厳しい受験に耐え、医学部に合格したからといって、それがゴールではありません。医学部に入学した人のゴールはやはり医師免許に合格し医師になること。
そんな医師への道のりは大学合格後6年間あり、たくさん講義を受け、勉強をしていくとともに実習を通じて経験を積んでいくことになります。
この記事では大学医学部ならではと言える臨床実習について詳しく解説していきます。
大学医学部6年間の授業や臨床実習のスケジュールとは
各大学医学部により授業や臨床実習のタイミングやスケジュールは異なるのはもちろんなので、ここでは一般的なものをご紹介していきます。
大学入学から 1年生時 前半 |
教養教育 | |
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1年生時 後半 |
基礎医学 | |
2年生時 前半 |
医療論理・統計・ 教養英語・ 医学英語 など |
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2年生時 後半 |
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3年生時 前半 |
基礎医学・ 社会医学 |
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3年生時 後半 |
臨床医学 (講義・演習) |
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4年生時 前半 |
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4年生時、 8月から 2月の間 (早い所は 3年生の冬 という大学も) |
CBT・ OSCE試験 |
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4年生時 後半 |
臨床医学 (実習) |
医療論理・統計・ 教養英語・ 医学英語 など |
5年生時 前半 |
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5年生時 後半 |
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6年生時 前半 |
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6年生時 後半から 大学卒業 まで |
卒業試験・ 医師国家試験 |
通常、大学医学部に入学してから半年ほどは教養教育を受けることになります。
その後、医学部1年生から3年生前半までは基礎医学を学んでいくのですが、2年生時からは医療論理や統計、教養英語、医学英語などを並行して勉強する必要があり、非常に医学部生は忙しくなるでしょう。
臨床実習は医学部3年生からの社会医学、臨床医学の講義・演習を受けた後、行われるCBT・OSCE試験を受験、合格した人のみが進むことができます。
臨床実習は4年生の後半から6年の1前半までおよそ72週に渡って行われるので、非常に長期間になります。医学部生の後半は勉強と臨床実習に明け暮れるといっても過言ではないでしょう。
医学部6年生の2学期には卒業試験が行われ、大学卒業前の2月中旬に医師国家試験を合格することにより晴れて医師免許を取得できるというわけです。
CBT・OSCE試験とは
CBT・OSCE試験とは診療参加型臨床実習を行うための条件として、臨床実習が行われる前年までに合格しておかなくてはいけない試験のこと。
共用試験と呼ばれるこの二つの試験は診療参加型臨床実習(クラニカルクラークシップ)、つまり診療を行う上で医療行為の違法性の阻却、患者の安全確保、医学部生の学習状況などを担保する重要な試験です。全国の大学医学部や薬学部が共に用いる試験ということで共用試験です。
CBTとOSCEの違いは臨床実習のための知識を試すCBTと技能と態度を評価するOSCEという点で、どちらか片方だけでなく両方の試験に合格することが臨床実習に進むための条件となります。
大学によっては6年時に海外での臨床実習を組み込む学校も
全ての大学ではありませんが、いくつかの医学部生は6年生時に海外での臨床実習を受けることができる学校もあります。
順天堂大学や神戸大学、千葉大学や帝京大学、北里大学などの医学部生が毎年で海外で、診療参加型臨床実習(クラニカルクラークシップ)に参加しています。
臨床実習とはどのような内容?
こちらも各医学部によりますが、早い所だと4年の冬から、一般には5年生から6年生の前半まで臨床実習が行われます。
臨床実習では小グループに分かれて各科を回り直接患者さんに接することで医学・医療両面の知識を深め、技術を磨いていきます。
もちろん知識や技術だけでなく、臨床実習を通じて医師としての責任感や指導力、協調性など必要な要素を身につけていくのも大事なことです。
従来は見学方臨床実習という、診察しているのを”見る”実習が主だった時代もありますが、現在は診療参加型臨床実習(クラニカルクラークシップ)として実際に”診る”実習に比重を置く大学医学部が多くなっています。
臨床実習のスケジュールを慶應義塾大学医学部を例に見てみましょう。
慶應義塾大学医学部の臨床実習、第1クール
医学科目を学ぶための基礎となる以下の実習を行い知見を深めていきます。
- 内科学(11週)
- 外科学(7週)
- 小児科学(2週)
- 産科学(2週)
- 婦人科学(2週)
- 精神医学(2週)
- 整形外科学(2週)
- 麻酔学・緩和医療(2週)
- 輸血臨床実習(1週)
- 臨床検査学(1週)
慶應義塾大学医学部の臨床実習、第2クール
慶應義塾大学医学部では第2クールで地域基盤型臨床実習として4週間、慶應義塾大学医学部の教育関連病院に4週間滞在して地域医療を学ぶ実習が用意されています。
- 内科アドバンスト(4週)
- 放射線医学(2週)
- 泌尿器科学(2週)
- 耳鼻咽喉科学(2週)
- 眼科学(2週)
- 皮膚科学(2週)
- 救急医学(2週)
- 形成外科学(1週)
- リハビリテーション医学(1週)
- 歯科学(1週)
- 病理診断実習(1週)
- 選択臨床実習(2週)
- 地域基盤型臨床実習(4週
スケジュールから分かるように医学部の5年生から卒業までは臨床実習で非常に多忙です。大学病院の先生の指導の下で朝から晩まで一日中実習を行うわけですから、文字通りバタバタと走り回るわけです。
問診や診察、そして手術がある場合はj助手として長時間立ち合い、さらにレポートや発表と大変きつい、忙しい内容と言えるでしょう。
情報まとめ
いかがだったでしょうか、今回は医学部に合格した人がみなさん経験するであろう臨床実習について詳しく解説しました。
2020年に起きた新型コロナ拡大の影響を受け、医師という職業は非常に注目されていますし、その分期待もされています。ぜひ勉強を頑張っていただいて医学部に合格し、実習をくぐり抜け、医師免許を取得して立派な医師になってくださいね。
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