参考書を使って医学部合格を実現することは不可能ではありません。
医学部予備校や進学塾でもオリジナル教材を使用せず、市販の参考書だけで生徒を医学部に合格させている学習機関もあるくらいです。
ただし、参考書を正しく活用しなければ、医学部合格から遠のいてしまうリスクも高いのが特徴。
これが、医学部受験対策で独学がおすすめされない大きな理由です。
今回は、医学部受験でおすすめの参考書を紹介しながら、正しい活用法を解説していきます。
医学部合格に必要な参考書
医学部合格に必要なのは、まずは徹底した基礎学力。
超難関入試と言われている医学部は問題も難しいと思われがちですが、基礎がしっかり定着してないと応用にも歯が立ちません。
成績が伸び悩んでいる受験生は基礎が定着していないことが多いです。
したがって、参考書を選ぶ際は、まずは基礎を網羅的に習得できる教材を選ぶこと。
医学部受験だからと言って、難しい参考書から始めるのは禁物です。
また、最後まで参考書を終わらせられるかも非常に重要なってきます。
これは、どんなに口コミや評判が良い参考書でも自分に合わないと途中で止まってしまい、学習がそこでストップしてしまうからです。
基礎が徹底できていないと、いずれかの教科が足を引っ張ってしまい、医学部合格から遠ざかってしまうリスクがあります。
しかし、大学受験向けの参考書は様々な予備校や出版社から発売されており、どれが良いのか選ぶのは難しいですよね。
そこで、医学部受験におすすめの参考書を次から紹介していきたいと思います。
医学部受験におすすめの科目別参考書まとめ
ここでは、医学部合格者に評判が高かったり、医学部予備校や学習塾でも指導に使われているおすすめの参考書をピックアップして紹介しています。
自分の学力に合った参考書からまずは勉強を始めてみると良いでしょう。
なお、国公立大学医学部を受験する人は、大学入学共通テストで国語や社会などの文系科目も必要ですが、今回は英語と理系科目を中心に紹介しています。
【英語】
全解説 頻出英文法・語法問題1000
大学受験スーパーゼミが出している英文法・語法の問題集です。
少し昔の問題集ですが、この本の何よりも優れている点は解説です。
他の文法問題集と比べ解説の分量が多く、説明が非常に丁寧なので、単なる暗記でなく理解したうえで文法を学ぶことができます。
また問題数が多く網羅性が高いのと、問題の種類も豊富なため、これ一冊をひたすら繰り返し解くことで文法書を一からやらなくても十分なほど、深く学べます。
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やっておきたい英語長文シリーズ
河合塾が出版している英語長文に特化した問題集で、文の長さでレベル分けされており、300、500、700、1000の4つのシリーズに分かれており、和訳や選択肢、英文解釈などの問題が豊富です。
このうち、300、500、700は特に程よい問題の難易度かつ実際の大学入試レベルの文章が掲載されているので、医学部志望だけでなく全受験生にとって必須アイテムといえるでしょう。
特に医学部受験では500、700字程度の長文を出題する大学が多いので、おすすめです。
私立医学部や東京医科歯科大学のような1000字を超える超長文を出題する大学医学部を志望する場合は、やっておきたい長文1000も追加で演習するとよいでしょう。
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竹岡広信の英作文が面白いほど書ける本
この参考書は駿台の名物講師である竹岡広信先生の英作文を解く際のノウハウが詰まった良書で、基礎から発展レベルまで網羅しているので、使う人を選ばない参考書です。
汎用性の高い言い回しや、受験生が間違えやすいポイント、減点されにくい書き方が分るので、全受験生にとって強い味方になるでしょう。
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【数学】
青チャートシリーズ
言わずと知れた数研出版の青チャートは、医学部受験生であれば必ず押さえておきたい参考書の黄金ルートといえるでしょう。
医学部受験の数学では難問が多く出ますが、難問の根幹をなすのは標準レベルの問題。
この青チャートは網羅系問題集と呼ばれ、基礎から標準レベルの問題が多く掲載されているので、何度も周回することで確実な数学力が手に入れられます。
また、青チャートの各問題にはコンパスマークが描かれており、1から5までの難易度を表しています。
