2021年(令和3年)からセンター試験に代わって大学入学共通テストが始まります。
センター試験と出題傾向など変わる部分も多いですが、医学部受験においては引き続き9割超の高得点が必要になってくることが予想されます。
したがって、大学入学共通テストの概要や攻略法を早めに知って適切な医学部受験対策を行いましょう。
特に、早くから高校で対策を始めていた現役生と違い、浪人生は1年という短期間で受験対策をしなけれなりません。
当ページをぜひ参考にして、日ごろの医学部受験勉強にお役立て下さい。
2021年度からセンター試験に代わる大学入学共通テストがスタート
医学部受験生も決して他人事ではないことが共通テストのスタート。
2020年にセンター試験が終わり、代わって実施される大学入学共通テストは基本路線は変わりません。
これまで通り大学入試センターが運営機関で、国公立大学を志望する医学部受験生は必須の試験であり、日程は1月中旬ごろの週末に実施される予定です。
当初の予定だった英語の外部試験導入や記述式問題の導入が延期されたことで、センター試験と大きな変更点はないと思っている医学部受験生もいるかもしれません。
しかし、マーク式が継続されるものの出題形式や意図などは大きく変わっており、試験時間内で沢山の資料やグラフを読み取りながら解答させる問題が増えるなど、いかに短時間で情報を理解して解けるかどうかが重要になっています。
日常生活や時事に関連した問題も過去に実施されたプレテストでは確認されており、暗記よりも思考力・判断力が問われる問題が増えているのも大きな特徴で難易度が高くなった感じる医学部受験生も多いかもしれません。
実施日程 | 令和3年1月16日、17日 |
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検定料 | 3教科以上受験18,000円 |
※入試日程は新型コロナの影響で変更される場合があります
教科 | 科目 | 配点 | 試験時間 |
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国語 | 国語 | 200点 | 80分 |
地理歴史 | 世界史A 世界史B 日本史A 日本史B 地理A 地理B |
1科目100点 | 1科目60分 2科目130分(解答時間120分) |
公民 | 現代社会 倫理 政治・経済 倫理,政治・経済 |
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数学 | 数学I 数学I・数学A |
100点 | 70分 |
数学Ⅱ 数学Ⅱ・B |
100点 | 60分 | |
理科 | 物理基礎 化学基礎 生物基礎 地学基礎 |
2科目100点 | 科目選択60分 |
物理 化学 生物 地学 |
1科目100点 2科目200点 |
1科目選択:60分 2科目選択:130分(解答時間120分) |
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英語 | 英語(リーディング・リスニング) | 各100点 | リーディング:80分 リスニング:60分 |
国公立大学の医学部受験生は対策が必須
国公立大学を希望する医学部受験生の場合、大学入学共通テストは回避できません。
これまでのような過去問を解いて出題パターンに慣れたり、暗記に頼った勉強法では医学部受験を合格できるような高得点を取ることは難しいことが予想されます。
資料やグラフを読み取る問題や、考えて答えを導きさせる問題が増えているので、小手先のテクニックに頼らない基礎学力の徹底、および、考えて解く力を身につけられるよう早い段階から訓練しておくことが重要です。
私立大学の医学部受験生も共通テスト利用の入試は注意
私立大学の医学部受験の場合、各大学の独自試験が実施されているので、大学入学共通テストを受験しなくても合格することが可能です。
ただし、私立大学医学部の一部では、大学入学共通テストを取り入れている医学部もあります。
最近、私立の医学部受験を見ていると、一般入試の定員を減らし、推薦等の定員を増やしている傾向があるため、浪人生などにとっては共通テスト利用の試験も重要になってきています。
合格の可能性を増やしたい受験生や、国公立との併願を検討している受験生は共通テストを受けることになります。
私立大学の問題と違い、共通テストは癖がなく難問も少ないため、医学部受験生のレベルだと高得点を取ることも不可能ではありません。
ただし、大学入学共通テストの対策に充てる時間がない場合、一般入試で医学部合格を目指すのも1つの方法です。
医学部受験対策にも影響?共通テストの変更点と攻略ポイント
国語
国語については、記述問題の予定が検討されていたものの延期が決定。
これに伴い試験時間は100分が予定されていたのが、全問マーク形式になったため従来通り試験時間は80分です。
2020年に実施されたセンター試験の問題を見た医学部受験生は気づいたかもしれませんが、漢文の問題で初めて漢詩の内容に合うイラストを選択させる出題が実施されました。
これは大学入学共通テストを見据えた出題だと言われています。
医学部受験生は国語も決して落とせない科目であるため、プレテストと2020年のセンター試験過去問はぜひ確認しておくことをおすすめします。
また、評論や小説だけでなく、実用的な文章やエッセイなど幅広い文章の読解に慣れておくことも重要です。
英語
英語は外部試験導入が予定されていましたが、紆余曲折ありこちらも延期になりました。
ただし、センター試験で語句整序・発音問題の廃止に代わり、リスニングの配点・試験時間が増えました。
リーディングとリスニングの2つになったことで、配点も100点ずつとなり、リスニングの重要性が上がっています。
センター試験と違い、1回読み・2回読みで構成されているので、まずは出題形式に慣れることが大事。
また、リスニングだけで試験時間60分と長いので、医学部受験生は最後まで集中して聴けるよう訓練しておきましょう。
いっぽう、リーディングは全てが読解問題となったため、医学部受験生には早く正確に情報を読み取れる速読力がこれまで以上に求められます。
また、他の科目と同様に図やイラストの理解を求められることが予想され、問題分も英語になります。
