語はthe method (この方法)です。述語はis unlikely (~しそうもない)でう。「何しそうもない」のかはto entirely replace(完全にとってかわること)です。「何にとって代わるのか」は cryopreservation(低温保存法)です。
次の文の主語は itでthe method (この方法)を指します。述語は represents (表している)です。「何を表しているのか」はa “very exciting advance(非常わくわくする前進)です「何にとっての前進か」は for scientists(科学者にとって)です。「どんな科学者か」は interested(興味を持っている科学者)です。「何に興味を持っているのか」は in biobanking (バイオバンキング)です。threatened global biodiversityは「全世界的な生物多様性を脅かしているようなものの」 です。
訳:この手法が低温保存法に完全に取って代わりそうもないが、キャンベラ大学・保存生態学およびゲノム学研究所、サイモン・クルーロウの上級研究員は危機に瀕している生物多様性のバイオバンキングに関心のある科学者にとっては非常にわくわくする前進」であると話している。
第17パラグラフ
“It can be difficult and costly to work up cryopreservation protocols and so alternatives, especially those that are cheaper and robust, are extremely welcome,” added Clulow, who was not involved in the research.
この文の主語と述語は文末にあるadded Clulow(クルーロウ氏は付け加えました)です。 who was not involved in the researchは「そして彼は今回の研究には参加していません」です。ここまでの訳は「クルーロウ氏は~と付け加えました。そして彼は今回の研究には参加していません」です。次回は発言内容を見ていきましょう。
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いかがでしょう?絶滅危惧種の細胞を凍結させ保存するのが「バイオバンキング」です。その目的は、将来それを使ってクローンを誕生させることです。フリーズドライの手法が認知され、その目的のための選択肢が広がったわけですね。次回もお楽しみに。
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2022年12月21日
第342回 「フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか」その14
今回も「最先端科学・医療研究」の分野から取り上げました。
今日は2022年7月のAFPの記事:Freeze-dried mice: How a new technique could help conservation(フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか)の第16パラグラフの続きから読んでいきましょう。(注 解説しやすいようにパラグラフに記号や文ごとに番号を入れる場合があります)
TOKYO (AFP-Jiji)
(17)“It can be difficult and costly to work up cryopreservation protocols and so alternatives, especially those that are cheaper and robust, are extremely welcome,” added Clulow, who was not involved in the research.
(18)The study stored the freeze-dried cells at minus 30 C, but the team has previously showed freeze-dried mouse sperm can survive at least a year at room temperature and believes somatic cells would do too.
フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか
第17パラグラフ
“It can be difficult and costly to work up cryopreservation protocols and so alternatives, especially those that are cheaper and robust, are extremely welcome,” added Clulow, who was not involved in the research.
前回は文末のadded Clulow, who was not involved in the research(クルーロウ氏は~と付け加えました。そして彼は今回の研究には参加していません)までを訳しました。今日はその発言内容を見ていきましょう。
文頭のItは仮主語ですので、真主語を見つけましよう。真主語はto work up (取り組むこと)です。何に取り組むのかはcryopreservation protocols (低温保存法の手順)です。
次のand soは「よって」です。次の alternatives(代替手段)が主語です。述語は、カンマに囲まれた部分(, especially those that are cheaper and robust,)をいったん飛ばすとみえてきます。are extremely welcomeの部分です「とても歓迎すべきものです」となります。
いったん飛ばした部分を見ましょう。 especially those は「特にこうしたもの」です。直前のalternatives(代替手段)の説明です。ここにthat are cheaper and robust(それは安価で強力なものです)がかかります。
訳:クルーロウ氏は「低温保存法の手順に取り組むことは困難で費用がかかります。よって、代替手段、それも安価で強力な代替法の場合ならそれは大歓迎なものです」と付け加えました。そして彼は今回の研究には参加していません。
第18パラグラフ
The study stored the freeze-dried cells at minus 30 C, but the team has previously showed freeze-dried mouse sperm can survive at least a year at room temperature and believes somatic cells would do too.