5段階の難易度表示によって自分がその数学の分野でどれだけ理解しているかが一目瞭然なのも、青チャートのメリットです。
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1対1対応の演習シリーズ
「大学への数学」で有名な東京出版が出している、標準からやや難レベルの問題を掲載している問題集。
青チャートのコンパス1から4レベルの問題を複数個組み合わせて作られたような、やや複雑な問題を中心に演習することができるのがポイントです。
青チャートなど網羅系参考書を一通りやった人が、数学の基礎が身についたかをチェックするのにもってこいの参考書といえるでしょう。
医学部受験で出題されるようなやや難の問題演習をするのに最適な参考書です。
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教科書だけでは足りない大学入試攻略シリーズ
この参考書は河合塾が出版している、数学の分野別の参考書です。
教科書だけでは足りない、とありますが基礎基本から発展レベルまで載っているので、その分野が苦手な人にとっては重宝する参考書といえるでしょう。
また、現段階で既に十分理解した分野でもより深い理解・演習を積めるので、よりその分野を得意にしたいと考える人にもおすすめのシリーズとなっています。
現在は「整数」「数列」「場合の数と確率」「図形」「微分・積分」「確率分布」「データの分析」といった分野で出版されており、今後もさらに分野は増えていくと思われます。
医学部受験ではいかに苦手分野をなくすかが大事になってくるので、この参考書を通じて苦手分野をなくすことに努めましょう。
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【物理】
物理のエッセンス
物理のエッセンスは河合塾が出版している物理の参考書で、「力学・波動」と「電磁気・熱力学・原子」の2つに分かれています。
主に物理現象の説明と、問題の解き方に特化しており、微分積分を使わずに定性的に理解していくのが特徴です。
数学が苦手な人でも分かりやすいイラスト解説がついているのもポイントです。
物理のエッセンスを隅々まで読み、解き方を理解さえすれば、盤石な物理の基礎ができることは間違いありません。
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新物理入門
この参考書は駿台が出版している物理の参考書で、物理のエッセンスと一番違うところは物理を微分積分を用いて理解するということです。
物理公式をただ暗記するのではなく、なぜ式が成り立つかを考えることで、難関大・医学部受験において出題される難問・奇問にも太刀打ちできる実力が付くでしょう。
だいぶ数学的な解説なので、数学に苦手意識がある場合は物理のエッセンスを、数学が得意な場合は新物理入門を使うといいかもしれません。
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名門の森
これは河合塾が出版している物理の問題集です。
一般的な模試や大学入試で出題されるような問題が載っており、難易度としてはやや易からやや難レベルで、カバーできる範囲が広いためおすすめ。
基本的には同じ河合塾出版の物理のエッセンスとの相性がいいですが、新物理入門で勉強しても大丈夫な構成・解説になっています。
この名門の森を完璧にさえすれば、物理の基礎・標準問題は完璧だと言えるでしょう。
医学部志望だからと難問を解くのではなく、物理の場合は標準問題を多く解きこなすことが必要です。
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【化学】
化学の新研究
三省堂の出版する化学の新研究という参考書は、普段の教科書にプラスアルファで知識を得るのにおすすめです。
この参考書では非常に詳しい解説で化学の各分野を解説しており、時に大学受験を少し越した説明もありますが、分かりやすいため難なく理解できると思います。
また、予備校で解説してくれるようなちょっとした問題を解くときの手法や考え方も載っているので、タメになる一冊としておすすめです。
医学部受験の化学はやや高度な内容を扱うことも多いので、医学部受験生ならやっておきたい一冊です。
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化学の新演習
こちらは先述の化学の新研究と対になる問題集で、良問が数多く集められています。
