チーム医療が叫ばれる昨今、医師だけでなく他の医療スタッフと連携して治療に当たることが重要視されています。
これに伴い、医学部には医学科だけでなく保健学科という学科が組織されていることが多いです。
医学部保健学科とはどんな勉強を行い、卒業後はどんな進路が期待できるのかについて詳しく解説していきます。
目次
医学部でも医師を目指さない保健学科
医学部に在籍する学生は全員が医師になる訳ではありません。
というのも、医学部には医師を目指す医学科の他に保健学科という学科が設置されているからです。
大学によっては、保健医療学部など学部として独立している場合もありますが、保健学は医学の1つでもあるため、医学部がある大学では医学部内に組織されていることが多いのです。
医学部保健学科ではさらに専攻が細分化されており、一般的に下記のような3つの専攻分野が設置されています。
- 看護学
- 放射線技師科学
- 検査技師科学
それでは、上記3つの専攻について簡単に解説していきましょう。
看護学
看護学はその名の通り、看護師や保健師、助産師などを養成します。
看護の方法や病気や予防学に関する知識を学びながら、実習を通じて看護師としてのスキルを磨いていきます。
当該専攻では、看護師、保健師、助産師の国家資格を取得することが可能です。
放射線技師科学
放射線科学は、放射線(X線)を用いて画像診断や治療を行う「医療技術科学」を学びます。
放射線治療やMRIなど先端医療機器を使って正しい診断や治療を行えるよう、知識や技術を習得していきます。
当該専攻では、診療放射線技師という国家資格を取得することが可能です。
検査技師科学
検査技術科学では、人体や臓器の働き・機能や病気のメカニズムを学び、病気の原因や重症度並びに治療効果などを調べる「臨床検査医学」について学びます。
DNA検査・血液検査・病理検査などの様々な検査技術を学び、病気の診断・治療・予防に関する正確な情報を分析・理解できるよう知識やスキルを磨いていきます。
当該専攻では、臨床検査技師の国家資格取得を目指すことが可能です。
医学科と違い4年制
医学部医学科の場合は6年制ですが、保健学科は同じ医学部でも4年制を採用。
再受験生でも医学科と違い早期にキャリア形成を図ることができのが魅力です。
一般的に医学部保健学科では、1年次から2年次は教養科目や専門科目を学ぶ座学が中心ですが、3年次に白衣式があり、病院実習(医学科でいう臨床実習)の日々を送ることになります。
病院実習は4年次まで続き、卒業前に国家試験を受験して合格すれば資格を取得して就職や大学院への進学という大学生活を送ることに。
在学中に国家資格を受験して合格を目指すため学業との両立が大変ですが、3年制の専門学校や短大でも学べる保健学科を、医学科と連携しながら4年かけて学ぶ学士課程は進路の選択肢も広がること間違いなしです。
卒業後の主な進路
- 医療機関
- 公務員
- 大学院進学
医学部保健学科の卒業生の進路としては上記のような就職先が一般的ですが、ほとんどは病院などの医療機関です。
最近はより専門性を身に付けるため、または研究に専念したいために大学院へ進学する学生も増えています。
医学部保健学科の入試難易度は?
医学部医学科は大学入試の中で最も難易度が高く偏差値60以上の学力が要求されますが、保健学科の場合は非常にバラつきがあるのが特徴です。
まず、大学によって偏差値が異なり、旧帝大学や都市部の国立大学ほど難易度は高め。
例えば、多くの学生が保健学科に進む東京大学理科二類は偏差値67.5と医学部医学科レベルの高い学力が要求されています。
いっぽう、地方国立大学などの医学部保健学科の場合は、偏差値50も珍しくありません。
また、保健学科の中でも看護学は偏差値は低い一方で、放射線技術科学や検査技術科学は同大学医学部保健学科でも高くなる傾向にあります。
したがって、医学部保健学科を目指す場合、どの大学を受験するか、そして専攻はどれにするかによって難易度は大きく変わってくることになります。
面接試験はない大学もある
医学部医学科の場合は二次試験で面接が必須でしたが、保健学科の場合は国公立・私立ともに面接がない大学も見つけることが可能です。
保健学科はコミュニケーション力が求められる職業ばかりですが、入試の時点では問われない点は魅力に感じる人も多いのではないのでしょうか。
純粋に学力勝負で合格を目指せるため、医学科よりも保健学科のほうが年齢などで不利になる心配がありません。
学科試験は理科一科目の場合もあり
医学部医学科の場合は学科試験は英語・数学・理科二科目がほとんど。
しかし、保健学科の場合は理科一科目で受験できる大学が国公立・私立ともにあるので、受験対策の負担を軽減することが可能です。
ただし、国立大学の場合は、熊本大学のように個別学力試験で理科1科目でも共通テストでは理科2科目となっているケースもあるので、注意しましょう。
まとめ
最近は、医療技術の高度化・複雑化が著しく、医師以外の医療スタッフも高度な知識と専門性が求められており、附属病院を併設する医学部の保健学科で学ぶことにより、高度医療に触れられることは非常に貴重な経験を積むことが可能です。
医学科ではないため医師になることはできませんが、チーム医療が重視される現代医療では、看護師や放射線技師、臨床検査士は必要不可欠な存在であり、高度な医療機器や検査方法が誕生している今、4年制の保健学科を卒業する学生へのニーズは高まりつつあります。
医学部医学は非常に難易度が高く、合格できる保証はありません。
医師とはまた別の方法で医療に貢献するため、保健学科を選ぶことも1つの選択肢として持っておいても良いのではないのでしょうか。

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