この文は長いので少しずつ分けてみていきましょう。まず、最初の部分はThe study stored the freeze-dried cells at minus 30 Cです。この文の主語はThe study (この研究)です。述語はstored (貯えました)です。「何を蓄えたのか」はthe freeze-dried cells(フリーズドライした細胞)です。 at minus 30 Cは「マイナス30度で」です。つまり「マイナス30度で保存した」ということです。
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いかがでしょう?低温保存法の代替手段として有用であるとの説明が続きます。「安価に」そして「手軽に」がポイントですね。次回続きを読みましょう。お楽しみに。
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2023年1月18日
第343回 「フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか」その15
今回も「最先端科学・医療研究」の分野から取り上げました。
今日は2022年7月のAFPの記事:Freeze-dried mice: How a new technique could help conservation(フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか)の第18パラグラフの続きから読んでいきましょう。(注 解説しやすいようにパラグラフに記号や文ごとに番号を入れる場合があります)
TOKYO (AFP-Jiji)
(18)The study stored the freeze-dried cells at minus 30 C, but the team has previously showed freeze-dried mouse sperm can survive at least a year at room temperature and believes somatic cells would do too.
(19)The technique could eventually “allow genetic resources from around the world to be stored cheaply and safely,” Wakayama said.
フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか
第18パラグラフ
The study stored the freeze-dried cells at minus 30 C, but the team has previously showed freeze-dried mouse sperm can survive at least a year at room temperature and believes somatic cells would do too.
前回はThe study stored the freeze-dried cells at minus 30 C,「この研究ではフリーズドライした細胞をマイナス30度で保存しました」までを訳しました。今回はその続きを見ていきましょう。
ここでの主語は the team (このチームは)です。述語はhas previously showed(以前に示した)です。「何を示したのか」は freeze-dried mouse sperm (フリーズドライのネズミの精子)です。述語はcan survive (生き残ることができる)です。at least a year は「最低一年間」です。at room temperatureは「常温で」です。
次の and believes(そして思いました)の主語は先のthe team (このチームは)です。「何を思ったのか」は somatic cells would do too(体細胞もこれをするだろう)ということです。doの目的語がないので本文には「これ」とは直接かかれていないのですが、前後から判断できますね。具体的にはcan survive at least a year at room temperature(常温で少なくとも一年は生き残ることができる)ということです。
訳:この研究ではフリーズドライした細胞をマイナス30度で保存しました。以前に、フリーズドライしたマウスの精子が常温で少なくとも1年間は生き延びることを示していて、体細胞でもそれが可能であると信じています。
第19パラグラフ
The technique could eventually “allow genetic resources from around the world to be stored cheaply and safely,” Wakayama said.
この文の主語と述語は文末のWakayama said(若山教授は述べました)です。「何を述べたのか」の部分を次回、見ていきましょう。
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いかがでしょう?フリーズドライの方法が従来のものの代替手段ではなく選択肢の一つとして使えるという主張ですね。次回、最終文まで読んでいきましょう。お楽しみに。
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2023年2月1日
第344回 「フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか」その16
今回も「最先端科学・医療研究」の分野から取り上げました。
今日は2022年7月のAFPの記事:Freeze-dried mice: How a new technique could help conservation(フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか)の第19パラグラフの続きから読んでいきましょう。(注 解説しやすいようにパラグラフに記号や文ごとに番号を入れる場合があります)
TOKYO (AFP-Jiji)
Very exciting advance
(19)The technique could eventually “allow genetic resources from around the world to be stored cheaply and safely,” Wakayama said.
(20)The work is an extension of years of research on cloning and freeze-drying techniques by Wakayama and his partners.
(21)①One of their recent projects involved freeze-drying mouse sperm that was sent to the International Space Station. ②Even after six years in space, the cells were successfully rehydrated back on Earth and produced healthy mice pups.
フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか
第19パラグラフ
The technique could eventually “allow genetic resources from around the world to be stored cheaply and safely,” Wakayama said.