化学の新研究を使って勉強した後に、化学の新演習で演習することで、勉強で得た高度な知識を定着するのに非常に効率がいいです。
また、難易度がやや高めに設定されていて、医学部受験で実際に出題されるような問題が多いので、医学部志望であれば周回したいところです。
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【生物】
よくわかる生物基礎+生物
こちらのよくわかる生物基礎+生物は、非常にわかりやすい説明で有名な生物の参考書です。
実際手に取ってみると分厚いのですが、いらすとや写真をもとにした解説が多いので、難解な生物が初学者でもわかるような構図になっているのが特徴。
理解度チェック問題や共通テスト対策問題もあるので、これから生物を学習していくと考えている医学部志望の学生にはおすすめの参考書です。
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大森徹の生物 記述・論述問題の解法
旺文社出版の生物の記述・論述問題に対する参考書です。
医学部やそのほか難関大の生物の問題は、単なる知識の暗記では太刀打ちできず、知識をもとにした記述・論述問題の形式がほとんど。
この参考書は問題がたくさん載っているというよりも、どのようなプロセスで考えるかを教えてくれる一冊なので、知識がある程度定着してきてからこの参考書をやるのがおすすめ。
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間違った学習法
せっかく評判の良い参考書や問題集を利用して勉強しても、以下のような学習法では思うように学力は伸びません。
多くの不合格や多浪生などが陥りやすい間違った学習法なので、二の舞にならないよう注意して受験対策を進めましょう。
一度解いて終わり
問題集や参考書を1回終えただけでは、知識の定着は難しいです。
過去に間違えた問題や理解していなかった分野は1度理解できても、時間が経てばまた忘れてしまう可能性が高いので要注意。
繰り返し何回も同じ参考書を解くことで、知識の理解・定着が徹底化されていきます。
少なくとも3週は繰り返し解くのがおすすめです。
沢山の教材に手を出す
医学部受験が不合格だった受験生に多いのが、たくさんの参考書に手を出し過ぎてしまったパターンです。
沢山手を出し過ぎると、どれも中途半端になってしまい、結果的に知識の定着が図れなくなってしまいます。
勉強している参考書だけでは物足りなさを感じ不安になってしまうのは理解できますが、参考書は最低限に留め、信じて何度も繰り返し解いたほうが、知識の定着が徹底されて合格できるケースが多いです。
志望大学攻略のために過去問は必要不可欠
医学部入試は、大学ごとにそれぞれ特徴的な出題形式や傾向があるため、それを理解するために過去問を使って対策することは非常に重要です。
過去問を数年分解いておくことで、志望する医学部の出題パターンを把握することが可能となり、時間配分や捨て問・解くべき問題の見極めが可能に。
特に、医学部入試は問題量が膨大で時間内に終わらない量を出題してくる大学も少なくないので、過去問攻略は合格するために非常に重要と言えます。
過去問の参考書は、赤本と呼ばれる「大学入試シリーズ」が医学部設置大学を網羅しているので、こちらで対策すると良いでしょう。
独学で医学部合格は厳しいのが現実。予備校での対策が近道
医学部合格に必要な参考書をおすすめしてきましたが、昨今の医学部受験ブームによる難易度を考慮すると、参考書を使った独学での合格は厳しいかもしれません。
偏差値60以上の高度な学力を出題科目全てで求められ、苦手科目が作れないのが医学部受験の特徴。
参考書は解説なども記載されており、独学での勉強も不可能ではありませんが、難易度の高い問題を解くことも多い医学部受験においては、不明点を質問できる環境が重要になってきます。
また、浪人生の場合は自宅で勉強し続けることはモチベーションの維持も非常に困難。
以上のことから、医学部受験を確実に合格したいなら、予備校や塾で対策するのが一番です。
医学部予備校や塾では合格に向けた専門的な対策ができるのはもちろん、質問や苦手教科の対策も万全。
医学部を確実に合格したいなら、参考書を使った独学を選ばずに予備校で指導を受けることをおすすめします。
代官山MEDICALの公式サイトです。
https://www.daikanyama1999.com/
ウインダムの公式サイトです。
https://windom.jp/