正確な情報を読み取るためにも文法の知識は不可欠であり、勉強は欠かせません。
なお、センター試験ではリスニングを成績に利用していなかった東京大学理科三類と滋賀医科大学医学部は共通テストからはリスニングを採用すると発表しているので、医学部受験生の中で両大学を志望している人は注意が必要です。
数学
国語と同じく数学も記述問題が延期されました。
ただし、2020年に実施されたセンター試験でも今までにない出題傾向の問題があり、驚いた医学部受験生もいたことでしょう。
計算力だけでなく思考力が問われる問題が増えており、知識を用いていかに正解へと導けるかがカギとなります。
プレテストでは数学Ⅰ・Aの試験では従来のような数値を解答させるのではなく、正しい説明を複数選択させる問題があったり、数学Ⅱ・Bでは会話形式の設問が出題させうなど明らかな変化がみられています。
最後に、数学Ⅰ/Ⅰ・Aの試験時間がセンター試験から10分伸びて70分となっていることからも、出題量が増えていると理解できます。
理科科目
理科科目では、センター試験で採用されていた選択問題がなくなりました。
また、大学入学共通テストでは日常生活や社会に関係する問題がどの科目でも出題されていることから、理科科目でも学校で勉強したことのないテーマや題材で問題が出題されることが予想されます。
教科書に記載されていることを理解・暗記しておけば、解答へ導くことは可能なため、まずは基礎対策を徹底しましょう。
そして、センター試験の過去問や共通テストの模試や対策問題集などを利用して勉強することをおすすめします。
医学部受験生におすすめの対策法
センター試験同様に基礎知識の習得がまずは前提
センター試験の対策と同じように医学部受験生もまずは、基礎学力の徹底を図りましょう。
基礎がしっかりと身に付いていれば、共通テストでも知っている知識を組み合わせることで解答へと導くことは十分可能です。
また、基礎は国公立大学医学部の二次試験でも必要不可欠となってきます。
まずは基礎学力を身につけて、その後に大学入学共通テストの出題傾向に合わせた対策を行っていきましょう。
医学部予備校や大手の対策講座を受講したり、参考書や問題集を利用することをおすすめします。
河合塾や駿台の模試で問題形式に慣れておくことが重要
大学入学共通テストは2021年度が1回目であるため、過去問がなく対策の難しさがあげられます。
プレテストや直近のセンター試験を解くのはもちろんですが、模試を受験しておくことをおすすめします。
特に河合塾や駿台の模試は多くの医学部受験生が参加するためデータも豊富で自分の偏差値や医学部合格の判定材料として利用することも可能です。
模試では、新たな出題形式を想定され問題が作成されているため、傾向を掴むには最適な方法です。
また、試験会場で受験することは、いつもと違う雰囲気および限られた時間内で実力を発揮できるかどうかの実践力を磨けます。
浪人生も効率の良い対策で高得点が期待可能
国公立大学の医学部受験で合格を目指す浪人生は2020年度のセンター試験の対策を行ってきたと思うので、大学共通テストの対策を現役生のように行ってきていません。
ただし、直近のセンター試験では共通テストを見据えた出題形式があったりと、今までの対策が無駄になることはありません。
また、センター試験と同様にあくまで重要なのは基礎学力の徹底であるため、夏休み前までに基礎が再確認し、それ以降に模試や参考書を活用して対策すれば、医学部合格を狙える点数を取ることは可能です。
基礎の徹底と共通テスト対策は医学部受験でも合格につながってくる重要な要素であるため、基本的な勉強は変わりません。
ただし、限られた時間で効率よく受験対策を行う必要があるため、医学部予備校などで対策することおすすめします。
私立大学医学部の受験で共通テストと利用するメリット
私立大学医学部の場合は、共通テストが必須ではないため、医学部受験生の多くは一般入試1本で対策する人も多いでしょう。
しかし、共通テストを上手く活用することで医学部受験で合格する可能性が高くなるのか。
ここでは、私立大学の医学部受験生で共通テストを利用するメリットをあげておきます。
一度の試験で複数の大学へ出願可能
私立大学も多くの医学部で共通テスト利用の入試を実施しており、1つの試験結果で複数の大学へ出願できます。
特に国公立大学を目指す医学部受験生の場合は、滑り止め対策として共通テスト利用で私立を受験する人も多いです。
一般入試の医学部受験対策が不要で私立大学の合格が目指せるからです。
医学部受験にかかるコスト削減を実現
医学部受験の場合、一般入試でかかる費用は一般的に受験料、交通費、宿泊費などがあげられます。
共通テスト利用で出願すれば、一次試験は共通テストの成績で合格・不合格が決定するため、受験が不要となり、その分の上記費用がかからないことになります。
お金だけでなく、移動時間や試験時間なども節約でき、その分は医学部受験対策の勉強時間に充てることができるメリットも。
医学部受験の機会は増やせる
私立大学の一般入試は試験日程が重ならないなら併願受験が可能です。
これに大学共通テストを加えれば、さらに併願する数を増やすことができるため、医学部受験の機会を大きく増やすことができます。
私立大学では、一般入試と共通テスト利用の試験を併願できるため、合格機会を増やせることは医学部受験生にとって魅力的ではないのでしょうか。
まとめ
今回は、2021年度から始まる共通テストと医学部受験への影響や対策ポイントについて紹介してきました。
国公立の医学部受験生は共通テストが必須であるため度外視できませんが、私立大学の医学部受験生も利用することで得られるメリットはあります。
ただし、中途半端な対策をしてしまうと一般入試の勉強にも支障をきたし、医学部受験が失敗してしまうリスクもあることを私立大学医学部受験生は理解しておきましょう。
2021年度は第1回目で全ての医学部受験生が手探り状態で受けてくると思うので、条件は同じです。
無駄に焦ったり、心配することなく、日々の勉強でしっかりと対策しておけば高得点を目指すことができます。
代官山MEDICALの公式サイトです。
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