前回、この文の主語と述語は文末のWakayama said(若山教授は述べました)までを見ました。今回はその続きを見ていきましょう
ここでの主語はThe technique (この技術)です。述語はcould eventually “allow (最終的には許す)です。「何を許すのか」はallow A to不定詞の形で「Aが~することを許す」ですので、Aがgenetic resources from around the world で「~」の部分がto be stored cheaply and safelyです。
主語がThe technique (この技術)ですから述語のcould eventually allow は「この技術で~が可能になる」ということです。
Aの部分はgenetic resources(遺伝的な資源)です。 from around the world は「世界中の」です。「~」の部分のto be stored は「蓄える」ですからここでは「保存する」がよいですね。cheaply and safelyは「安く安全に」です。
訳:若山教授はこの技術で「世界中の遺伝的な資源を安価かつ安全に保存することができる」と話しています。
第20パラグラフ
The work is an extension of years of research on cloning and freeze-drying techniques by Wakayama and his partners.
この文の主語はThe work(この仕事)です。述語は is an extension(延長です)です・「何の延長か」は of years of research(研究の数)です。
「何の研究か」は on cloning and freeze-drying techniques(クローンとフリーズドライ技術)です。 by Wakayama and his partnersは「若山教授と彼のパートナーによる」です。
訳:この研究は、クローンとフリーズドライ技術に対する若山教授とチームの長年の取り組みの延長になります。
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いかがでしょう?最終パラグラフが残ってしましました。山梨大学のこの取り組みは宇宙へとつながっていきます。次回こそ最終文まで読んでいきましょう。お楽しみに。
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2023年2月8日
第345回 「フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか」その17
今回も「最先端科学・医療研究」の分野から取り上げました。
今日は2022年7月のAFPの記事:Freeze-dried mice: How a new technique could help conservation(フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか)の最終パラグラフを読んでいきましょう。(注 解説しやすいようにパラグラフに記号や文ごとに番号を入れる場合があります)
TOKYO (AFP-Jiji)
Very exciting advance
(21)①One of their recent projects involved freeze-drying mouse sperm that was sent to the International Space Station. ②Even after six years in space, the cells were successfully rehydrated back on Earth and produced healthy mice pups.
フリーズドライのネズミ:新技術が保護に役立つか
第21パラグラフ
第1文
One of their recent projects involved freeze-drying mouse sperm that was sent to the International Space Station.
この文の主語はOne (1つ)です。「何のひとつか」はof their recent projects (彼らの研究の)です。述語はinvolved (含んでいます)です。「何を含んでいるのか」はfreeze-drying mouse sperm(フリーズドライしたねずみの精子)です。ここに that以下がかかってきます。
この部分の述語は受身形になっています。was sent で「送られた」です「どこに送られたのか」はto the International Space Station(国際宇宙ステーション)です。
訳:彼らの最近の研究には、国際宇宙ステーションに送られたフリーズドライのネズミの精子が含まれています。
第2文
Even after six years in space, the cells were successfully rehydrated back on Earth and produced healthy mice pups.
文頭のEven after six years in spaceは「宇宙での6年間のあとで」です。
この文の主語は the cells(この細胞)です。ここでは先の freeze-drying mouse sperm that was sent (送られたフリーズドライのネズミの精子)ですのことです。
述語はwere successfully rehydrated backですが、副詞を省くとwere rehydrated (水分補給された)となります。つまり、フリーズドライのネズミの精子を水で戻したということです。ここに successfully(うまく)と back(戻る)がかかってきます。よって、「うまく水で戻された」ということです。「どこで戻されたのか」は on Earth(地上で)です。
次の and produced(そして作り出した)は述語なのでその主語は先のthe cells(この細胞)です。「何を作り出したのか」は healthy mice pups(健康的な子ネズミ)です。つまり、無事に健康な赤ちゃんネズミが生まれたということですね。
訳:宇宙で6年間を過ごした後、このフリーズドライされた精子細胞は地上で水で戻され、うまく成功しました。そして健康な状態の赤ちゃんを数匹生み出しました。
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いかがでしょう?今回の話は、山梨大学と宇宙航空研究開発機構 JAXA(ジャクサ)の「国際宇宙ステーションの「きぼう」で長期保存した精子 DNA の正常性と宇宙マウス について -人類の宇宙生殖の可能性を示す-」で検索するといくつかヒットすると思います。興味のある人は引き続き追いかけてみてください。次回からまた新しい記事を読んでいきましょう。お楽しみに。
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2023年2月15日
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